八戸市長からのお返事と共通駐車券ICカード化への疑問
こっそり八戸市長小林眞氏へ、八戸中心商店街共通駐車券のICカード化事業についての問い合わせをしてました。5月26日のことかな、八戸市中心市街地活性化基本計画(案)に対するパブリックコメントの募集に1件意見したついでに市長にも投げてみた感じです。
ということで以下がその返答内容を要約したもの。
「市長への手紙」について(回答)
共通駐車券事業はこれまで八戸中心商業街区活性化協議会が実施しておりましたが、平成20年4月1日から(株)まちづくり八戸が事業を引き継ぎ実施しているものです。
当該事業については様々な機能が付加できるICカード化を前提とし、(株)まちづくり八戸が実施主体となって事業を進めることとなっており、現在八戸中心市街地活性化協議会にICカード部会を設置し、関係者からご意見をいただきながら事業化に向けて内容の検討が行われているところです。
同部会での検討には市も参加しており、サービスやシステムの内容とともに、ご指摘をいただきましたコスト面での課題等につきましても議論されているところです。
今回いただきましたご意見については、ICカード部会や事業主体となる(株)まちづくり八戸に情報提供し、ご指摘の内容も踏まえながら当該事業が中心市街地の活性化に資する事業として効果的なものとなるよう検討して参りたいと考えております。
このことをさらに平たく言っちゃえば、
様々な機能が付加できるICカード化が前提、意見を受けて内容の検討が行われているおり、コスト面での課題も議論おり、中心市街地の活性化に資する事業として効果的なものとなるよう検討する
とのこと。
もっとぶっちゃけ簡単にしちゃえば、
ICカード化して様々な機能を付けちゃうよ!
という一文にしても本旨は変わらないでしょう。
でもそれって、本当に共通駐車券でいられるんでしょうか?
磁気カードよりもICカードの方がいろんな機能が付加できる、そんなことは少し詳しい人ならわかっていますよ。
ICカードならスキミングや盗難などにあっても磁気カードよりセキュリティは上ですし、また偽造もしにくいでしょう。
また流行りの非接触型であればお買い物なども便利にできるでしょう。
でもそれは、買い物客に渡す共通駐車券に必要な機能ですか?
ICカードが磁気カードよりも多機能なことは重々承知の上なんですよ。
でもね、多機能なことが選ぶ理由にはならない、何故なら求める機能に足るかどうかでフルイを掛け、そしてそのための初期投資とランニングコストを検討することが選択の際には必要だからです。
それなくして最初からICカードありき、とでもいうかのようなこの姿勢は、正直時代遅れではないかと思われます。
それでもどうしても共通駐車券をICカードにするというならばそれもいいでしょう。
でもそれは、コストを上乗せして関係者に多大な負担を強いるためですか?
それとも共通駐車券とは名ばかりで、お客さんにプリペイド決済でも求めようとするものですか?
おら会員カードに磁気カードを利用しているレンタルビデオ店に勤めていたからその手の業者の総合カタログ何かも目にしたことがありますが、カードって安くはないのよね。
ペラッペラな磁気カードでも1枚100円とか200円とかしちゃうのよ。それも大量ロットでの注文での価格でさえそれよ。
ちょこっち調べた限りでも、プラの磁気カードで大量注文でざっと1枚500円、これが非接触ICカードになると1枚1200円とか1800円とかになっちゃうのよね。
まぁ価格は会社によってかなり上下するんども、大事なのは非接触ICカードは磁気カードの2~3倍ぐらいの価格になるということよ。
今回あげた数字で言うならば、カードだけで考えても磁気カードで仮に1万枚発行しても500万円、これが非接触ICカードを採用すると1200万~1800万円掛かるという話ですよ。
こんなにも多大な負担をどこに向けるつもりなんでしょうか?
駐車場?地元商店街?
まぁ会社を立ち上げていますので、その分は最終的には加盟する企業に払ってもらうわけですよね。
わざわざ高いお金を掛ける形を選択した上での事業化で、中心商店街のテナントは大人しく居続けるとお思いでしょうか?
無駄金を払わされると知ったなら、ますます中心商店街の空洞化が進むだけの気がします。
もしそれでもなおICカード化してのメリットを生かすのであれば、もはや共通駐車券ではなく、中心商店街専用の電子マネーサービスとする以外に意義はありません。
ICカードのメリットであるセキュリティの高さは、ポイントカードだけでは活かしきれません。というよりも、ポイントカード機能のみであればコスト等を考えればICカード導入などまずありえないわけです。余程の金余り企業じゃない限りはね。
ICカードのセキュリティ的なメリットが生かせるのは、例えば企業が社内に部外者をいれないようにとの入退出管理をするような場合です。
まぁ中心商店街を封鎖してICカード無しでは入れないようにするんであればおらは何も文句は言えませんが、そのような施策をするおつもりなのでしょうか。
そういう意味で共通駐車券にICカードのセキュリティの高さを適用させる意義は皆無と言えます。
さらにICカードの活用の形でもある電子マネー、これをもし行なう気であれば、もはや中心商店街は共通駐車券を発行しないということとも受け取れます。
だってわざわざ電子マネーにするんですよ、中心商店街にきてチャージしろと。普通はそれで支払えということになりますわな。
あるいはチャージすれば駐車場代を無料とかする気かも知れませんが、何故駐車場代を浮かせる為だけにわざわざチャージしなければいけないのでしょうか?
どれほどの人がそれを利用するのか甚だ疑問でなりません。
電子マネーとしてのICカードに対応するのであれば、すでに多く存在している既存の電子マネーに対応すれば言いだけです。その方がコストも少なくて済むでしょう。
また共通駐車券にどれほどの機能を盛り込もうとしているのかがわからないのですが、何でも詰め込めばいいというわけではありません。
その当たり前のことを認め、そしてお客さんの為の施策を講じないならば、遠くない将来八戸中心商店街は祭りの時だけ賑わい普段はお店も空いていないゴーストタウンとなることは避けられないように思います。
そのことをこの事業に関係している人は、本当にわかっているのでしょうか?
高いお金を掛ければ高いリターンがあるとは限らないのですよ、当たり前すぎて口にするのも恥ずかしいですけれどもね。
共通駐車券ICカード化に思う
今回はトラックバックで記事を書きます。
トラックバック元:八戸市長からのお返事と共通駐車券ICカード化への疑問(2008/06/12:みどりうかブログ)
八戸市ホームページに中心市街地活性化基本計画(案)へのパブリックコメントが掲載されていますが、この中で共通駐車?…
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おはようございます。
古い記事にコメントしてすみません。
今朝のデーリーに高額でICカード化見送りと出ていましたが、
やっぱりというか、なんというか・・・。
もともと無理なものに時間をかけて検討してきたのは、
いったいなんだったのでしょうかね?
交通券として出すようですけど、こちらも課題はありますし。
まぁ、これからの行方を見守ることにしますか。