何でもかんでも外部ろ過なんてもったいない!~底面ろ過信者の嘆き~

★この記事は1つのご提案10月のお題「もったいない」を受けての記事になります。★
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「アクアリウム」に関する一般のイメージというと、「とにかく世話が大変」とか「お金が掛かる」とかいう声が必ずといっていいほど上がります。

まぁたしかに魚種や飼育法によっては世話が大変だったりお金が掛かったりします。
ある魚なんて毎日餌をあげなくてはいけない、しかも生餌が好ましかったりする、そりゃもう自分のご飯より大変です。
また飼育法によっては週2回の水換えとか、毎月高いろ材を交換するとか、維持費もけっこう掛かってしまったりします。

でもアクアリウムの全てがそんな飼育法とは限りません。
そこまで毎日世話をしなくても、そこまでお金を掛けなくてもアクアリウムは楽しめるのです。

アクアリウムが何故「手間もお金も掛かる」と言われるのか、その最大の要因は外部ろ過がリーズナブルな価格になって一般でも購入可能となったことだと思います。

外部ろ過は水槽の外に設置するバケツ型の密閉型容器から引かれた2本のホースをす水槽に設置し、片方から水槽の水を吸い込み、もう片方からじゃろ過された水を排出するろ過装置ですが、昔は本当に高かった。
1機2~3万円も当たり前で、お金に余裕がある人でないとなかなか購入も難しく、高性能であってもあまり導入できない機材でした。
しかし10数年ほど前からは外部ろ過の値段もとても安くなり、1万円しない商品も当たり前に店頭に並ぶようになりました。
元々ろ過能力が高い外部ろ過ですが、その特徴として他のろ過に比べて吸着ろ材が多く利用できることもあり、ある意味では簡単に水槽を維持できるようになりました。
しかしそれは定期的にろ材を交換しつづけ、また本来水槽管理としてはタブーな餌のやり過ぎでもトラブルにならないなどアクアリストが学ぶ機会を少なくするという面も併せ持っており、結果「アクアリウムはとにかく水換えを頻繁にすれば良い」という間違った認識をもったアクアリストを生むことにもなったのです。

また店舗やメーカー側も良くなかった。
下手に管理法を教えるよりも、ろ材を交換するだけで水槽の維持が可能な場合が多い外部ろ過をドンドンと売りつけたからです。
まぁ単価は高いし利益にも繋がるでしょう、トラブル時にも「ちゃんとろ材を交換して水換えをすれば大丈夫」と当り障りのない対応もできるでしょう。餌を大量にやり過ぎても問題が起きにくいしね。
しかしそれが蔓延してしまった結果、アクアリウムは手間も掛かるしお金も掛かるというレッテルが貼られてしまったわけです。

ではそこまでの手間やお金を掛けなくてはアクアリウムはできないのでしょうか?
いやいや、けしてそんなことはありません。
その水槽に合ったろ過方法を選択し、正しい餌やりと管理をするならば、そこまでの手間とお金は必ずしも必要ではないのです。

例えばうちのある60cm水槽の場合、底面ろ過+投入式ろ過でろ過系をまかなっています。底面ろ過のろ材は底庄(敷いた砂利)なので底庄掃除でOKなので無料。投入ろ過のろ材も洗って使うのでろ材交換代は掛からない。
つまり、ろ過に関しては無料で維持できるということです。

また餌やりは暇な時には毎日あげていますが、餌にもなる水草も入れており、また常備食ともなるコンブを入れているので控えめに見ても2週間、おそらくは2ヶ月ぐらいは餌なしでも問題ないでしょう。
さらに餌やりは適切な範囲内(短時間で魚などが食べきれる量)なので、水槽内に餌の食べ残しがあって取り除くという作業は無用。底庄掃除も年に1~2回程度。
そして硝酸塩対策の為の水換えさえも要りません。うちでは生長の早い有茎水草を繁茂させることで硝酸塩を吸収させているからです。

