八戸中心街に必要なのは新しい施設なのだろうか?

八戸・三日町側に屋外広場 市が整備方針(デーリー東北1/21)

三日町の旧マルマツと旧Rec.の再開発への取り組みが始まったらしいです。
なんでも「市中心市街地にぎわい形成事業検討委員会」ってのの初会合が20日にあって、このエリアの三日町側に多目的の屋外広場を整備、六日町側には複合ビルを建設する方向になったそうな。
複合ビルは2016年度にオープン予定と。

とりあえず現状のまま放置するのももったいないってのは理解できる。
ただ、施設を作ることが肝なのかい?
って強く感じる。

 
数年前に中心市街地活性化市民ワークショップなるものに関わって、そこでは特に若い人に多い中心街活性化のこんな意見を目の当たりにした。それは、
『魅力的なショップを誘致すれば街は活性化する』
というものだ。
mixiの八戸市コミュでかつて行われたアンケートでも同じような意見が多かった。
だがしかし、それは間違いと言わざるをえない。
何故ならば、魅力的なショップがないから中心街が廃れたのではなく、魅力的なショップが入店したがらない環境に中心街が廃れたからだ。

もしあなたが会社のオーナーで新規に八戸に出店しようとしたら、中心街に出店しますか?
ラピアやピアドゥよりも家賃が安いこともなく、駐車場は有料で、しかも駐車場からあるいてお店にこなければならない、それでもラピアやピアドゥ、あるいは郊外よりも中心街を選びますか?

元々八戸中心街は、八戸の一般向けの商売の中心でした。
しかし20年以上前にラピアが生まれ、その後ピアドゥやイオン下田が誕生しました。いずれも駐車場は無料です。
駐車場が有料か無料かの違いは、その運営方式の違いです。

有料の駐車場は、言い様は悪いですが、魅力的な施設のおこぼれを目当てに存在しています。
お金を払ってでも長時間待ってでも入りたい施設の周りなら、例え有料でもある程度高額でも駐車場は利用されます。
結果、駐車料金は直接お客さんが払います。
今の八戸で言えば、八戸駅とその周辺の有料駐車場がそれに当たります。
言い換えるなら、かつての中心街は八戸唯一の複合商業施設の体をなしており、当時は魅力的だったために有料駐車場も成り立っていたわけです。

対して無料駐車場は、施設が駐車場まで運営しています。
平たく言えば、駐車場料金はテナント料の中に含まれており、客は意識せずに間接的に駐車場料金を支払っている形です。

本来であればラピアが誕生した際に駐車場問題に真剣に取り組むべきだったのですが、残念ながら中心街でそれを行う存在が皆無であったため、テナントが逃げ、客が離れ、今に至っています。

そんな八戸中心街に魅力的な施設を作るだけで、中心街活性化は果たせるのでしょうか?

ある意味その試金石となっているのは、八戸ポータルミュージアムを自称する施設「はっち」です。

はっちは八戸のポータル(港)なミュージアム(博物館)を自称しており、館内では八戸の観光や特産品、産業などに関する展示・販売なども行われています。
が、はっちに訪れる人の多くは、イベント目当てか、こどもはっち目当てです。
そして周辺の商業施設の規模が拡大している事実は認められないことから、はっちの効果は好意的に見てもはっち内限定、見方によっては大したこと無いんですよ。中の人は「中心街活性化の切り札」みたいに自分で言ってたのにね。

まぁこういうことを書くとはっち関係者が反発するわけですが、私の周りの事実を1つ上げておきます。
今の仕事で、はっちを知らない同僚は半分以上です。八戸市民でも半分以上は知らないです、八戸以外に住んでいる同僚で知っている人皆無です。正直興味ないですし、ましてや駐車場代払ってまで行く気ないです。
つまりは魅力不足です。関係者には申し訳ないけど、近頃はっちの中の人も市庁の一部の「自分はこんなにやったのに」ばかりを強調して他人を踏みにじる下郎のようになってきて気づこうとしないので、はっきりと魅力不足を理解して欲しいですが、まぁ無理だべね。

話を戻して、

なぜはっちに魅力が足らないのか?

その理由は幾つもあるわけですが、その1つは気軽に行ける環境にないこと、です。
つまりは駐車場が無料じゃない、これです。

ピアドゥやラピアに行く人は、なにか目的があっていくとは限りません。
駐車場が無料だから、暇つぶしにもいけるんです。
そして時には予定外の買い物をする。コレが大事。

中心街ではこれが出来ません。
そして駐車場を運営している人は、競合相手がいるのでこれに対応することが難しいです。動ける可能性のある市庁やはっちは「民間はあーだこーだ」「トラブルになるとうんたらかんたら」と逃げるばかりで安易でリスクのないイベントばっかりだしね。

また、
「ならばせめて駐車場に関係しない、周辺住民やバス利用者向けの施策は出来ないものだろうか?」
という考え方もできるわけですが、それらの人に優しいのは中心街以外の施設であって、中心街は冷たいんですよね。「バスにも使える」みたいなアピールした新共通駐車券「おんでカード」も、先に駐車場を利用した上で中心街で買い物をしないとくれない=バス利用者とかが何百万円買い物しようと1枚もくれないしね。

このような事実から目を逸らさなければ、中心街に新しい施設を作るだけでは活性化などするわけもなく、交通まで含めた対策が必須であると分かるはずなのですが、それをすべき立場の人が特にそれから目を背け、イベントや箱物に逃げるわけですから、現状はまだまだお先真っ暗どころか新たなるお荷物が増えるだけの可能性が高いと言うしか無いです。

今回の取り組みが施設のみならず、交通やそれに関する対策まで及ぶことを切に願います。

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