ソフトバンクモバイルが条件付で基本料が0円となる「ホワイト学割」を発表しました。
これは新規で3G端末を購入することとパケットし放題などを契約することを前提に学生であれば3年間基本料金を実質0円とするという学生向けの割引プランであり、現状はキャンペーンとして2月1日から5月31日まで行われる、というものです。
既にTVCMなども放送されており、本当に基本料0円という点もあって一部のブログでは賞賛する記事などを書いているようです。

しかし本当に「ホワイト学割」は安いのでしょうか？
私はかつてのヤフーBBでのユーザー軽視の姿勢や、テレコム買収後の無差別大量勧誘電話の件を目の当たりにしており、また今までのソフトバンクモバイルのプランについても必ずワナが仕込んであったことも知っているだけに素直にそれを信じることができませんでした。孫社長アレルギーを抜きにしてもです。

本当に「ホワイト学割」にはワナが一切無く基本料金0円となるのでしょうか？

◆基本料金は本当に0円になる◆
結論から言えば、適用条件を守っていれば本当に3年間基本料は0円で利用できます。
その適用条件を大まかに言えば、購入時には「購入時に3G端末を新規契約で購入すること」「基本料金プランはホワイトプラン」「パケットし放題を契約すること」「S!ベーシックパックを契約すること」の4点であり、その後も基本料金0円で利用する為には「パケットし放題を契約し続けること」「S!ベーシックパックを契約し続けること」という2つのオプションを契約し続ける必要があり、1つでもはずせば通常のホワイトプランへと移行するというものです。
つまりこれらのことを守りさえすれば、契約時に学生であれば本当に3年間は基本料0円で利用できることになります。

◆月のケータイ代は最低315円、メールやWebを使いまくれば月4725円◆
ホワイト学割では基本料金となるホワイトプランが無料となります。
またパケットし放題の最低料金が0円となっているため、パケットを使わなければパケットし放題も0円となります。
ただし、S!ベーシックパックの月315円だけは課金されます。その月にまったくパケットを使わなくてもです。
ということで、一切通話や通信を行わなくい場合のケータイ代は315円となります。

またパケットし放題は1パケット0.084円計算で上限4410円までは使った分だけ課金されます。
通常のホワイトプランのパケット料金(0.21円/パケット)よりは安いですし、下限金額1029円がないことで1029円以下のパケット量(12250パケット)までしか使わない人にはお得とも言えます。
またパケットし放題上限の4410円に到達した場合でも、基本料金が0円である為に通常のホワイトプラン＋パケットし放題よりも980円お得な月4725円となります。

◆月の支払い額は最低980円、ほとんどの場合には2000円超◆
月のケータイ代と端末代の月額となる賦払金の合計は、結論から言いますと2年間(3ヶ月目～26ヶ月目)はホワイト学割での月の支払いは0円にならず、その期間は使い方によっては通常のホワイトプランのみでの契約と同レベルの支払いとなります。
これはソフトバンクモバイルの端末割賦販売方式「新スーパーボーナス」の特別割引の特徴によって発生する現象です。

新スーパーボーナスで端末を購入すると月のケータイ料金に対して割引が受けられる特別割引ですが、特別割引には2つの上限金額が設定されています。
1つは特別割引額、特別割引額は実際に割引する金額ではなく、実際に割引する金額の上限として存在します。
もう1つの上限金額はケータイ代、基本料、通話料、オプション料金、パケット料金などの合計である月のケータイ代の合計が特別割引の上限金額として適用されます。
つまりこの2つの上限金額の安い方が実際に割引される金額となるわけです。

では実際にはどのような額になるのでしょうか？　ソフトバンクモバイルのオンラインショップでこの記事を書いてある時点でのラインナップを例にみてみましょう。

現在ソフトバンクモバイルのオンラインショップに並んでいる最も安い端末は賦払金月1280円、特別割引1280円となっています。
この該当端末をホワイト学割で契約し通話や通信などをまったくしない場合(着信専用端末としての利用時)には、月のケータイ代は315円で割引適用額も315円となり、端末代金支払いがある月の合計金額は1280円(基本料0円＋パケットし放題0円＋S!ベーシックパック315円-特別割引額315円＋端末賦払金1280円)となります。
もし同じ端末を同様の使い方をする目的で通常のホワイトプランで購入した場合、月の合計金額は同額の1280円(基本料980円-特別割引額980円+端末賦払金300円)となります。
ただし賦払金がない月(1～2ヶ月目、27～36ヶ月目)にはホワイト学割の月の合計金額が315円となるため、3年間トータルの支払額で言えばホワイト学割が34500円(980円×24ヶ月+315円×12ヶ月)、通常のホワイトプランのみが42480円(980円×36ヶ月)となり、ホワイト学割の方が7980円お得となります。

