日立が「バラスト水浄化装置システム」を開発

日立、バラスト水排出による周辺海域の生態系破壊を抑制する浄化システムを開発(NIKKEI NET9/25)

(株)日立製作所と(株)日立プラントテクノロジーがタンカーなどがバランスを取るために使うバラスト水を捨てる際に浄化する「バラスト水浄化装置システム」を開発したそうな。
またその実証実験を東京湾で実施するとのこと。

バラスト水ってのは簡単に言うとオモリよね。タンカーとか輸送船とかは荷物を積んだ状態で安定するようにできているので中身が空っぽだとバランスが悪い。だから積荷が無い時は海水をオモリ代わりに入れて船体のバランスを取るというわけね。で、荷物を積む時にはまた海水を捨てると。
でも海水だから当然微生物とかいろんな卵とか幼生などが含まれているわけで、それが時として遠い外国の海で猛威をふるう外来生物になってしまう、という問題が合ったわけです。
それを回避しようという技術ですな。

実はこのバラスト水による外来生物問題では日本も大きな加害者の1人だったりします。
なんたっていろんなものを大量輸入して、輸出するのは比較的軽いものばかりですからね。重量バランスから言えば日本にくる海外のバラスト水よりも日本から海外に持ち出されるバラスト水の方が圧倒的に多いはず。
事実日本のヒトデやワカメが海外の海で猛威をふるっていたりするのですから、バラスト水への対策は日本の急務の1つであると言えるでしょう。

とりあえず今回日立が採用したのは、海水に含まれる物質を凝集剤と磁性粉で固めて電磁石でくっ付けて取ったあとにフィルターでろ過する方式みたいね。
三井造船なんかはオゾンで殺菌処理する方式で今秋導入するらしい。
どっちが優れているかは今後の結果次第なのだろうけど、まずはこういう取り組みをはじめることが大事です。
そして是非これらの取り組みを成功させて、日本のタンカーなどによるバラスト水起因の汚染を防げるようにがんばって欲しいです。

▼参考リンク▼
[第386回] 6月12日 23:00~23:30 放送 「外来種は警告する Vol.2」 ~マリンペストに襲われた町~(素敵な宇宙船地球号)
バラスト水内水生生物管理システム、コンテナ船に実船配備(三井造船プレスリリース7/31)

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