リアル「かめのおうち(池)」潜入

アカミミガメを保護する「かめのおうち」(みどりうか5/20)

アカミミガメの保護を行う「かめのおうち」さんですが、連絡を取って実際にリアル「かめのおうち(池)」に潜入してきました。
正直なところを言うと、海の物とも山の物ともつかぬじゃないですか、実際に見てみないと。
もちろん私の出来ないこと(保護活動)をしている、って時点で尊敬する存在ではあるんですが、それでも収容頭数が本当に大丈夫なのか、水の状態はどうなのか、などなど気になることが幾つもあるので、実際に見学しに行ってきた次第です。

リアルかめのおうち
↑ということで池ドーン。

私は水の状態を匂いと味で確かめる良くない癖がありますので、さっそく池の水を確かめてみました。
見た目、グリーンウォーター、私大好きなタイプ。うちの水槽なんて屋内なのにイエロー~グリーンウォーターになるからね。
匂いは嫌気系の感じはなく水草も入れていないため植物系の香りはわりと薄めだけど、ちゃんと出来ている水の匂い。味はそんな無いけど、これは良い子は真似しちゃダメ。カメとかはサルモネラ菌のデパートだから真似しちゃダメ。おらだけ良い、諦めてる。

思って以上に大きい池でした。全幅6mの奥行き1.5mほどでしょうか。水の部分が3mちょい、陸が3m弱って感じかな?水中ポンプにより外部ろ過(手作り)を通して水が循環するスタイル。
いわゆる池用防水シート仕立てで、フェンス側には黒い畦波シートで低い位置をカバー、これならやんちゃな個体がフェンスに挟まる事故も防げそう。

カメは現状5匹とのことで、元々リョウさんが飼育していたカメと引き取ったカメだそうです。
すでに連絡が幾つかきていて、近く引き取る個体もいるようです。

ここから気になることを訊いてみた。

Q.収容頭数70頭とのことだが、6/1よりアカミミガメが条件付特定外来生物に指定されたため引取以来が殺到することが予想されます。収容頭数を超えた場合はどうしますか?
A.収容頭数を超えたら引き取りを断ります。カメのために余裕を持って70頭としているが、限界を超えた頭数を引き受けることはカメにとっても不幸なので、収容頭数は厳守する。

Q.繁殖についてはどう対応しますか?条件付特定外来生物は繁殖を許されていますが、飼育可能頭数の範囲で行うという認識ですが。
A.タマゴを殺処分する形で対応。オスメスを分けて飼育するわけではないので交尾・産卵を防ぐことは出来ない。しかし無闇に繁殖させることはカメにとっても不幸であるため、かわいそうだがタマゴの段階で殺処分とする。

Q.冬期の管理は?池の中で越冬させるのですか?
A.冬期は家の中で管理する予定。

ふむ、気になっていた部分の回答をしっかりいただいた。

全ての個体を助けたいと思うのは生き物が好きな人なら誰でも思うところ。
でもね、飼育できる数に留めることってとても大事で、それが出来ないと飼育崩壊しちゃうんですよ。
だからちゃんと頭数を決めて受け入れ可能な数だけにする、これはとても大事なことです。リョウさんちゃんとしてる人でえがった。

繁殖についても然りで、飼育不可能な数を繁殖させることもまた罪なわけですよ。
うちなんかは水槽のフリした弱肉強食の世界なので、弱い個体は他の個体の血肉となり自然と限界頭数を超えないようになっていますが、肺呼吸する生き物や大型生物は餌が潤沢にあると、比較的無理してでも成長したり増えたりしますからね…その結果奇形や背曲がり、共食いなどが発生するのもまた不幸なので、心を鬼にしてタマゴを殺処分ということを聞けてよかったです。

冬期もすごい心配してたのね。
いちおアカミミガメとかは冬眠するっちゃするんだけど、徐々に温度さげていって冬期に活動がほぼない状態になるのがけっこう難しかったりするので(昔それでアカミミガメ越冬失敗で☆にした(´;ω;`)、屋外池飼育のままで越冬させると死亡個体がけっこう出るのではと不安に思っておった。屋外って温度管理し辛いし、この頃は気温のアップダウンが激しくてその影響も受けそうだしね。
だから屋内でがんばって越冬させる、ってのは一番生存率が良い選択だと思って感心。まぁ手間とか気遣いとは大変だけどね。

そんなこんなでこれなら安心してカメを預けることが可能だと思ました。

ただね、今飼っている人には、出来ることなら、可能な限り自分で飼育を続けて欲しい。
引き受けるにしたって限界はあるからね、条件付特定外来生物に指定されたからって室内飼いならまず脱走の危険はないし、屋外飼育でも網が外れないようにするとか対策をしっかりしていれば問題ないのだから。
そりゃお上はさ、「わざとじゃなくても逃したら罰金か懲役食らわすわー」って言うけれど、そこはほら、法律を曲解できないってだけの話であって、あまり不安に襲われないで可能な限り飼育継続して欲しい。日本の法律上、条件付特定外来生物に指定されたわけだけど、アカミミガメはアカミミガメなんだし、今回の指定は飼育可能な条件もついていて飼い主に優しいわけだはんでの。

それでもどうしても飼育ができなくなり、周りの人に相談しても譲渡先が無かった時の最後の砦、それが「かめのおうち」なのだと思います。
大変だろうけど長く活動を続けて欲しいなぁ

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