十和田市の一本木沢ため池にて外来魚10匹捕獲

十和田・一本木沢ため池で外来魚10匹を捕獲(デーリー東北4/23)

4月22日、十和田市相坂高清水の一本木沢ため池にて「一本木沢ビオトープ協議会」が外来魚調査をしたそうな。
そこでブラックバス10匹が見つかり、小さな在来魚はわずかしかいなかったそうな。

とまぁこれだけを聞くと多くの人は、「だから何?」ぐらいか「バス放流しちゃダメね」ぐらいで終わってしまうのですが、
今回一番問題なのは「小型の在来魚がわずかしかいなかった」「ヘラブナを在来種として認識している」の2点ではないかとおらは思っています。

まずは「小型の在来魚がわずかしかいなかった」という点、
生体というモノは、様々な種類とサイズがあってこそバランスがとれている状態なわけです。
つまりその環境下に本当の意味で適している生体は、極端に捕食もせず、また極端な捕食もされず、一部の種に偏ることがなく、一時的な爆殖などせずにその環境内において安定して存在できる、それこそがその環境に適した生体と居えるわけです。
学校の勉強で習った食物連鎖のピラミッド、食われるモノの数が多くて、頂点にいる生き物は数が少ない、正にその状態が安定した状態になるわけです。

具体的に言うと…
ブラックバス込みで自然に近い池などが出来るとしたら、同じ北米原産の小型魚や水草やそういったものまで持ち込んで作り上げれば可能であるということ。そこならブラックバスもその生態系の中で自然に生きていけることでしょう。
でもそんなブラックバスを気候や風土や自然の歴史が違う日本在来種と共にすることには非常に無理がある。
だってバスのような行動をする在来種は皆無であるのが日本の淡水魚の世界、そこにいきなりバスを大量に入れれば、どれが激減するのかは言うまでもない。

そしてバス移入の結果何が起こるかというと、小型在来種の激減による生態系の崩壊です。
それは大型肉食魚の餌不足であり(だからバスは自分より小さいバスを共食いする)、そして小型魚不足によって長期的にはプラクトンの異常発生等の可能性でもあります。
最悪の場合、魚などがほとんどいないアオコ(植物プランクトン)がいっぱい浮いただけの水系になる可能性もあるわけです。

また「ヘラブナを在来種として認識している」ことにも問題があります。
ヘラブナは改良種であり、一部自然に流出している魚であって、日本の在来種ではありません。
細かいことを言うようですが、けっこうこの辺りって大事なポイントなんですよ。

例えばメダカ、一般に市販されているのは改良種である「ヒメダカ(緋目高)」であり、これは自然界にいるニホンメダカとは近縁種であっても別種である、つまりヒメダカもまた在来種ではないわけです。
だからよくある「自然を戻す為にメダカを放流」とかいう事例も、本当の意味で自然を戻す為には地元のニホンメダカを育て、それを放流するのが本当の意味での自然を取り戻す、ということ。
さらに言うなら、同じニホンメダカでも他地域のものを放しても自然破壊になる。同じ種類でも地域ごとに遺伝子的な差異があり、その差を守ることことが大事であるからです。

この「ヘラブナ在来種発言」がリンク先記事の記者の言葉なのか、あるいはこの団体の言葉なのかがわからなかったのですが、少なくとも一般にはよくある認識だと思うのです…ヘラブナ然り、ヒメダカ然り、身近なところでは金魚とかね。
これらの日本在来種に近い改良種は自然下への影響は小さいものの、それでもやはり自然にあるべきではない種類なわけです。
そういう意味でもヘラブナを在来種みたいに発言するのはどうかと思うんすよね。新たな誤解を生まない為にも。

まぁ何にしても、近年になっても誰かがバスを密放流していることだけは確実なのでしょう。
一部のバス密放流者によってこれ以上事態が泥沼化しないことを願います。

3件のコメント

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    探偵ぶろぐに入れないので遊びにきました。すごい更新頻度ですね。
    外来魚関連の記事が面白かったので読みました。
    僕は子供の頃、よく釣りをしました。(20年以上前)
    池によってつれる魚は違ったのですが、一番良く行った所ではブルーぎるがよくつれました。よくというより、ほとんどブルーぎるの池でした。