それ以外にも底面ろ過+上部ろ過の60cm水槽や、底面ろ過+外掛ろ過の31cm水槽3機、底面ろ過と外掛ろ過を併設した36cm水槽、底面ろ過+上部ろ過の八角水槽、さらには水草キープ用の瓶など、それぞれの水槽に適した形での管理運営を行うことで、手間やお金はほとんど掛けずに維持できています。
まぁ普段掛かるのは交換する蛍光灯代と電気代、餌代ぐらいね。外部ろ過で強引に維持しているのに比べれば半分か3分の1か、下手すりゃ10分の1以下の労力とランニングコストでしょう。

このようなアクアリウムを実践しているおいらだけに、一般人の認識に多くあるようなアクアリウムをしている人が多いことをもったいないと、そう思うのです。

もちろんね、外部ろ過が適している場合というものもある。
例えば大型の肉食魚などの場合、快適に飼育できる水槽サイズとなると、とてもじゃないけれども一般向けではないほど巨大なモノになってしまいます。
それでも飼育可能なのは強引なろ過も可能な外部ろ過による部分は大きいですし、そういう意味では大型肉食魚飼育には外部ろ過はもはや定番の無くてはならない存在と言えるでしょう。
しかしだからと言って、他の魚種や水槽にまで外部ろ過が必須ではないのです。

その辺りの理解が進まぬまま、ただただ「外部ろ過付けとけばいいんじゃね?」みたいな流れのアクアリウムが増えていつ現実に、おらは疑問を感じつつ「もったいないのう(=ω=;」と思わずにはいられないのでした。

9件のコメント

  • SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    りうかさん
    はじめまして
    はるパパと申します。
    毎日、ものすごい数の更新ですね。
    携帯電話業界の情報ではたまに参考にさせて頂いてます。
    私も底面ろ過信者の1人です。
    りうかさんの考えに全面的に同意です。
    今後もアクアネタ、楽しみにしています。

  • 知らないなんて・・・もったいない!

    【1つのご提案:もったいない】先日、普段それほどバスを使わないであろう人たちに、バスに乗ってもらえる機会があったんですけど・・・。集まったのは、私を含めて15人くらいだったかなぁ?・・・せっかくの機会だったので、もっと乗ってくれるとうれしかったんですけど…

  • SECRET: 0
    PASS: a172bfcc2100e1e90d1e151d4c0be1ae
    はじめまして、ようこそです。

    あれよね、外部ろ過さえつければ何やっても良いと思っている人がおることに問題を感じるわけですよ。
    何だかんだ言っても、ろ過の基本は生物ろ過! これは底面ろ過を愛する全ての人の心のテーマなはず(と勝手に決めてみる)。
    それどころかアクアリウムやテラリウムなどの水物飼育における基本中の基本であって、それでも補えない分を吸着ろ過や水換えでなんとかよろしくなわけですよね、本来は。
    そこをこうどう思い違えたのか10リットルの小型水槽にデカめの外部ろ過2機つけて「ろ過は完璧!」とか言っている人も中にはおるわけでして、そういう外部ろ過至上論みたいなのはどうなんだべね…と思うわけです。
    実際にはそんな真似しても生物ろ過的には微妙なわけで、しかもそれですごいペースでろ材交換しまくれば生物ろ過がちゃんと働くわけもありませんでして、ただ全体の水量だけは確保できるからいちおうは安定するべね、ってだけなんですがどうにもそこいらを理解してくれない人が多い昨今のアクアリウム事情に嘆いていたりもします。

    まぁそんな感じで、地道に知り合った人を底面ろ過の道に引きずり込もうとがんばっている次第です。
    これからもどうぞよろしくm(__)m

  • SECRET: 0
    PASS: e94d8940ffbe6b0bbc3e5a4c9bbace18
    はじめまして。
    ほとんどポリプテルスばかり飼育している
    げんごろうと申します。

    底面ろ過、いいですよね。シンプルで超安価なのに
    ろ過能力は意外に高い。
    うちでも小型スネークヘッドの水槽に単独で
    使っていますが、換水のペースは月1以下です。
    まあ自分が怠け者なのと魚が丈夫なのもあるんでしょうが…。

    ただ、外部ろ過について少し気になったんですが、
    外部は他のろ過形式に比べ、構造上メンテナンスがしにくいため、
    一般的に頻繁なろ材交換が必要な吸着系のろ材はあまり
    使われていません(購入時にはセットで入っていますが)。
    物理ろ過に関しても、外部のろ過槽でやろうとすると
    ろ材の目詰まりが早いため、ストレーナー部にスポンジを
    つけたり、りうかさんのように底面ろ過に接続するなど、
    何らかの方法をとられている方が多いようです。

