各キャリアのメール事情…というか腹の内側

ケータイでメール、これはもはや一般的な通信手段の1つとして定着した感があります。
しかし日本においては、ケータイキャリア毎にメールに対する思惑がかなり違っているように見えます。

まずはウィルコム、ウィルコムはメールにおいては最もユーザーに優しいキャリアであると言えます。
古くはメール自動受信無料に始まり、ウィルコム定額プランやつなぎ放題などではメールも定額なので送受信無料、しかも相手先を問わず、添付をしても無料となります。

でもふと考えるとそれは不思議にも思えます。
音声は定額と言っても自キャリア内の通話が無料が精一杯なのに、ウィルコムのメールは相手が別のキャリアでも平気、これはなぜでしょう?
理由は通話とメールでは料金の徴収先が違うからです。

通話は本来、掛けた側と掛けられた側の両方に料金が発生します。アメリカなどでは電話を掛けられた側も料金が掛かったりします。
しかし日本では、受け手側の料金も掛けた側が支払うかたちになっています。つまり掛けた側の会社が掛けた人から受け手側の料金も一緒に徴収し、そして受けた側の会社へと料金を渡しているわけです。
これにより見た目上は日本の電話は掛けた側だけが料金を払っている形となりますが、実際には掛けた側が受けた側の料金まで支払っているわけです。仮に自社は無料でも、相手の会社が有料であれば音声定額にはならないと。
だから音声定額はなかなか別会社への通話では実現が出来ないというわけです。

ではメールではどうかというと、送信側は送信側で自分のメールの会社にお金を払うし、受信側は受信側で自分のメールの会社にお金を払う仕組みです。つまりアメリカでの電話のような料金徴収をしています。
ということは、ウィルコムのメールも当然ウィルコム側の送受信だけ賄えばよく、相手先は相手先で勝手にお金を払うなりするということになるわけです。
だからウィルコムが相手先問わずのメール定額を導入しても、ウィルコム的にOKだし相手先は相手先で別会計なので問題がない、ということです。

これはウィルコム以外のケータイキャリアにも通じる理屈です。自キャリア内でメール定額が出来るなら、自キャリア外へのメールが定額にならない技術的な理由はありません。
しかしそれをやってしまうと収入が減る可能性がある為に、ウィルコム以外ではなかなか導入に踏み切らなかったのではないかと推察されます。その代替策がパケット定額制の導入であり、その敷居を低くするための2段階定額制、という見方もできるわけです。

つまりウィルコムは企業利益よりもユーザーの為を優先して、メール定額を導入したとも言えるわけです。

しかしauが3Gキャリアとしては初となるメール定額プラン、「プランEシンプル」「プランE」、通称『ガンガンメール(11月9日サービス開始)』を発表しました。
つまりauもまたウィルコム同様、メールは定額でパケット定額より安い価格で実現出来ると宣言した形です。

ガンガンメールは今までのauのプランと違い、無料通話分が存在しません。
言い換えるならばプランEシンプルで月780円、EZwebも含めれば月1095円、それが実質的なメール定額料金とも言えるわけです。

何故今さらメール定額をと思うかも知れませんが、考えようによっては納得がいきます。
現在auではダブル定額スーパーライトの月の最低支払額が390円に設定されていますが、元から通話もせずにメールぐらいしかしない人には魅力があるとは言い難いです。メールのパケット料次第では、基本料金プランの無料通話分だけで賄えるわけですからね。
そのような人に対してお得感も創出し、かつ通話をしないという前提条件でのメール定額、これは武器になるとauが判断したのではないでしょうか?

そう考えると、auもウィルコム同様にユーザーの利益も優先している、という方向に舵を取ったことになります。

だがそんなauとは真逆のメールの扱いをしているケータイキャリアも存在します。
それはソフトバンクモバイルです。

ソフトバンクにおけるメールは、あくまでユーザーから金を搾取する為の道具に過ぎない、と言っても過言ではありません。
それはケータイキャリアとしてあってはならないような第3者へのメール送受信や、メール定額を謳っておきながら有料大容量情報メールを無差別に送りつける行為からもうかがい知ることができます。

前者は8月28日~31日に掛けて関西、北陸、中国、九州、沖縄などで発生したメール関連の不具合であり、送信先のアドレスではない知らない人にメールが届いたり、あるいは他の人宛のメールが受信できたりという、メールサービスの根幹を揺るがすような重大な障害です。メールの正しい送受信すら出来ないであれば、メールサービスを提供する資格もないはずですが、ソフトバンクではそのことを小さな障害とでも言うかのようにさして問題としていないようです。

また後者は近頃ネットで話題になりつつある事例です。
なんでもmail@gift.mb.softbank.jpのメールアドレスから「ギフトお得便」というメールが届き、それに画像がペタペタ貼ってあるそうです。
申込をした覚えもないし一切メールへの登録もしていないのだが、ソフトバンクからのメールなので当然無料だろうと思っていたら、後日知らない請求があって初めて有料メールだと知ったそうです。
このメールは1通受信しただけで約170円のパケット代が発生するそうで、しかも「ケータイ/PHSから来るメールのみ受信する」に設定しても受信を止めることが出来ないそうです。
史上初のケータイキャリア自身が行うメール受信詐欺とも言える行為です。

他の情報ではいちおう契約時の申込書の隅っこにこっそり「ソフトバンクからのお知らせを受け取ることに合意します」なんてことも書いてあるそうですが、店員が説明しない限りは当然気付くわけもなく、事実上ソフトバンクが自社の詐欺行為を正当化する為に盛り込んだ文章ではないかとも言われています。

これらの行為を「ソフトバンク同士はメール無料」と宣伝した上で行っているソフトバンクですが、これ以外にもS-1のメールは実はキャンペーンやってただけで有料ということにされ、登録解除も難しいという話も聞きますし、幾ら上げてもきりがないくらいにユーザーを騙すようなサービスを次々と繰り出しています。

つまりソフトバンクにとってのメール、そしてケータイとはユーザーが便利に使うための存在ではなく、あくまでユーザーを騙してユーザーが認識できない料金を発生させて搾取する為の道具でしかない、と言えるわけです。
そしてそれに気付いても多くの場合には高額な端末代金請求が残るわけで、嫌々26ヶ月使い続けねばならないワナも仕掛けてあると、かつてヤフーBBで老人にモデムを押しつけて高額な料金をせしめたソフトバンクビジネス以外の何物でもないわけであり、以前のようにソフトバンクはワナもあるけれどもちゃんと理解していれば損をしない存在、とはいかなくなってきているようです。

本来どのキャリアでもそれほど差異がないはずのケータイメールサービスですが、実際にはこのようにケータイキャリアの思惑や悪だくみによって全く異質なモノに変わってきております。
某国民的アイドルグループを抱き込んでCMをしておりますが、その中身について見極めねば痛い目をみるのだということです。

ちなみに、ドコモは現状メール定額したいならパケ・ホーダイでお願いね路線を崩していません。
auと比べると割高にも思えますが、ソフトバンクと比べると不思議と良心的に思えてくるから不思議ですね。

◆追記◆
ドコモもメール定額プラン導入!(みどりうかブログ10/27)

ドコモもauと同価格でメール定額プランを始めるそうです。

1件のコメント

  • そうよね、メール定額って出来るはずよね、

    各キャリアのメール事情…というか腹の内側(みどウィル移10/27)やっぱり思うのよ、メール定額出来ない理由はないのよ、技術的とか料金設定の…

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