「殿、利息でござる!」が素晴らしかった
殿、利息でござる! [ 阿部サダヲ ]
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なんか実店舗のゲオで昨日まで新作100円(新作1週間・準新作含む)をやっていたので、八戸根城店で幾つか借りてみた。
その内の1つ、「殿、利息でござる!」、1泊2日100円(税抜)でゲオチャンネルユーザーなので+1泊、2泊3日で特に期待せずに借りてみたのだが、とても良い作品だった。
▼以下ネタバレ含むかも▼
パッケージからコメディ時代劇かと思っていたのですが、まぁシュールなおもしろ要素というか行き違いコントのような展開を真剣に演じている辺りがまた面白い。
んで主役が阿部サダヲさんなんですが、他の出演者の演技も濃くて誰が主役なんだかようわからん感じで、それはそれで楽しかった。
途中からの奇跡のようなやり取り、それも単に運が良いではなく、関わった全ての人がその奇跡に向けて全てを捧げるかのように取り組んでいくその様は感動また感動で、恥ずかしながら柄にもなく胸が熱くなりました(涙はけして見せないが)。最後の方とかすごかったよ、ホントに。
内容をざっくり言えば、なんか知らんがお上に仕事押し付けられた地域で「負担大きすぎてもう無理!」って夜逃げするような感じになっていて、それをどうにかしようと妙案を講じたが実現はまぁ不可能な話で、でもいろいろあって実現に向かってみんなで雪崩れ込んでいく、みたいな話でね、フィクションかと思ったら伊達藩であった実話だったんだとさ。
しかも映画化への流れがまたドラマチック。映画『武士の家計簿』を見た宮城県大和町の元町議の吉田さんが原作者に「この話を本にして広めて欲しいもん書いて広めて欲しい」と手紙を出し、出版された本が無私の日本人 [ 磯田道史 ]という本だそうな。
んでその本を読んだ読者からTV局勤めの娘に話が行き、そこから同僚→元同僚(監督の妻)→監督と話が伝わり、その後いろいろあって映画化となったんだと。
んでサプライズゲストみたいな特別出演の羽生結弦さん、まぁすごかった。あれが演技なのか素なのかも分からんが、とにかく存在感がすごかった。過去に実際にあのようなやり取りがあったのかと思うと感慨深いですし、また伊達の殿様の凄さがまじまじと感じ取れました。
おいらもいちおう東北は八戸市に生まれ暮らしておりますが、正直伊達藩とかよう分からんし(だって八戸藩のことすらほぼチンプンカンプンですもの)、しかもこのような秘められた話なんて知る由もないじゃないですか。
でもね、こんなことが実際にあった…それも江戸時代似ですよ?こう言っちゃ悪いが、武士がそれ以外の人たちに対して非道とも言えるような行いをしていた部分があったあの時代にあそこまでの人と人との心のやりとりがあったと思うと、東北人としては誇らしく思います…ごめん、普段はそんなこと思っていないんだけどね…だって仙台遠いんだもの。
まぁ余計なことも色々書きましたが、これは一度観ておいた方がいい素晴らしい作品ですよ。東北人はもちろん、日本人であれば、いやいや日本人以外にも宇宙人にも観て欲しいです。いやマジで。
▼参考リンク▼
無私の日本人【電子書籍】[ 磯田道史 ]