めんどうだからMNOは土管になればいいのに…ソフトバンクの土管は使えないからイランけど…

携帯端末「安売り制限は乱暴な議論」 販売最大手が批判:朝日新聞デジタル

リンク先記事にて、安倍首相が「ケータイ料金高いから安くしろや!」ってやっていることに対して、端末とか売っているティーガイアってところの社長が「端末安値販売禁止って乱暴だもん!!」って文句言ったってこと載せてはる。
これは総務省の有識者会議にて、端末代の値引をやめてその不足分を料金に事実上上乗せしている現在のMNO(自前の通信網を持っている主要3キャリア+ワイモバイル)の手口を改めようと言う案に対してティーガイア社長さんが決算で言ったってことらしい。
なんでも「端末代上がると端末売れないもん」「経営やばくなるもん」「民間のやることにお上口出しするなだもん」ってことらしい。

あのまぁなんて言いますかね…端末を本来の真っ当な価格で売って料金下げるってヤツ、2009年ぐらいにやろうとして中途半端に導入させて有名無実になった「分離プラン」と基本的には同じことしようとしているのよね。
あの時は、端末代を高くしてその代わり割賦販売を導入(その前は一括0円がたくさんあった)、そしてキャリアによって基本料半額なり、利用料からの値引なりでケータイ料金を安くしたと、そういう形なんですよ。
でも今でもまだ料金が高いと言っている、これは何故かといいますと、MNOがスマホにかこつけて、料金改悪をしたからなんです。

今ほどスマホスマホ言う前の時代には、ケータイ代は従量制の通話料があり、その通話料に使える無料通話分があり、データ通信(パケット)は今と違って本当に定額制だったわけです。ざっくり言えば基本料1000円ぐらいで1000円分ぐらいの通話できてパケット定額が5000円とかで合計6000円ちょい、ぐらいの話だった。
でもスマホ向けプランとか言って用意したプランの現在の主流は、基本料2700円で電話掛け放題で、データ通信は一番安い2GBとかで3500円で計6000円程度。一見すると以前と同じだが、多くの人はそれほど頻繁に通話はしないし、逆にデータ通信は昔よりも多くなっている。
つまり使わない通話はあえて無料を謳ってお得に見せかけ、本来は定額制じゃないと厳しいデータ通信を実質従量制にすることでほとんど人は実質値上げになってしまっているんです。
騙されちゃいけませんよ…大画面・高精細ディスプレイとか便利なアプリとかは基本データ通信をガッポガッポ使わせるためのワナです。そしてそれを最初気付かないようにするために、初月はアプリ無料ですとかいつもよりお安く7GB使えますよとか言って大量のオプションなりアプリなりを押し付けているだけなんですから。
平たく言えば、スマホだからという言い訳でパケット定額を事実上廃止して従量制でパケ死可能状態にした、ってのが問題なわけです。

んでね、現在は事実上の分離プラン(料金が安くて端末は相応の値段)って存在するんですよ。
それはIIJmioやmineo、OCNモバイルや楽天モバイルと言ったMVNOです。
MVNOが分離プランであるならば、何故今でも料金が高いという問題が残っているのか?
それは実際問題として、MNOで新端末を購入してMVNOで利用する場合には安くならないからです。

MNOで回線契約ありでスマホを購入すると、実質的にかなり安く購入できます。事実上は安い端末代+高い料金、ですから。
でもそこからMVNOに逃げようとした場合、ある程度回線契約を継続しなければ端末代は高くつく。だって割引相当はあとから来るからね。一括なら高いまんまの端末代、割賦なら逃げても残った割賦は割引無しで継続、ってね。
だからそれが足かせになってMVNOが大流行とまではいかないわけで、自分らでそういう仕掛けを施しておいて「格安スマホは意外に高い」って嘯いているのがMNO。

だからそこをなんとかしようと、ってのは分からない話ではない。

ただね、料金、MNOが高くてMVNOが安いってのは、方法論の問題なんですよ。

まずキャリアで言えば、
MNOは自前の端末完全保証、オプションなどのサービスも自前で安定、それまで全て込での高い料金設定なんです。言うなれば最初から過剰なフルサービスがセットになっている、という商売方法。はい、購入した車に5年間の車検もその間の点検も付けて基本的な最低限の交換パーツまで付けるのでたまに販売店に来るだけで維持できますよーでも高いよー、みたいな話。鍋セットみたいなもんです。
対するMVNOは、もう料金は安くするからオプションは自分で選んでね、端末もいちおうメジャーなのは動作保証するけど、基本自分で頑張って設定してね、って商売方法。車で言うなら本体は売るけど、その後の維持管理は所有者がその都度頼んでね、って話。鍋なら汁から具材まで自分好みで選ぶ感じ。

ね、どっちがいいかは人によるでしょ?

おらみたいにau端末をMVNO(mineoのA)で使おうとした時、おらは白ロムで価格を抑えたけれども、これをauで新品の端末買っていたらもう地獄ですよ。MNOの端末代って割引相殺2年ぐらい使うことありきで安い状態を表記しているだけだからね、高い端末代で通信量安くてもこれじゃau直と同じじゃね?みたいなね。

まぁこれらはね、仕方ない問題もあるんです。
日本のケータイメーカーはMNOにどっぷり浸かっているはんでね、SIMフリーで全部入りを開発するよりもMNO仕様にした方がたくさん売れるし、安く見せてくれるから数が出るしね。ある意味販売店もそうよね。

という売る側の事情とお上のやろうとしていること、さらにはユーザーの求めているものとで全てにズレが生じている状態、その結果に発露した記事、という感じですかね。

個人的にはMNOには土管に徹していただきたい、そんな気持ちもあります。
だってキャリアに都合いいことを部分抽出してユーザーを騙すようなプランばかりが目立つしさ、特に当然ソフトバンクにね。近頃はドコモやauも似たようなことばっかりやるし。
それよりはもうMNOは基本土管に徹して頂いて、MVNOに頑張っていただきたいところですが、それとはまた別方向に今時のネットらしい詳しくもないし的を得ていない文章でそれらしく見せるだけのゴミまとめサイトの問題もあるわけで、その辺りのモバイルを取り巻く環境についても対応を考えるべきと思います。
あぁでもあれだ、ソフトバンクとワイモバイルの土管はイラーン。

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