1月22日、ウィルコムは新しい料金プランとなる「新ウィルコム定額プラン」と「新トリプルプラン」、そしてそのオプションプランとなる「新通話パック」を発表しました。

新プランは基本料金や音声通話、メール定額などはそのままに、旧プランのデータ定額相当が最初から内包されており、1パケット0.084円計算でパケットを使わなければパケット代は0円、上限でもパケット代2800円までとなっており、オプション契約無しでもパケット上限額の大幅引き下げを実現した形の料金プランとなっています。
また新通話パックは月＋1050円で2100円分の無料通話分が付き、新ウィルコム定額プランの場合で最大100分のウィルコム以外への通話が利用可能となります。

しかし新プランはパケット代単価が従来のプランよりも高いことや、データ定額相当を最初から内包している為に新通話パックがパケット料金に使えないことなど、従来とは適しているユーザー層が違うようにも思えます。

新料金プランに適しているユーザーとはどのようなユーザーなのでしょうか？

上のグラフは、通話料が発生しないという前提でのパケット量とケータイ代を計算したグラフとなります。今回は新料金プランは新ウィルコム定額プランのみを、それ以外は音声端末で利用するであろう従来の主なプランを比較しました。

まずは旧来のプランでのお得を再確認。
従来は月のパケット利用料が5万パケット未満であればウィルコム定額プラン(月2900円)のみ、通話を含め1260円分(パケットのみなら6万パケット)未満であれば通話パック(月＋1050円で1260円分の無料通話分)を、それを超えるのであれば状況と好み次第でデータ定額(月＋1050～3800円、0.0105円/パケット計算、PC利用時上限6300円、4xパケット)もしくはリアルインターネットプラス(月＋2100円、2xパケット)を選択していました。
また通話パックがいらずパケット定額前提であれば新つなぎ放題(月3880円)、状況に応じて話し放題(月＋980円)を追加と、概ねこのような選択でした。

これらに新ウィルコム定額プランを加えて考えると、まずは日常的なパケット利用量が少ないユーザーでの料金的なメリットがないことが分かります。これはパケット単価が0.084円とウィルコム定額プランデフォルトの0.021円の4倍も高いことが原因です(3Gの2段階パケット定額制並)。
ただし、月によってはパケット利用料が跳ね上がる可能性のあるユーザーにとっては手間いらずで上限2800円でパケットが利用できる、というメリットも見えてきます。
もちろん従来よりもあっという間にパケットが跳ね上がりますが、3Gケータイの2段階パケット定額制とパケット単価はほぼ同額であり、また下限も上限もはるかに低いことを考えると、3Gケータイなどでよく2段階パケット定額制のアピールポイントとしている『使っても使わなくても安心』という意味では、新ウィルコム定額プランの方がさらにメリットが大きいと言えるでしょう。
意外にも新ウィルコム定額プランには、普段のパケット利用量が少ないユーザーにもメリットを得られるユーザーも存在するように思われます。

ではある程度多くのパケットを利用するユーザーではどうでしょうか。
新ウィルコム定額プランの基本料金にパケット上限金額2800円を加えた5700円を超える境界線は、ウィルコム定額プランのみでは約13万3333パケット、＋通話パックでは約14万3333パケット、＋データ定額では約26万6666パケットを超えると新ウィルコム定額プランより高くなることがわかります。
また新ウィルコム定額プランでは、PC接続時のパケット上限金額が変わらないということも特筆すべきポイントです。
もちろん＋リアルインターネットプラスだけは新ウィルコム定額プラン上限金額よりも700円安くなるわけですが、通信速度の差を考えると一概に金額だけでは判断できない部分があります。
今までウィルコム定額プランでパケットを多く利用してきたユーザーには、新料金プランはメリットが大きいと言う事が出来そうです。

では新つなぎ放題と比較するとどうでしょうか？
パケット定額のみで考えれば新つなぎ放題の方が圧倒的にお得ではありますが、通話を重視するのであれば新ウィルコム定額プランの方がお得になる可能性が出てきます。
特に複数台契約で新通話パックをそれぞれに契約して分け合っている場合などには、新つなぎ放題では得られないほどの大きなメリットが生じます。
言い換えるなら、ケータイの利用法次第でどちらを選ぶか、ということになるでしょう。

以上のように考えると、新料金プランはパケット利用が多いユーザーにはメリットが大きく、またパケット利用があまりないユーザーには安心感があるプランであると言えるようで、意外にもメリットを得られるユーザーは少なくないように思われます。

しかしながら新プランも所詮は料金プランの1つでしかなく、ユーザーがお得にケータイを使うためには先入観など無しに冷静に判断する必要があることは従来と何ら変わりは無いようです。
既存のウィルコムユーザーは2月5日のサービス開始までに、今一度自分の利用状況を確かめてプランを検討する事が大事なようですな。