    では外部ろ過の役割は何なのかというと、
    それは生物ろ過だと思うのです。
    酸素の供給という点では弱いですが、
    ろ過容積を確保しやすいのでやはり生物ろ過の
    能力は高いと感じています。
    最初に多孔質のセラミックろ材に詰め替えるのには
    結構なコストが掛かってしまいますが、その後は
    特にろ材を交換する必要はないと思います。
    外部ろ過はできるだけ生物ろ過に集中させ、
    メンテナンスの期間を少しでも長くできるように
    みなさん工夫されているようです。

    もちろん、りうかさんがおっしゃるように
    外部ろ過を無理やり水を維持する道具として
    使っている方がいるのは残念なことだと思います。
    なんだかまとまりのないことをずいぶん長く書いてしまいましたが、
    結局私が何を伝えたかったのかといいますと、
    外部ろ過は吸着ろ過の道具ではなく、
    生物ろ過の道具だということです。
    ろ過の基本は生物ろ過、その通りだと思います。

    ちなみに私は上部ろ過信者です(笑)

  • SECRET: 0
    PASS: a172bfcc2100e1e90d1e151d4c0be1ae
    はじめまして、ようこそです。
    増える生き物と中国プレコに引かれる傾向のある管理人りうかです。

    げんごろうさんの言われていることはもっともだと思います。
    本来外部ろ過は強引なろ過をするためではなく、生物ろ過を含む高いろ材容量を誇っています。
    生物ろ過についても底面ろ過と並んで最高レベルのろ過のはずです。
    そして水槽におけるろ過とは本来、どのろ過方式であっても生物ろ過が最重要であり、言い換えるならばどのろ過でも生物ろ過の為にあるんです。
    おらも本来は外部ろ過もそうあるべきと思ってるんだすよ。

    でもやはり問題は、そうじゃない使い方をしている人がいるということよね。
    そして今時の非公式ろ材(そのろ過装置の公式ろ材シリーズでないもの)に吸着ろ材やら脱窒ろ材やらがわんさかあること、そしてそれを用意に利用できる外部ろ過のある意味での汎用性の高さ、それを曲解しているだろうことが根底にあるわけですよ。
    酷い人になると、外部ろ過を単なるフンの吸い込み装置にしかしていない人もいるのよね。あまりにろ材交換しすぎてバクテリアの繁殖が追いつかないというある意味ろ過できていない状態ね。
    そういうある意味での生物ろ過ではなく、ろ材交換と水換えだけで水質を維持するものだと思っている人が一般にけっこうおるわけですよ。

    つまり何を言いたいかというとね、一般の人がアクアリウムの世界に入る時にはちゃんと学んで欲しいなということなのよね。
    なんかこうあれなのよ、特にブームの度にそれをすごい思うのよね。魚屋さんの店頭で「外部ろ過で週2回水換えすれば簡単だよ」と彼女に自慢毛に言っているお兄さんとかみたりとかでももう底面ろ過を押し付けたい衝動になってしまう。底面ろ過なら基本的に生物ろ過をするしかないからね。
    と、いろんな意味で今時のアクアリウムに不満へのが四半世紀ほどアクアリウムをやっている立場として見えてきていたりもするわけです。

    昔の熱帯魚専門店だとその辺りもクドクドと説明してくれたんですけどね…知識のない客が逆ギレして暴力沙汰にということもあったとかで、おらのよく行くお店では店員の安全の為に一時期接客がすごいゆる~くなったりもしました。
    なんかそういう「生き物が好き」ではなく「生き物が好きなようなことをしている自分が好き」な人を助長するようで、個人的には吸着ろ材を全廃して欲しいぐらいの勢いでおりますですはい。

