月1850円で通話定額『ダブバ一括9800円』
ソフトバンクモバイルには売れない端末の処分兼純増数増やしの為の販売として、店頭で新スーパーボーナスよりも安い一定額を支払いさえすればケータイ代から980円を値引きし実質ユニバーサルサービス料のみ(現在だと6円)で約2年使える「スパボ一括○○円」というモノが存在しますが、ウィルコム版スパボ一括とも言える「ダブバ一括9800円(仮称)」なるものが登場しているそうです。
これは初代nine(W-SIMはRX410IN)のW-VALUE SELECT一括払い価格を25200円から9800円へと15400円値引きし(オプション同時加入で頭金1980円が無い場合の金額)、その後2年間はW-VALUE割引1050円分が適用されるというもので、ウィルコム定額プランが月1850円利用可能となるもので、ネットではもしもし本舗などで、実店舗では都市部の一部の店舗で行われているとのことです。
台数限定でW-SIMがW-OAMに対応していないRX410INだったりしますが、それでも音声通話メインとしては悪くない選択肢であるように思われます。
しかしこの「ダブバ一括9800円(仮称)」、穴はないのでしょうか?
ウィルコム的にはこんなことをしても大丈夫なのでしょうか?
nineの本来のW-VALUE価格は月1050円(計25200円)で、W-VALUE割引額も1050円となり、2年間使い続ければ実質端末代0円で利用できることになります。
つまり月の実質ケータイ代(ケータイ代+月の端末代)はウィルコム定額プランの2900円のみとなり、2年間の実質ケータイ代は69600円となるわけです。
それに対して今回の「ダブバ一括9800円(仮称)」は、一括で9800円を支払い、その後実質ケータイ代が1850円なので、2年間の実質ケータイ代は54200円となります。
従って、通常のW-VALUE SELECTの途中解約時の端末代を考えると、「ダブバ一括9800円(仮称)」の方が常に安くなる、と言えそうです。
さらにこの価格帯は通常販売とも差がほとんど無く、割引分を考えるとほぼ「ダブバ一括9800円(仮称)」の方が安くなる計算です(店頭販売の形式が存在し、数ヶ月程度の短期解約時には逆になる可能性があります)。
このように見ていくと、同機種を購入するならばほぼ全てのケースで「ダブバ一括9800円(仮称)」の方がユーザーにとってはお得、となります。
ではウィルコム的にはこの販売方法は、無理がないのでしょうか?
2年間の最低合計支払額は54200円となることは先ほど述べましたが、それを24ヶ月で割ると実質月のケータイ代平均となります。
その額は約2258円、ウィルコム定額プランの2台目以降等の割引適用後の金額2200円とほぼ同額となります。
つまり1台目の契約であればウィルコム的には負担はほとんどない、と言ってもいいでしょう。
では2台目以降で契約した場合はどうなるでしょうか?
2台目として新規購入した場合には、当然2台目の金額2200円からW-VALUE割引が引かれることになるので、月1150円でウィルコム定額プランが利用できるようになります。
これだと2年間の実質ケータイ代は37400円となり、1ヶ月平均は実質約1558円とかなり安い額に収まることになります。
この金額では多少ウィルコムに負担が掛かることも予想されますが、ソフトバンクのスパボ一括に比べればかなり余裕のある販売方法と言えるでしょう。
これは価格設定次第では他キャリアへの強い対抗策となる可能性も見えてきました。
恋人同士で支払いをまとめれば、店頭で19600円支払って月は3000円ポッキリで通話もメールも無料。一括払いを含めた実質ケータイ代も3816円と、かなり安くなることが予想されますからね、もし購入できる状態にあるならば、恋人同士にもうれしい選択肢となりそうです。
「ダブバ一括9800円(仮称)」は現状では、卸が止まってしまった初代nineのみで展開されています。そういう意味では処分としての立ち位置であるように思われます。
しかしこれが今後適用端末が広がりX PLATEやnico.なども対象となり、またその時の一括価格が4800円などで提供されたならば、店頭での破壊力は侮れないと思われます。
次世代などへの注力でなかなか中身までは新しい端末が出せないウィルコムではありますが、それならそれでプランと端末のリーズナブル感で、次世代までを繋ぐ必要があるのではないかと、そう思ってしまう「ダブバ一括9800円(仮称)」でした。