コンポストトイレについての考察

世の中には『コンポストトイレ』なるものを作っている人や利用している人がいる。
個人的に気になるのでちょっと考えてみる。

コンポストトイレというものは、簡単に言えばちっこやうんぴを肥料にしようという方向のトイレ。
通常のコンポストは生ごみなどを微生物に分解してもらい肥料にしちゃうわけだが、まさにコンポストなトイレがコンポストトイレ。

だがいろいろと見ていると、その手法は大きく2つに分かれるように思える。

(1)まさにコンポストなトイレ
(2)ただの中間貯蔵トイレ

でもこれらの説明をするのはつまらないので、コンポストで糞尿を処理できるかどうかを考えてみる。

 
コンポストでは予め土なり有機物なりを混ぜて発酵させ、そこに生ゴミなどを投入して分解してもらうわけなのですが、微生物を使う場合でもミミズを使う場合でも虫を使う場合でも、生ゴミの量は資材の全体量よりもかなり少なく、多くてもまぁ全体量の10分の1ってとこかしらね。普通はもっと生ゴミ率少ない気もするが。

んで人はうんぴもちっこもするわけで、まぁその量をそれぞれ200gの1リットルとでもしてみようか。計1200g。
でも家でばっかりするとも限らないので3分の1の400gとして、一人でもざっくり資材は最低4リットル、どころか出来ればもっと多めに10リットル、20リットル、いやいや100リットルあってもいいじゃない!ぐらいの勢いです。

しかも人の糞尿は有機物モリモリで、しかもちっこが混じると発酵よりも腐敗が進みやすくなり、もう大変。
うんぴとちっこを分離式にしてもやはり量はけっこうなもので、ちっこなんて仮に全量発酵させて液肥にしても使いきれる量じゃない(薄めて使うし)。

ということを考えていくとですよ、

(1)まさにコンポストなトイレ
↑これは日本ではなかなか導入できない。やるなら新築or改築で根性入れてやるしかない。

(2)ただの中間貯蔵トイレ
↑むしろこっちの方が現実的。というかもう、普通に据え置きトイレでいいのでは?

でも実際には、いろんな人が頑張っているんですよね。
いやでもその頑張り、コンポスト的に違うと思う。
だって匂いを消すとか、小容量なのにコンポストにしようとか、ちょっと無茶しすぎよ。

考えるに、発酵させる方法が問題なのよね。

まず糞尿を一緒に処理するのであれば、発酵方法は大きく分けて2種類。
「好気発酵」と「嫌気発酵」。

好気発酵はエアレーションなどして酸素を供給し発酵させる方法、水槽の生物ろ過と同じ。
この場合、資材は要らない。糞尿だけでOK。ただし匂いは覚悟しないといかん。

嫌気発酵は、平たく言えば肥溜め。
勘違いしているというか知らない人も多いらしいが、肥溜めってのはとても素晴らしい発酵方法。
糞尿を溜めておくと、そのうち酸素が消費されて嫌気バクテリアが活発化。メタンガスなどが生成放出され、最終的には肥料になると。よく熟成させるのがポイントで、うんぴとかを直接畑にまいても肥料にはならないし(時間たたんとね)、むしろ植物にダメージ。
んでこれも資材は要らない。ただやはり匂いは覚悟。

糞尿を一緒に処理する(生物ろ過で発酵させる)場合、ちっこによって水分量が増えることでどうしても匂いが出る環境になる。まぁでもだからこそ資材なしでいけるんだけどね。
だから糞尿を混ぜている時点で、匂い問題からは逃げられないのですよ。

では糞尿分離式ではどうなるか。

うんぴは実は、乾燥すればそんなに臭くないです。
おらのようにたまに謎のゼリー状で出てくるとかだとあれだが、普通に固形のうんぴが出る人なんかは、ちっこと混ぜずにうんぴだけを土とよく混ぜれば良いって話ですよ。まぁ発酵促すためには有機物入れてバクテリアをちゃんと育てた土がいいけどね。

んでちっこも、ちっこオンリーならそれほど臭くはならない、はず。血液の搾りカスだし、あまりに長時間貯めこんで変な発酵(というか腐敗)をさせなければ。

そうです、でっかい発酵槽を用意できないのであれば、うんぴとちっこは分けて処理するべきなんです!!

あるいはもう割り切って、糞尿混ざったのをこまめに肥溜めに入れてやるとかね。って肥溜めも1つじゃダメで、貯蔵用と熟成用の2つは最低でも必要に思うのだが。

以上のように考えていくと、コンポストトイレは糞尿分離式で匂いを抑えつつ高効率で発酵させるか、肥溜め使えって話が現実的かなと思います。肥溜め現実的じゃないなぁ。

ということで、なんとかおいらもその世界に入りたいなと思うわけですはい。おら野菜に肥料あげないけど。

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