    リンク先の「キャッチアンドリリース禁止は対岸の火事か?」も読みましたが、僕の感覚的には日本の北側のほうがブラックバスの被害が小さいと思います。ただコグチバスは、寒さに強いので北にも渓流にも進出できたような記憶がありますが。

     なにがいいたいかといえば「対岸の火事か?」てきに見ているともう手遅れになると思われます。琵琶湖のまわりでは、バスを食べれるようにしたり、テレビでもおいしい!!とかいったりしてますが大阪までは一向に普及する気配はありません。みんな食べたいとも思っていません。奈良県の山奥にいけば、ダムがたくさんありますがそこにいるのも、バスやトラウト。下の川にいるのは完全放流の鮎にあまご。自然だと感じれるところはないわけです。

    「キャッチアンドリリースは必要なのか?」に人為的行為が大きいんじゃないか?というコメントがありましたが、そのことに対しての答えはりうかさんと同じです。人為的行為により住む環境・子孫を残す環境がわるくなり、バスにより食われまくって数を減らす。小さい魚に良いことなどなにもありません。

     
     長いのでわけます。

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    つづきです。
    日本にもともと住む魚タチが、喋れればいいんですがこれは無理です。バスたちを裁判所に訴えることもできません。そして僕も魚の気持ちはわかりません。そこであくまでニンゲンテキに考えてみます。

    むかしからの魚がいないとどうなるか?
    心情的に寂しくなる、心の隅っこにある小さな故郷がなくなる、です。
    むかし遊んだ、この池あの川、時代とともに無くなり、変わっていきとんぼも糸トンボも亀もいなくなりました。そしてなんとかのこる水の中にいるのはブラックバスとブルーぎる。情緒もなく思い出も消え去ります。

    僕はよく大和川で遊びました。校歌には、「大和川、水すこやかに上り鮎」という歌詞があります。その川で遊ぶと先生に怒られます。「病気になる」「日本一汚いから入るな」と。

    魚というのは、普段目にしないので気に留めないことが多いです。でも水面下でむかしからいた魚がいなくなっていく。いなくなるのはコンクリートで固めることも外来魚に食べられることもよく似たようなことだと思います。昔からの川や魚を、ニンゲンは守れていない、守っていないということです。

    サンゴがなくなるときは、皆守らなければいけないと思うでしょう。
    トキをもっと早く守れなかったのか、日本狼は、カワウソは。
    在来種を守ると言うことは、これらと同じレベルにあると思います。
    トキや、日本狼がいなくて、こまる人達はあまりいないでしょう。
    それでもいたほうが、きっといいんです。ひとつひとつ無くしているうちに、日本には故郷がなくなりその土地を愛するということも無くなるんじゃないかなと思います。一時が万事で、日本にあった風習も歌も建物も木々も山も消えていっています。

     今の水面下で起こっていることをたとえると、街中からすずめやツバメがいなくなり、文鳥や九官鳥で街はあふれかえっている状況だと思います。野生動物は、減っていく状況にありますが、できるだけ昔からいたものを大事にするというのがニンゲンのしていくことではないかなと思います。生活と直接関係するところでないから余計にです。ニンゲンが生活していく上で必要なことは、人間優先で考えるできです。しかしそうでないならば、もとからあったものを大事にする、というのがニンゲンの余裕であり次の世代につなげるための役目であり、それがあったからこそ僕達は、残された自然というものに触れることができるのではないでしょうか。

     虫も輸入できるように今はなっているんですよね。あんな繁殖力の強い生物をいれてしまえば、今日本にいる昆虫タチとはさよならですね。

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    どもども、こちらにようこそですm(__)m
    こっちはあちらと違っていちおうオールジャンルなので、気になる事があればあるほど更新されます。
    運営から1年ちょいですでに記事数1000を超えます…何かが間違っている気もしますがこういうもんなんです、本家みどりうかは(=ω=A;

    まぁ思うところはいろいろありますが、
    たぶん今がなんとか日本本来の自然を守れるかどうかの瀬戸際…だと思いたいよね、手遅れでなくさ。
    でも結局は地道な認知を広げる為の努力と啓蒙活動次第になるのかな、ってなことも思っています。

    ちなみに、
    北国ではバス以外にも外来マスなんかの影響が大きかったりします。

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