  • 時を大切に

    今回は一つのご提案「もったいない」にトラックバック記事です。こちらのブログへ統合してからは初めての投稿です。

    普段の生活で、もったいないと思えないけれども、あとあと振り返ってみると、「もったいない」と思うもの。しかもそれは二度と取り返せないものであり…

  • SECRET: 0
    PASS: e94d8940ffbe6b0bbc3e5a4c9bbace18
    暴力沙汰…とんでもない人がいるもんですね…。
    自分も含め、最近はなにか新しいことを始めようとするとどうもネットの情報に
    頼りがちで、その辺も根本的な知識に欠ける人を作る原因なのかもしれませんね。
    外部ろ過機の値段も以前では考えられないくらい安いですし、
    様々な吸着ろ材が発売されていることも、りうかさんの危惧されるような
    勘違いをしやすい状況に一役買っている気がします。

    吸着系のろ材も流木のアクや薬品による水の色をとるなど
    使いどころによってはなかなか役に立つものなんですが…。
    根っこから間違えてしまうとどうにもなりませんよね。

    外部ろ過でむりやり水槽を維持している人には是非底面ろ過、
    使ってみてほしいということは私も思いました。
    そして頻繁に水換えしなくても元気な魚を見れば疑問に思うはずですね。
    そこから生物ろ過の仕組みや大切さに気づいていってほしいものです。

  • SECRET: 0
    PASS: a172bfcc2100e1e90d1e151d4c0be1ae
    トンデモさんの話はいろいろとこう店員からね…

    例えば買っていった魚がその日に死んだというクレーマーさん。
    「とんでもない不良品を売りつけやがって!」
    とものすごい勢いで文句を言いに来たそうな。
    それで店員さんがよくよく状況を聞いていったら、水合わせもしないでドボンと水槽に入れやがったそうな。
    だから店員が「いちおう水合わせをしてゆっくり慣らしてあげないと…」と説明したところ、「そんなこと買う時に言ってなかったじゃないか!いいから返金しろ!!」といきまいたそうな。
    でも買った時に店員が説明しようとするのを「わかってるから」と拒否した人だったらしく、当然返金もされずじまいで、なんかすごい長い時間もめたんだそうな。

    程度の差はあるけれどもこういう説明拒否して後からクレーム、って人は昨今少なくないようです。

    ほかにもウール系の足場を入れて購入したエビを指で引っ張り出したら死んじゃってクレームとか(そりゃ死にますがな)、アロワナとか買っていったお客が「大きくなったから購入代金以上で買い取れ」とすごんできたとか(売りたければ個人で販売すればいいのに)、店員の説明を拒否して魚と水槽セットを買っていって数日後に「ちゃんと水槽セットしたのに魚が死んだ、不良品じゃないの?」と詰め寄るお客さんとか(単に水作りが出来ていないだけでしょう)、なんかものすごい勘違いをしているトンデモさんの話はよく聞きます。

    良くも悪しくもアクアリウムが昔よりも一般的になってきた、というのがあるんでしょうけどね。
    残念ながら正しい飼育法は一般的にはなっておらず、定期的に入れれば水質維持できるバクテリアとか(定期的に入れないと維持できない辞典で水作り出来ていません)、どんな水の汚れもすぐに吸着できるろ材とか(そんな恐ろしい水の汚れが続くのは餌のやりすぎです)、そういうものばかりを変に思い込みでやっている人が少なくないのよね。

    とどのつまり、水槽作りは水作りであり、水作りとは生物ろ過を含んだ水槽内の水系のバランスが取れていることなんですけどね。
    外部ろ過の掃除の時に「汚泥が水槽内に流れ込んで崩壊した」なんて話を聞くと、外部ろ過をちゃんと使えている人は少ないんではないかと思わずにはいられないんすよ。

    ということで、おらも一度底面ろ過をやってみろというのは賛成。底面ろ過は適切な飼育をしないと維持が難しいですから。
    まぁでも間違った外部の使い方をする人は底面ろ過でも吸着系砂利を使ってリセット前提の水槽作りをしちゃったりするんですけどね…(=ω=A;

  • 八戸のバスは「もったいない」

    今回は1つのご提案の10月テーマである「もったいない」について記事を書きたいと思います。
    記事を投稿するのが遅くなってしまいました。
    すみませんm(_ _)m

    なぜ盛岡市の「でんでんむし」の画像が上にあるのかは、本文を読んで頂ければ分かりますので・・・。
    さて私が…

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