『THINK キッズ PROJECT』は子供の為のベストな選択と成り得るか!?
ウィルコムは現在「WILLCOM THINKキッズPROJECT」と銘打ったキャンペーンを行なっています。
これはウィルコムPHSの特徴である低電磁波を取り上げ、現在どのような影響があるのかハッキリしない電磁波について、より低電磁波であるウィルコムPHSは子供にも優しいということをアピールし、また小さな子供などが使いやすくなるような「ハートフルサポート」の拡大などの施策も行なうモノです。
しかし実際のところどうなのでしょうか?
ウィルコムPHSは、本当に子供の為のベストな選択肢と成り得る存在なのでしょうか?
その辺りを考えてみたいと思います。
◆低電磁波について◆
現在のウィルコムの端末のSAR値は、安心だフォン対応端末であるnicoハートが0.115W/kg、ウィルコムにおけるハイエンドの位置付けのWX340KとBAUMがそれぞれ0.193W/kg、0.171W/kgという数値が上げられています。
しかしこれはウィルコム端末でも若干高めの数値で、最も低いWILLCOM LUでは0.0168W/kgとBAUMの10分の1以下のかなり低い数値となっています。
では他キャリアではどうでしょうか?
3つの3G携帯キャリア、ドコモ、au、ソフトバンクの子供向け端末を見てみましょう。
ドコモのキッズケータイのF-05ASAR値は1.03W/kg、auの安心ジュニアケータイK001では0.9W/kg、ソフトバンクのコドモバイル820Tでは1.08W/kgとなっています。これはウィルコム端末に比べ、約5~60倍も高い数値です。
これらはいずれも日本で安全とされている基準値の2W/kgを下回る数値ではあります。
しかし実際には電磁波の影響は詳しいことは分かっておらず、ケータイの電磁波については安全だとする論文も、危険だとする論文もどちらも存在しています。
ただもし影響があるとすれば、より強い電磁波の方がより大きな影響を与えるはずです。
つまりSAR値が高いケータイを持たせることは子供の健康へのリスクが高いということ、そういう意味ではたしかにウィルコムのケータイは電磁波的には子供へのベストな選択肢であると言えるようです。
◆実質ケータイ代について◆
現在のケータイは、表向き端末代とケータイ代が分けられた形になっています。
しかし実際には割引などもあり、またほとんどの場合には2年程度で端末を買い換える傾向にあるため、端末代支払い期間である約2年間の実際に支払う端末代とケータイ代の合計が実質的なケータイ代であると言えるでしょう。
この前提で、親子でケータイをそれぞれもつ場合の実質ケータイ代について考えていきたいと思います。
ウィルコムの場合には、親が妊娠もしくは12歳以下の子供を持つ場合にはハートフルサポート適用で「新ウィルコム定額プラン(月2900円)」が月2200円に、子供には安心だフォンで持たせるとすると割引が適用され月767円、月のケータイ代は計2967円となります。この金額で親から子供には通話し放題、子供からの場合はワンギリして親から掛けなおせば二人で2967円で利用可能です。
この際どちらにも新規実質0円端末が存在する為、ウィルコムだとケータイ代が実質ケータイ代となるわけです。
また子供も新ウィルコム定額プランにする場合には、二人で合計4400円となります。
では他キャリアではどうでしょうか?
ドコモの場合には最安にするにはタイプSSバリューをどちらも契約でiモードは加入しない、これで二人の月のケータイ代合計は1960円で済みます。家族なので通話も定額にすることが可能。
しかしドコモの場合にはこれに端末代が入ります。
仮に安い端末月800円程度を選んだとして、二人で月3560円。メールも使うとなるとiモード基本料が二人分で630円追加、さらにパケット料となり、月4190円+パケット料となります。
同様の計算でauもドコモと同額、月月割から基本料除外が全国適用されると噂されるソフトバンクに至っては二人で最低1960円+端末代2台分で月4520円になると予想されます。
それぞれのキャリアの安い部分を単純に比較すると、ウィルコム2967円、ドコモ・au3560円、ソフトバンク4520円となり、ウィルコムとの差額はドコモ・auが593円、ソフトバンクは1553円となります。
わずか600円弱の差でも、1年間では7000円、端末代金を支払い終る2年後までには14000円もの価格差となります。ソフトバンクであればそれ以上です。
このように考えていくと、たしかにウィルコムを使うことでケータイ代が安く抑えられる可能性が高いと言えるようです。
◆通信規制◆
子供に持たせるケータイには通信規制が必要だと私は考えます。これは子を持つ親の立場としての意見でもあります。
これについては人それぞれ意見があると思いますが、私は不要な機能を規制するよりも、最初からそのような機能がない方が好ましいと考えています。
その考えの元ではドコモ、au、ソフトバンクのケータイは無駄に高機能で子供が社会悪に遭遇する危険は拭えないと考えます。
それよりはウィルコムのnicoハートのような通話のみと割り切った端末の方が望ましい、そう考えています。
そのような意味では、特に小学生などに持たせるケータイとしては、ウィルコムが最も適していると言えるでしょう。
以上のように考えていくと、ウィルコムは子供、特に小学生などの小さな子供に持たせるにはベストな選択肢と成り得ると言えそうです。
が、もちろんケータイは繋がってナンボです、ウィルコムが使えるエリアであればという大前提はつきまといます。
また家族が既に使っているケータイに合わせる、というメリットの方が大きい場合ももちろん存在します。
しかし偏見などを持たず、子供の為に素直に良いものを選ぼうとするならば、ウィルコムPHSは選択肢の1つとなりうる存在なのでしょう。
ケータイの電磁波の影響があるのかどうか、現時点では結論を見てはいません。
ですがもし影響があるとすれば、低電磁波の端末を使っていた子供より、強電磁波のケータイを使っている子供の方が影響が大きいでしょう。
また成長の早い子供は、大人以上に様々な影響を強く受けやすいものです。
これからを生きていく子供の為に、SAR値という選択肢もあるのだと、親御さんには知り置いて欲しいと思います。
▼参考リンク▼
THINKキッズPROJECT