「アカデミックパック」よりも「アカデミックサポート」を

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ウィルコムは中学校以上の学生や教育機関に属する教職員、学校法人などに向けてアドエスことAdvancedW-ZERO3[es](WS011SH)の端末価格を実質0円で提供する『アカデミックパック』を昨年11月から提供してきました。
『アカデミックパック』の登場で、多くの学生が端末代金実質負担0円でアドエスを手にすることが出来ました。

しかし現在はアカデミックパックではない通常のW-VALUE SELECT利用の新規契約であっても、アドエスを実質0円で購入することが可能となっています。
アドエスの新規実質0円が当たり前になったことには幾つか理由があるわけですが、どんな理由があるにしてもアカデミックパック独自の魅力が無くなってしまったことは否定しようが無い事実と言えます。
とは言えアカデミックパック相当がデフォルトになってしまったのであれば、学生にとってアドエスは入手しやすい存在であることには変わりありません。
またほとんどの音声端末が実質新規0円であるウィルコムは、ある意味学生にとって入手しやすい存在であるはずです。

でもそれは本当でしょうか?
ウィルコムは学生が利用しやすいケータイキャリアなのでしょうか?

ウィルコムは実質0円で入手できる音声端末が数多くラインナップされている珍しいキャリアです。
実質0円が実現できるのいは端末自体が安いということが一番の理由であるわけですが、それと同時にソフトバンクのような安い基本料金のツケをカバーする異常に高い端末代金設定を行っていないこと(=料金プランで無理をしていないこと)も実質0円を実現している大きな理由と言えるでしょう。
音声端末の価格に限って言えば、ウィルコムは学生にとって優しいケータイキャリアであると言えるようです。

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では料金プランについてはどうでしょうか?

ウィルコムの料金プランで学生が利用するとすれば、音声定額とメール定額が魅力の「ウィルコム定額プラン(月2900円)」がメインとなるでしょう。
他キャリアでこれに対抗するプランとなると、ドコモは「タイプSSバリュー(月1050円、無料通話分1050円分)」、auは「プランSS(月1890円、無料通話分1050円)」、ソフトバンクの「ホワイトプラン(月980円、1~21時のソフトバンクへの通話無料、ソフトバンクへのメール無料)」が上げられます。
これらを比較していくと、メールを多用する場合や通話を頻繁にする場合には「ウィルコム定額プラン」の方が学生に優しい(安い)と言えるのですが、あまり頻繁に通話やメールを行わない人にとってはウィルコム定額プランの2900円は割高に映る可能性もあります。
つまるところユーザーの使用頻度次第となりますが、ウィルコム定額プランは学生にとっては必ずしも優しいとは言い切れない料金プランであると言えるようです。

この待ち受けメインユーザー向けの料金プランが存在しないことは既に当ブログでも何度もお伝えしているところでもあり、待ち受けメインユーザー向けの音声向け料金プラン(当ブログで提唱したウィルコム標準プランのようなモノ)の登場に期待したいところではありますが、次世代PHSに資金を集中しているかも知れない(というかそうなっているであろう)ウィルコムが新しい料金プランを含んで現行PHS・高度化PHSに大きなアクションを起こすかどうかは、正直非常に厳しいのではないかと思われます。

でも待ち受けユーザー向けのプランの登場が仮に無理だとしても、学生向けの料金プランは不可能ではないはずです。
そうです、ウィルコム定額プランの料金を1台目から月2200円とする『アカデミックサポート』を始めれば解決するはずです。

条件付けで1台目から2200円で提供することは不可能ではないはずです、現にハートフルサポートの適用対象者は1台目から2200円でウィルコム定額プランを利用しています。
つまり、在学中の学生さんたちに向けて2200円でウィルコム定額プランを提供することはけして不可能な提案ではなく、むしろ必要な割引サポートと言えるはずです。

もしアカデミックサポートが実現すれば、メール利用前提でのタイプSSバリューとの価格差は1000円を切ることになります。auのプランSSに至っては価格差はほぼ0円です。
ドコモやauに1050円分の無料通話が付いているとは言え、その程度の無料通話分で出来る通話やメールはかなり限られてしまいます。写真添付メールを送っていればあっという間に食い尽くします。
またホワイトプランと比較しても905円差しかなく、この価格差でウィルコム定額プランはホワイトプランに無い21~25時までの通話無料と、相手のメールアドレスが難であっても全て無料となるメール定額を有することになります。
しかもソフトバンクの場合は少し良い端末を選んでしまえば、月の端末代金を含んだ実質ケータイ代は2000円を超えるケースが少なくありません。こうなるともはや価格差は無いケースも珍しくないわけです。

以上のように考えていくと、ウィルコムがマイクロソフトと共に学生さんなどに向けて行なった「アカデミックパック」という施策はある一定の効果があったと言えますが、現状の学生が求められているのはアドエス0円特別販売などではなく、ケータイ料金に関する施策であるということが判ります。
そして「アカデミックサポート」が実現したならば、「ホワイト学割」のような一見安いが実は学生さんに大きな負担を強いる可能性を孕んだプランなどではなく、学生さんが本当にリーズナブルな料金で安心して使えるケータイ料金プランが提供できるようになるわけです。

正直言いまして、ウィルコムのエリアはFOMAやauにはまだまだ及びません(ソフトバンク3Gには負けてる気がしませんが)。実際問題として、エリア的に学校では使えないユーザーも存在するでしょう。
しかしまずは使えるエリアの学生ユーザーに対して、本当に安心して使えるケータイが存在して良いはずです。
そして学生さんに受け入れられ学生さんユーザーが増えその声が増すことで、ウィルコムもまたエリア拡大の要望に応えられるはずです。

次世代PHSへと注力しているだろうウィルコム、企業としてのその姿勢はもちろん否定などできません。
しかし今ここで学生向けの施策を怠ると、かつての魔の90年代後半のような「ピッチ使えねぇ」というレッテルを再び貼られないとも限らないわけです。
ウィルコムには是非、今出来る範囲内での良策を示していただきたい、そう願うばかりです。

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1件のコメント

  • 「アカデミックサポート」、マジメにプリーズ!!

    「アカデミックパック」よりも「アカデミックサポート」を(みどウィル移5/11)移転の方に記事を書きました。今回は、「学生さんにはウィル…

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