新通話パックにおける『繰越』と『分け合える』についての考察
ケータイ料金には無料通話分と呼ばれるモノがあります。
基本料金に含まれるモノやオプションで追加できるモノなど幾つかのケースがありますが、いずれも活用すればケータイ代がお得になる可能性を秘めております。
しかしその適用に当たっては、各種条件によってもお得になるかどうかが大きく左右されます。
その各種条件とは無料通話分の『繰越』と『分け合える』です。
ウィルコムにおいては「ウィルコム定額プラン」のオプションである「070以外もお得な通話パック(以下通話パック)」が『繰越』も『分け合える』も出来たわけですが、1月22日に発表された「新ウィルコム定額プラン」のオプションの「新通話パック」では『繰越』はできないが『分け合える』は出来るようなオプションプランへとと設定されています。
『繰越』と『分け合える』、これが出来るか否かでユーザーの適用基準はどのように変わってくるのでしょうか。
無料通話分が『繰越』出来るかどうかで、ユーザーのプラン選びは大きく変わってきます。
例えばウィルコムの通話パックが繰越出来ない場合、月に必ず支払う料金1050円分以上の通話(正確には通話とパケットの合計)をしないとお得にはまずなりません。
しかし繰越が出来るのであれば、月の平均通話が1050円を超えればお得になる可能性が出て来ます。つまり月の通話が500円分の時が合っても損はしないわけです。
つまり繰越が可能であればお得になる条件が引き下げられると同時に、ユーザーに「余っても繰り越せるから損はしないな」というイメージを与える事が可能となるわけです。
しかし新通話パックは繰越が出来ないので、月の通話が必ず1000円以上になる人に向いていると言えるでしょう。
また同時に一般には損をしているようなイメージを持たせがちなオプションプランであるといえます。
事実として、繰越が出来ることで通話パック適用で得をする人は増えるわけですが、それは一般が受け取るイメージ程には大きいものではなく、多少適用してお得になる敷居が下がる程度のものだということを理解すれば、適しているかの判断基準が変わっただけだと言えそうです。
では『分け合える』ではどうでしょうか。
実は分け合えるについては、繰越とは全く別の側面があります。
それは無料通話分を追加できるという側面です。
余った無料通話分を分け合えることはお得であるだけでなく、一部のユーザーには無料通話分を増やしてさらにお得になるという側面があります。
そのユーザーとは、自身の通話が多いが、同一名義の別のプランではほとんど有料の通話をしないタイプのユーザーです。
例えば5台で通話パックを契約している場合、無料通話分は月5250円で6300円分となり、1000円もお得となるわけです。
これが新通話パックではさらに加速し、同様の契約をしていれば月5250円で10500円分の無料通話が利用できます。通常より5250円もお得です。
つまり新通話パックにおいての分け合えるとは、複数台契約ユーザーの無料通話分を実質的に追加する為の施策であると言えるでしょう。
以上のように、新通話パックにおいて繰越が出来ずに分け合えるということは、お得になるかの適用判断基準が変わると同時に、複数台契約ユーザーの無料通話分を間接的に増やす事が出来る、という意味合いを含んでいるように見えます。
そう考えると、新通話パックは今までの通話パックとはまた違った魅力を有するオプションプランとして受け取る必要があると言えるでしょう。
世の中には無料通話分を持て余しているユーザーが存在しています。
そのようなユーザーは最も安い料金プランのみを使っている場合を除いて、本当ならば料金プランを見直すべきユーザーであると言えます。
しかし実際には『繰越』や『分け合える』という言葉の魔法によって良いイメージだけを受け取り、実は無料通話分を余らせて損をしているというのが現実です。
無料通話分とはキャリアに与えられたものではなく、あくまでユーザー自身が支払った料金により発生しているものです。
その辺りを理解し、他のプランなどと比較してお得かどうかだけで判断するでなく、自分に適しているかが本来の判断基準なのだと知っておかねば、ユーザーはキャリアにとっての良いお客さんになってしまうと言うことを忘れてはいけませんぞい。
2100円の理由はたぶんこれ
新通話パックにおける『繰越』と『分け合える』についての考察(みどウィル移1/29)新通話パックの無料通話分が2100円である理由(みどウィル移1/29…