開館から1年、はっちは中心街の救世主になれるのか?

祝福ムードの中、はっち1歳の”誕生日”(デーリー東北2/12)
来館者88万8888人達成/はっち1周年(デーリー東北2/12)

リンク先記事で、はっちが1周年でめでたいだとか、来館者888888人で8が6つもそろってめでたいとか言っているわけですが、八戸ポータルミュージアムはっちは八戸中心街活性化のキリフダとして昨年の2月11日にオープンしておるわけで、その辺りについて少しばかり。

八戸に限らず、地方都市の中心街のほとんどは疲弊しきっております。
その疲弊した理由はと言えば、郊外方SC(ショッピングセンター)やSCもどきの大型スーパーや各種店舗の存在があげられます。
もっとハッキリ言えば、品揃えが同じで値段も同じなら駐車場が無料のSCとかに行くよって話。正確には疲弊した中心街の方が品揃えが乏しいとも言えるんどもね。

この中心街の駐車場問題には、解決(無料化)が困難なある問題が隠れています。
それはオーナーが複数存在することです。

 
まず当ブログでも再三再四言っている『世の中には無料駐車場は実は存在しない』から説明します。

日本の土地には、誰かしら地主がおります。
たまたまその地主が心が広いもしくはそんなことに構っていられない場合を除き、基本的に車を勝手に駐車することは出来ません。
そういう意味では、本来日本においては無料駐車場などは存在するはずがないんです。

でもSCや郊外の店舗の駐車場は無料です。
何故でしょう?
お店が代わりにお金を払っているからです。

SCの場合、施設や駐車場を維持管理する会社がまずあり、そこにテナントが入居してます。
管理会社は施設や駐車場の維持・保全等を行い、その為の費用はテナント料に実は含まれています。
これはスーパー然り、家電量販店然り、リサイクルショップ然りで、駐車場の料金を込みでのテナント料を支払っているか、あるいは施設や土地が自社物件かのどっちかだから、見た目上は無料となっているわけです。
これが無料駐車場を有するお店の無料の秘密です。秘密ってほどでもないが、何気にこれを理解していない人は多い。

では八戸中心街はどうでしょうか?
一部のお店は自前の駐車場を持っています。また提携などで、買い物すれば無料駐車券(おんでカード)をくれる場合もありますね。
でも基本的に、お店も駐車場もそれぞれオーナーが異なり、それぞれの事情で料金を決めて経営しています。

ある意味中心街とはSCのようにも見えながらも、こと駐車場においては新幹線が停車する駅の周辺の駐車場のように、必ず利用しなければいけない施設の恩恵を受けるような存在でしかないと言えるわけです。

でもおかしいですよね?
こんな経営。
どうしてなんでしょう?

理由は単純明白、昔は八戸中心街以外の地域の商業開発はそれほど進んでおらず、コンビニなども存在せず、スーパーも今ほど豊富な商品を扱っているわけではなかったため、八戸中心街が唯一の商業施設と言えるほど巨大・強大な存在であり、駐車場はその周りに集まることで多大な恩恵を受けることが出来たわけです。
またその理由の1つとして、今ほど車社会ではなかったこともあげられます。

これらの理由により、かつて八戸中心街は八戸圏域で唯一と言っても良い最強の商業施設であったわけですが、20年ほど前にそれが一転する出来事が起こりました。
ラピアが誕生したんです。

長崎屋が中心街からラピアへ移転し、その後もピアドゥやイオン下田などのSCがオープンしていったわけですが、中心街の駐車場は変わることが出来ず相変わらず高い料金のままであったため客やSCに流出、客が減ることで中心街のテナントも減る、テナントが減るから客がまた減る、客が減るからテナントもますます減るという負のスパイラルに陥って行きました。
その結果が今の八戸中心街であると言えます。

話を戻しましょう。
はっちが今やっていることはなんでしょうか?
ズバリ言えばイベントです。

お金を掛けて各種イベントを仕掛ける、はっちは1年間それをし続けてきました。訂正、東日本大震災発生からの2ヶ月ぐらいかな、その間はイベントじゃない活動をしてきましたが、それ以外はほぼイベント三昧です。

言っておきますが、イベントが悪いとは思いません。
1つの方法だと考えます。
でも、八戸中心街をもり立てる起爆剤になるには、はっちだけでは小さすぎです。

そういう意味で、はっちのイベントだけで中心街を盛りたてるなど不可能だと考えます。
だって中心街が欲しているのは、一時的なイベントだけの盛り上がりではなく、普段から使ってもらえる、それこそ買い物しないけれども立ち寄れる、そんな気軽で身近な中心街ではないんですか?

そう考えた時、私ははっちの関連事業で、唯一の光明を覚えます。
それは貸し傘事業です。

それは目立たない存在です。
イベントのように華やかではないし、街に行っても気付かない人もいることでしょう。
でもそれはあると便利な存在で、イベントのような一過性な花火ではなく、また商売などののためのばらまきでもない、利用者によりそった事業のように感じました。まぁ元ネタがおらんどのグループがやった活動ってのは抜きにしてもね。

だから私は考えるんですよ。
はっちが本当にするべきこととは、八戸中心街の民間などでは難しい部分ではないでしょうか?

例えば中心街にだけあるものを伸ばすことでもいいでしょう。

八戸唯一の映画館であるフォーラム八戸、それと他のお店とのコラボしたチケット販売でもイイと思います。これらは関係機関に直接的な利益がないと自らはやりにくいことですが、第三者であるはっちなら可能かも知れません。映画+ワシントンホテルでのお食事をちょっとお得なチケットで、とかね。

もっと身近に、中心街に集中しているバスでもいいかと思います。はっちでバスの回数券を買った人に館内で利用できるサービス券とかね。
何でか知らんが八戸中心街は車で来街する人以外には優しくないのよね。おんでカードもバスにも使えるとか言いながら、指定駐車場を利用した人が街で買い物しない限りはくれないし(=つまりは車で来た人だけの特典ということ)。
だからそれを、街にバスで来てくれた人にも向けてもイイと思う。でもきっと、普通のお店は変なしがらみだかそれまでの常識だかに縛られて出来ないだろうから。

あるいは中心街の欠点の改善もいいと思います。

中心街の欠点、それはズバリ料金の高い駐車場。
それを裏付けるかのように、今ではおんでカードに加入しない料金の安い駐車場が街に出来つつあります。それはつまり、もっと安い料金が適正であるということでもある。
だからはっちで駐車場を借り上げて、シェアすることは出来ないだろうか?
今の街には学習塾なども増えているし、平日や土日、あるいは週に数日などの切り売りをすれば、利用者にとっても駐車場オーナーにとっても嬉しい部分はあるはず。
でもきっとこれは、商売が直接絡む人達には難しい部分よね。

それらを実現できる存在ははっちではないかと、私は考えるわけです。

言葉は悪いですが、イベントするだけなら楽だし何かやっているように見えるんですよ。財源さえあればね。
でも街に必要なものはそんな打ち上げ花火ではなく、野に咲く花のような地に足の着いた事業ではないでしょうか?

そんな意味も踏まえて、2年目のはっちを見守りたいなと思っております。というかあとではっちコーディネーター捕まえて文句言っちゃるΨ(=ω=。

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