同じ土俵に立ちつつあるケータイ業界
特に携帯3キャリアに至ってはあまりにも複雑怪奇な料金プランになってしまい、一般の人には何がおトクか余計にわかりづらくなってしまった感があります。
しかしここに来て、全てのキャリアが同じ土俵に上ろうとしています。
その土俵とは『2年契約での端末購入が前提』というものです。
まずはウィルコムとソフトバンクモバイルです。
どちらも端末販売の主力は割賦販売である「W-VALUE SELECT」と「新スーパーボーナス」に移っており、2年間での割賦販売が基本となっています。
これらは端末購入という形での間接的な2年縛りであり、2年間使いつづけることで事実上端末価格を0円や大幅に安い価格で購入できる形になっています(実際の割引はケータイ料金から引かれる形で提供される)。
ではauはというと、11月12日から提供している「フルサポートコース」が端末購入前提で2年契約という内容であり、またドコモも11月26日からの「ベーシックコース」において端末(905iシリーズ以降)購入前提での2年契約を提示しています。
またこれらのプランはそれぞれの分離プランである「シンプルコース」と「バリューコース」と見比べてみても遜色なく、またその比較においては購入後2年間における端末代金とケータイ料金合計の和を比較する形になります。
このように見ていくと、本来契約年数に関わらずに実際の端末価格で購入してインセンティブが上乗せされていない従来よりも基本料や通話料が安い料金プランのはずの「分離プラン」をauとドコモは導入したが、それに負けないオトク感を出そうと従来型プランに手を入れた末に、端末代金の回収という割賦販売方式を選択したウィルコムとソフトバンクモバイルと同じ2年縛りに奇しくも帰結したと言えます。
このことを考えると、一見複雑怪奇に陥ったかのような現状のケータイ料金プランも、ある意味では同じ土俵の上で比較できるようになったと言えます。
それが前述の『2年契約での端末購入が前提』です。
ケータイ主要4キャリアのオトクな料金プランが全て2年契約が前提となっているということは、端末購入代金+24ヶ月のケータイ利用料の合計を見比べることでどのキャリアがオトクかということが計算上ではハッキリと現れることも意味します。
例えばスマートフォンをネット定額でPCサイトを存分に閲覧するような利用の場合では、
ウィルコムのアドエスをW-VALUE SELECTでの購入でウィルコム定額プランでの契約だと、実質割賦金額23520円(980円×24回)+ウィルコム定額プラン69600円(2900円×24ヶ月)+リアルインターネットプラス50400円(2100円×24ヶ月)で2年間の合計金額が143520円(月5980円)となります。
対してソフトバンクモバイルのH03HTを新スーパーボーナス購入してホワイトプランでネット定額で利用するとなると、実質割賦金額18720円(780円×24回)+ホワイトプラン23520円(980円×24ヶ月)+S!ベーシックパック7560円(315円×24ヶ月)+パケットし放題でPCサイトダイレクト利用246960円(10290円×24ヶ月)で2年間合計金額296760円(月12365円)となります。
この場合ではウィルコムはソフトバンクモバイルの半額で利用できることになります。あとはこの価格差と性能とを比較して検討と。
また音声定額を前提としてウィルコムとソフトバンクモバイルのどっちがオトクかを考える時も、ウィルコムでWX320KRでの2年間の金額となる69000円(実質割賦金額0円+2900円×24ヶ月)をホワイトプランが超えないようにすればよい、と考えることが可能となります。
メールを利用しない(S!ベーシックパック無し)前提で考えれば2900円-980円=1920円、メール利用なら1605円となり、実質割賦金額の月額がそれらを超えなければソフトバンクの方が安いということになります。
現在のソフトバンクモバイルの特別割引金額が1280円ですので、実際に適用される特別割引額は1280円までとなるので、メール無しで3200円以下、メールありで2885円以下の賦払金の端末を選べばホワイトプランの方がお得となるわけです。
あとはホワイトプランの音声定額にならない時間帯(21:00~翌日1:00)に通話をしないかどうか、そしてメールの利用頻度はどうか、これらウィルコム定額プランでは無料となるポイントでどうするかで判断となるわけです。
同様に計算していけば、面倒ではありますが待ち受けメインでの利用でも、固定電話にかけることが多いケースでも、メール利用ばかりが目立つようなケースでも明確にどれがオトクかを計算することが可能です。
ケータイキャリアの料金プランが2年契約+端末購入が前提へと変化してきたことで、今までのようなケータイ料金のみでの料金比較よりも、これからは端末購入金額と2年間でのケータイ料金の合計の比較の方が重要になってくることでしょう。
これは結果的に分離プランも含めて、端末料金とケータイ料金を2年間使用するという同じ土俵で考えられることになったと言えるでしょう。
今後ますます複雑化を極めていくであろうケータイ料金ではありますが、比較のための土俵が同じ高さになったことだけはユーザーの為には良かったのかも知れませんね。
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