上野公園にワニガメ&卵

上野公園にワニガメ 不忍池そばで卵15個産む(Web東奥6/11)
上野公園にワニガメ かみつきに注意を(SankeiWeb6/11)

上野公園でワニガメが発見されたそうな。
近くで卵も見つかったらしい。

明らかにペットとして飼ったけど持て余して捨てられたものでしょう。
このような密放流はワニガメに限ったことではなく、アクアリウムなどでも飼いきれなくなったガーパイクやナマズ類などの大型魚や卵胎生メダカなどの増えやすい魚なども密放流されている事実があり、また哺乳類や爬虫類、鳥類などでも飼育しきれずに野に放す密放流は後を断ちません。
「そのような愚行に走る飼育者が何故存在するのだろう?」と考えた時、主な原因は2つあるように思えます。

■店員の説明不足■
昨今は通販でも多くの生き物が購入でき、またホームセンターなどでも生体を入手する機会も多くなってきています。
しかし通販では飼育環境とかを詳しく店舗側が聞いてアドバイスすることも難しいですし、またホームセンターの多くは生体の知識すらなく適当な事を言ったりもするため、初心者には説明が足らないという状況も存在しています。
そして哀しい事に専門店よりもそのような店の方が安く販売している事が少なくないために、初心者の多くはそのような店舗に流れていきます。また初心者以外のアクアリストがそのような店舗でのみ購入する事も少なくありません。
そしてそれを後押ししているのが、ほかならぬネットの存在です。

ネットのおかげで多くの人が簡単に飼育情報を入手できるのが今の時代です。
しかしながらその飼育法というものは本来、様々な飼育条件によって導き出されるものであり、その飼育条件によっては逆効果になることもあるものなのです。
その辺りを相談する機会が少ないことが、通販やホームセンターでの生体購入の欠点と言えるでしょう。

また専門店でも店員の説明が少ない店舗も存在します。
しかしこのことについては、単純に専門店が悪いと言えない事情も存在することを御存知でしょうか?

■お客の質の低下■
昨今のお客の傾向として、店員の説明を嫌がる人が多くいるそうです。
「わかってる」と店員の説明を遮るぐあいならいい方ですが、酷い場合には説明しようとした店員に「そんなことぐらい知っている、馬鹿にするな」と店員につめよる場合もあり、怖くて説明もできないという話も店員から聞いています。
そしてそういう客に限って購入した生体が死ぬと「死んだのは店の管理が悪いからだ、返金しろ」と乗り込んでくると言います。

生体購入は自ら選択し行うものであり、その生体の状況を見極めるのもまた飼育者としての本分です。自ら選んだ生体が死んだということは自身の飼育に問題があるか、あるいは選別眼が足らないということでしかありません。
また専門店の店員はお勧め出来ない生体は購入を控えるように助言することが多く、それを拒否した者は文句を言う資格すらありません。
加えて、一度購入した生体は返品も返金もできないというのがほとんどのペット店での暗黙の了解です。近頃お店でそういう張り紙を見かける事が多いかも知れませんが、そういうお店ではクレーマーが多い為に仕方なく張り紙をしているそうです。

このような客の質の低下、それが店員の接客を控えめにさせる原因の1つであり、またそのような客が絶えないことが結果として密放流に繋がっているのではないでしょうか。

生き物を飼育するという行為は、ある種のエゴを含んでいます。
そして生き物を飼うということは、その生き物の生殺与奪権を握るということでもあります。

軽い気持ちで生き物を飼う権利を否定するつもりはありませんが、
生き物を飼う責任、そしてその生き物を最後まで飼育下で飼い続ける義務、飼育者はそのことも忘れずにいなければならないのだと思います。

▼参考リンク▼
密放流について考える会

1件のコメント

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