「金」「知」「時」

『物事を成すためには、「金」「知」「時」のそれぞれが最低ラインを超え、かつトータルが達成ラインを超えねばならない』
と昔から思っています。

本来の守備エリアである水槽飼育で言うならば、「金」の最低ラインは『水槽』があること、「知」の最低ラインは魚を飼うためには餌や酸素、そして水質維持の知識を持っていることであり、「時」の最低ラインは金と知に見合った時間を掛けること。

もし多くのお金を掛けられるならば、知も時も(直接的、間接的問わず)買うことができる。
もし多くの知識あるいは考える力を有していれば、少ないお金で時間も短縮して実現ができる。
もし多くの時間を掛けられるならば、長い時間を掛けることで飼育環境を整えることができる。

でも今はそれが出来ていない。
だから10年ほどを所々抽出し、考えてみようと思った。

■レンタルビデオ店アルバイト時代(2000年代前半)
この時代は今(2014年)に比べて給料が少なく(8割程度…ただし出費は今よりはるかに少なかった)、しかし自由になる時間は今の3倍近くあり、また交通事故にも遭う前で頭も3倍近く無駄に回っていた。
魚に関するホームページを毎日1回以上更新していたし、しかもそれはブログの記事を更新する程度の楽な作業ではなく、画像加工、アイコン作成、HTML打ち込み等をしながらCGI設置及び管理も行い、さらに実験や考察など、様々なことをしていました。
この時代は、今ほどお金は無かった…というか出費の少なさを考慮すれば同程度のお金の余裕であったが、自由になる時間が多く頭も回っていた、つまり少ない「金」を「知」と「時」でカバーして実現していた時代であったと振り返ってみて思います。

 
■祖父母介護時代(2000年代中頃)
勤めていたレンタルビデオ店が閉店となり、親戚で私が無職になったからと祖父母の介護を任せられていた時代です。
介護の代わりに実家からの援助で生活、ただし電気ガス水道通信費を賄う程度で何も買えない、最も金が無かった時の1つです。
しかしまだ交通事故に遭っていないので頭を使い、わずか500円で祖父母と私と子供の朝食および昼食およびおやつ代(米は実家から支給)を実現していました。
当然そのためには時間を長く掛ける必要があったわけですが、レンタルビデオ店アルバイトの勤め時間が介護になっただけなので、自由になる時間は殆ど変わりませんでした。
この時代は、「金」がとにかく無く自分のモノは何一つ買えず、「知」…溜め込んだ知識と工夫に「時」間を掛けることで、物事を実現していました。

■交通事故直後(2008~2009年)
祖父母が実家に引き取られたことで何とか仕事に就いたわずか3ヶ月後、交通事故に遭い、こちらの過失はゼロなのに加害者には元の状態に回復するために足らない部分を請求するなと言われ、運び込まれた病院では一番軽傷なのにウソを付いていると決めつけられ、加害者任意保険にはコチラにも責任があると嘯かれていた時期です。
今程度のお金はありましたが、しかしそれは保証でも何でもなく当方への慰謝料の前払いでしかなかったと後日知るわけです。まぁそれでもお金は今程度にはあったとしておいて…
頭の回転は昔より鈍りました。今も昔ほどの冴えはなく…正確には本気を出すと体調を崩して持病や後遺症が悪化する状態で、自らセーブせねばならない状態に陥りました。
時間については治療の時間、寝込んで動けない時間など、事故後の2年間は2~3日に1日は寝込んでいる状態が続きます。
この時期、「金」はある程度あるもののなんだかんだで加害者およびその任意保険の直接的&間接的影響でお金が掛かり余裕はさほどなく、「知」も足らず、「時」までも制約される、地獄の時代でした。

■交通事故後社会復帰前(2010年~2012年)
加害者任意保険から支払われた慰謝料はほんのわずかで、この時代にはもう残っておらず、再び実家の援助で最低ラインの生活に落とされてしまいました。
新たに飲むこととなった副作用が大量に書かれた神経の薬のおかげで幾分動けるようになり、リハビリを兼ねた農作業をこなしていきました。
2012年には身体の不安を拭えないながらも就職活動を開始、しかしながら後遺症を正直にカミングアウト(働いていない空白期間があるとどうしても訊かれるので)、すると直前まで「明日から来てくれ」と言っていた人も手のひら返しで無理と言い出す。
「金」もなく、「知」も出しきれず、「時」も体調が万全になるはずもなく活かしきれない、再び最低ラインの日々となりました。

■警備員時代(2013年~2014年)
30社ほど落ちたでしょうか…その間にバスの調査員やネギ収穫の短期バイトをこなしながらたどり着いたこの会社。
思いのほか仕事のための消耗品が多く(手袋や誘導灯、カッパなどなどの自腹)、また移動距離が長いこともあってガソリン代もかさみ、だいぶ財布は寒い状態。
仕事内容は何気に頭を使わさり、身体も使わないわけにもいかず、年数回倒れる始末。
そしてなにより時間がない。会社に寄ってから現場なので、8時~17時の現場でも6時に家を出て18時に帰ってくることも珍しくはない。
加えて年10万円以上の医療費と72時間以上の時間を浪費し、ようやく身体を維持できている状態。
「金」も辛く、「知」も本来向けたい方向に向けられず、「時」も残されない、ある意味自転車操業状態に陥っています。

振り返れば、レンタルビデオ店時代が一番よかった。
今はとにかく時間がないのがつらすぎる。
しかし仕事が決まらねば辞めるわけにも行かない、金がなく通院が途切れれば、今度こそ社会復帰出来ずに生活保護に転がり落ちるのかもしれない。

どうやら私は、地獄に片足、両足ぐらい突っ込んだまま、抜け出せなくなっているようだ。

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