飼育者は廃棄の方法にも気をつけよう
ブラックバスの二の舞いか 琵琶湖に外来7植物(YOMIURI ONLINE関西発1/20)
リンク先記事に、特定外来生物に指定されている植物「ナガエツルノゲイトウ」などが琵琶湖などで繁殖し始めているという内容のことが載ってはる。
外来生物の侵入経路には幾つかあって、人の手による進入の他にも野生動物(主に渡り鳥など)と共に移動してきてしまう場合も稀にある。ナガエツルノゲイトウはその稀な方の可能性もある外来生物よね。
でもほとんどの外来生物は人の手による進入であり、それには一般の飼育者なども大きく関係しているわけよね。
これらの外来生物を野に放たぬ為には、まずは飼育者が正しい認識を持たねばなりません。
その正しい認識とは、基本的に飼育生物は一切野に放ってはいけない、ということ。
このブログでも再三再四言っていますが、飼育生物は外来生物や改良品種はもちろんこと、例え在来種であっても自然に戻してはいけません。もし在来種であっても地域毎に遺伝子に差があるからです。
例えば同じニホンメダカであっても、東北のニホンメダカと関西のニホンメダカは遺伝子が違うんです。
その遺伝子の違いはほんのわずかですが、そのわずかな違いがその地域に適応してきたニホンメダカの特徴であり、それこそが大切なモノなのです。
ですからそこにもし他の地域のニホンメダカを放流してしまえば、その地域のニホンメダカは雑種化が進み地域固有種としての遺伝子を失ってしまい、場合によってはその地域に適応して獲得してきた遺伝子をも失ってしまい生息数の減少の可能性も否定はできません。
他の例をあげるならば、カブトムシやホタルなども同じです。
「カブトムシを飼育していたら増えたから自然に帰そう」なんてありがちな話ですが、それもまた地域種を雑種化させることになります。
また微妙に流行っているホタルの放流の際に業者から購入して放流する団体もいますが、それは自然保護みたいな自然破壊です。最悪の場合その地域本来のホタルが絶滅してしまいます。
そうでなくても飼育生体は、自然界には無い病気を持っている場合があります。そんな飼育生体を安易に野に放つのは飼育者としては下の下、生き物を愛しているつもりでも実際には生き物や自然を蔑ろにしていることになってしまいます。
そうそう、ふと思い出しましたが、以前一部のブラックバス密放流支持者が「ブラックバスが増えれば自然が豊かになるからいいことだ」と言っていました。
でもそれは、日本にアメリカの自然をもってきて日本の自然を駆逐することに等しい妄言でしかありません。まぁ当人がそのことに気付いていたのか、あるいは今現在気付いているのかはわかりませんけどね。
飼育者は正しい認識をもちしっかりと責任をもって飼育し放流しない、そのことをちゃんと守らなければ、飼育者もそんな勘違いした一部のブラックバス密放流者と同じ愚行を犯してしまうでしょう。
その時に犠牲となるのは日本の自然であることを、生き物を飼育する全ての人は忘れてはならないのだと思います。
ちなみに、飼育生体(動植物等)が死んだ場合には燃えるゴミです。
かわいそうにも思いますが自分の庭に埋めれない人はそうするしかないですし、また病気などの疑いがある場合には自然への流出を避ける為に燃えるゴミとして処理した方がベターです。