それでも「緊急地震速報」は必要です。

「緊急速報」間に合わず、震源付近で揺れの数秒後(YOMIURI ONLINE 6/14)

6月14日に発生した岩手・宮木内陸地震の際に発表された緊急地震速報が、震源地に近い地域では地震発生後に出された事について、リンク先記事では「技術的な限界が浮き彫りになった」という表現をしてらっしゃるようです。

技術的な限界と言いますかあれよね、当初より予想されていた活用できないケースよね、これは。
地震の波は早くて弱いP波(毎秒約7km)と遅くて強いS波(毎秒約4km)があるんども、この早いP波をキャッチして強い揺れのS波が到達する前に心構えができるのが緊急地震速報。
ただ震源地があまりに近いとほぼ同時にP波S波どちらも到達しちゃうわけです。
さらに緊急地震速報もいろんな処理をしたり速報が出るまでの経路もあるわけで、さすがにP波観測してタイムラグゼロというわけにはいかない。もちろんこれからの技術開発次第でどんどん短縮化はされるだろうけれどもね。
だから万能ではないということをまずしっかり理解すべきね。

その上でおいらは、それでも「緊急地震速報」は必要です、と言いたい。
というのも、この緊急地震速報が活かせるケースということもあるんですよ。

リンク先記事でも「仙台では揺れの5秒前に速報が出され、当時運行中だった上下線の電車11本の自動停止装置が働き、5秒ですぐ止まるわけではないが揺れ到達前にスピードを緩めただけでも危険性は低くなった」ということが書かれていますが、この活かされるケースってのも事実あるわけなんですよね。
だからなんて言えばいいのかな…例えるならば、緊急地震速報は車などのシートベルトのようなものなんです。

シートベルトをしていたってね、事故次第では命を落とすこともあります。事実としてね。
ただシートベルトをしていれば、助かるケースもまた多くあるわけですよ。
つまりシートベルトはどんなケースでも命を救う万能なツールではないものの、多くの事故においては乗っている人の命を守りケガを軽減させる可能性の高いツールだと言えるわけです。
それと同じで、緊急地震速報と言えども活かせないケースはたしかにありますが、同時に多くの人の命を守り危険を回避する為に活用される可能性も十分高いと言えるわけです。

ということで、今回の震源地近くで緊急地震速報が活かされなかったのは技術的云々というよりも活かせないケースであっただけであり、そのような事象にあってしまった人は不満を覚えるのは当然ではあるのでしょうが、緊急地震速報自体を否定するようなことだけはしないで欲しいなと、そう思うわけです。

どんな技術も万能ではない、ただそれで救われるケースもあるのですから、今後も緊急地震速報の各方面での導入に期待したいと思います。

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