改悪の定義

4月19日にソフトバンクモバイルがホワイトプランの改定を発表しました。
内容は4月27日以降の新規契約から、ホワイトプラン自体に2年契約を必須とするというものです。

従来のホワイトプランには年間契約などは存在せず、ソフトバンクの端末割賦販売方式である「新スーパーボーナス」での割賦金と基本料以外のケータイ代に適用される割引「月月割」の存在により、実質的な2年間の端末残金支払いという2年縛りが存在しているだけでした。
しかし4月27日以降のホワイトプラン新規契約ではホワイトプラン自体に2年契約を必須とし、特典として2年間使い続けると26ヶ月目と27ヶ月目の基本料金が無料となる割引を適用することとなります。

今までのソフトバンクではこのような改定を行う場合には既存ユーザーにも強制的余されており、改悪と呼ばれることが多々ありました。
ですが今回の改定については既存ユーザーへの強制適用は無く、あくまで新規ユーザーへの適用と、既存ユーザーには改定後のプランへ変更できる権利を与えるにとどまっています。
にも関わらず、多くのユーザーが今回のホワイトプランの改定を改悪と呼んでいるようです。

改悪の定義とは何なのでしょうか?

改悪とは何でしょうか?
辞書によると「物事を改めて、かえって前よりも悪くすること。(goo辞書)」と説明されています。
つまりケータイの料金プランにおける改悪とは、既存のサービス内容が悪化し、それを適用される状態のことを『改悪』と言うわけです。

では今回の改定を確認しましょう。

新規ユーザーにとっては、今回のホワイトプラン改定は以前よりもお得感は減ったと言えるでしょう。割賦販売と2年契約のダブル縛りにより、2年間使い続けて2ヶ月の基本料無料よりも、解約時に支払う金額の合計の方が上回るケースがほとんどだからです。
しかしそれは、大きな誤解です。
新規契約ということはまだサービスを受けていない状態なのですから、実は損などしていません。
ただ改定後には、今までとは選択肢の内容が異なるために、選択が変わるかも知れないというだけのことです。

具体的に言えば、今まで新規契約ではauよりもホワイトプランの方がお得だった人も、ホワイトプランよりauがお得ということも発生してきます。
ですがそれは今まででも契約時のタイミング次第で最安条件などは変わってくるものですので、選択するモノは違えども実は今までと状況自体は変わっていないと言えわけです。

従って、新規契約に関しては判断する材料が変わっただけであり、今回のホワイトプランの契約内容変更は改悪ではなく改定止まりであると言えます。

では既存のホワイトプランユーザーにとってはどうでしょうか?
これについては明確かつ単純な答えがあります。
既存ユーザーにとっては今回のホワイトプランの契約内容の変更は、改悪にも改定にもなっていません。ただ選択肢が増えただけです。

もしこれが既存のホワイトプランユーザーにも強制適用でしたら、明らかに改悪です。その場合、ホワイトプラン目当てで契約したユーザーが「最初と契約内容が違うじゃないか!」とクレームを入れても当然となります。
でも現実には、改定の強制はされていません。改定後の契約内容を適用することは認められていますが、あくまで任意での適用です。

そう考えると、既存ユーザーにとっても今回の改定は改悪ではないということになります。

実は今回のような改定であるにも関わらず、実質改悪となる改定を昨年行ったキャリアが存在します。
そのキャリアはウィルコム、改悪されたサービス名は割賦販売方式「W-VALUE SELECT」のサービス特典である「W-VALUEサポート」、その廃止です。

従来は割賦販売の特典として、「W-VALUE SELECT」で端末を購入したユーザーには無料で手厚いサポートが用意されていました。
しかし昨年9月からはこの「W-VALUE SELECT」を廃止し、代わりに端末購入時に手厚い修理サポートを受けられる「ウィルコムあんしんサポート」を有償(月315円)で始めることにしました。

一見すると今回のソフトバンクのホワイトプラン同様、サービスは低下したが改悪ではないようにも思われます。
しかし「W-VALUE SELECT」の改定は割賦販売の改定であるために、既存ユーザーの機種変更時に強制的に適用される改定となっています。

従って、「W-VALUE SELECT」から「W-VALUEサポート」が廃止となった改定は、既存ユーザーの機種変更時に強制的に変更となる改定であるために、改悪だと考えるのが適当です。

以上のように、ケータイに関する改定が改悪かどうかについては、既存ユーザーが影響を受けるかどうか、つまりは既にサービス提供をされている側が継続的にそのサービスを受けられる環境が損なわれるかどうかを基準に考えるべきではないかと考えます。

しかし今回の改定については、かなり感情論に近い考えで「改悪だ」とか投げる人もいるようです。
ですがそれについてはそのキャリアの今までの行いに関わらず、冷静にプラン内容とそれがどの範囲に影響するかの見極めをしなければなりません。
そしてそれは、長きに渡り他キャリアユーザーから偏見や誤解の目を向けられてきたウィルコムユーザーこそ、落ち着いて見極めるべきではないでしょうか?

おそらく今後も、様々なキャリアのプランは変わっていくことと思います。
周りに流されずに自らの判断力を磨くことは、これからケータイにおいても相も変わらず必要だと思われます。

▼参考リンク▼
「ホワイトプラン」改定で2年契約必須に!でもソフトバンクらしからぬ改定!?(みどりうかブログ4/19)
ウィルコムが改悪か!? 月315円の「ウィルコムあんしんサポート」導入でW-VALUEサポート受付停止に(みどりうかブログ2009/6/30)
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