また通話や通信をした場合には、賦払金がある月には月300円まではホワイト学割は通常のホワイトプランと同額であり、それを超える場合には基本料金分で1ヶ月辺り最大980円ホワイト額割の方が安くなるはずです。

これはより高い端末を買った場合でも同様ですが、しかしながら待ち受けでしか使わないユーザーへのメリットは高い端末を購入するほど薄くなっていくと言えます。

例えばうっかり「815T 美川憲一モデル」を購入した場合、月の割賦金額は3880円となりこれが実質の最低支払い金額となります。
特別割引額が2200円なのでホワイト学割の場合には1885円分に満たない通話・通信料しか行わないユーザーは一律月3880円の支払いが生じます。
これは最低額で使った場合3年間で96900円(3880円×24ヶ月+315円×12ヶ月)の支払いとなり、待ち受けメインのユーザーにとっては痛い出費の可能性があると言えます。
また補足ですが、いずれの場合にも別途ユニバーサルサービス料相当が料金と合わせて徴収されます。

◆ホワイト学割で得するユーザーはある程度以上利用するユーザー◆
ホワイト学割はたしかに通常の契約よりも安くなるプランであると言えますが、端末代金を払っている24ヶ月間については通常のプランと支払いが同額となる可能性があるようです。
これはある程度通話やパケットを利用するユーザーであればホワイト学割がお得ということを意味しますが、同時に緊急時の連絡用などの待ち受けメインでもつ場合には通常のプランとほとんど変わらないことも意味しています。

またソフトバンクモバイルには古い端末などの在庫処分を目的とした不定期の販売方式「スパボ一括9800円」や「スパボ一括13000円」などが存在しており、それらを利用すれば月額の支払いは0円となり実際にはユニバーサル料金のみ(現在の金額では7円)で2年間利用できます。
これを3年間利用で計算すると(ユニバーサルサービス料省略)、スパボ一括9800円は21560円(0円×24ヶ月+980×12ヶ月)で利用可能、スパボ一括13000円は24760円(0円×24ヶ月+980円×12ヶ月)で利用できることとなり、待ち受けメインのユーザーにはホワイト学割よりも良い選択肢となる可能性が高いと言えます(あくまで購入機会があればですが)。

以上のように考察した結果、今回ソフトバンクモバイルが打ち出したホワイト学割はある程度以上使うユーザーにはお得なプランと言えますが、24ヶ月の実質支払額は通常のホワイトプランと大差がなく持っているだけのユーザーにはそれほどお得でもないと言える存在です。
これは言い換えるならばソフトバンクモバイルの負担は見た目の金額以上の少ないものであり、それに対する宣伝効果はとても高いと言うある意味では上手い見せ方をしていると、悪く言えばズルイ宣伝をしているとも言えます。

学生さんにはソフトバンクの宣伝に騙されず、実際の利用を想定して計算し自分にあっているかどうかをよく検討して購入して欲しいと思います。
ホワイト学割と言っても、1年程度で解約すれば大きな支払いが待っているのですからね。

最後に余談、
月1000円程度通話や通信を使う人であれば、auで0円端末を買ってプランSSに誰でも割を適用するのも1つの方法です。月のケータイ代1890円で1050円分の無料通話、そして2年で負担無しでの機種変更もおそらく可能ですからね。
またネットを高い自由度で使いたいなら、アドエスをW-VALUE SELECTで実質0円購入して月5000円(ウィルコム定額プラン＋リアルインターネットプラス)でウィルコムへの通話と全てのメールとネットが定額、という選択肢もあります。
まぁ何を選ぶにしてもどのキャリアでも2年は縛られる時代ですので、いろんなキャリアを検討した方が良いと思いますですぞい。