人に優しいケータイ

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

携帯ユーザーのPHSに対するイメージに、「電波が届かない」「エリアが狭い」というモノがよくあります。
しかしこれには誤解の部分と事実の部分があります。

誤解の部分の多くは、撤退が決まっているウィルコム以外のPHSキャリアでのことであったり、あるいはサービス開始当初の90年代の記憶であったりします。
現在のウィルコムPHSのエリアは他キャリア携帯とほとんど差がないと言ってよいほど広いですし(2005年10月末で人口カバー率98.4%)、またウィルコムは様々な技術を導入しているので驚くほど高音質で安定した会話を楽しむ事ができます。

では事実の部分とはなんでしょう?
それはPHSは基地局アンテナから発する電波が携帯より弱いことや、1本の基地局アンテナでカバーするエリアが狭い、ということです。
しかしそれは「電波が届かない」「エリアが狭い」とは似て異なる事です。
電波が届くかどうかは電波出力だけでなく、アンテナの配置や周辺の環境によって決まる事、エリアの広い狭いも方式によって拡大スピードが違うだけです。
それどころか、PHSであるからこそ素晴らしい恩恵もあります。
電波が弱いPHSだからこそ医療機器などへの影響も少なく、医療機関内で利用する事も可能なのです。

携帯のように電波が強いとどんなメリットがあるでしょう?
電波が強いと遠くまで電波が届きやすくなります。それは1本のアンテナでカバーできる範囲が広い、ということでもあります。
またカバーエリアが広いからこそ少ないアンテナで広いエリアを展開する事ができ、短い期間で急速にエリアを広げる事もかのうになります。
これが携帯の強い電波を出すアンテナのメリットです。

しかしこれにはデメリットもあります。
電波が強いとそれだけ電力も消費します。これが携帯の待ち受け時間や連続通話時間がPHSよりもかなり短いことの直接的な原因です(注:昨今のケータイの場合は高機能が故電力消費が激しい傾向にある)。
加えて電波が強ければ強いほど、電子機器に異常が出る可能性が高まります。
また電波というモノは、建物などに当たると反射したり吸収したりして建物内に透過しない場合があります。つまり1本のエリアで広いエリアをカバーする携帯の場合、局所的に使えないエリアが発生する可能性があります。しかり携帯はその企画ゆえに簡単にそのエリアを補完するアンテナを立てることができません。
携帯にはこのようなデメリットがあるのです。

逆にPHSのように電波が弱いメリットとは何でしょう?
それは携帯とは逆の、省電力で電子機器への影響が少ない、ということです。
またウィルコムPHSの場合は携帯と違い簡単に基地局を増やしたりする事も可能なため、局所的に電波が届かない場所などにアンテナを立てる事もできます。
このように、携帯のデメリットがPHSのメリットとなるのです。

ではPHSのデメリットとは何でしょう?
それもまた携帯の逆となる、アンテナのカバーエリアが狭い事と、エリア展開に時間が掛かるということです。
しかしウィルコムはそのデメリットも克服しました。10年と言う年月を掛け、人口カバー率98.4%までエリアを広げてきたのです。

このように電波が強いということは一概に良い事とは言えず、電波が弱い事にもメリットがあったりするのです。

そんなPHSの特徴を生かして、一部の病院では院内通話用にPHSを利用しています。
ウィルコムによると、医療機関への導入例はすでに1200機関あるそうです。

もちろん全ての病院でPHSの利用を許可しているわけではなく、また利用している医療機関でもより影響の少ない出力を抑えた専用PHSを利用しているところもあります。
しかしながら、通常市販されているケータイの中でも特にウィルコムのPHSが人体や医療機器に与える影響が少ない、ということもまた事実です。
近頃は3G携帯(FOMAやCDMA 1X WINなど)が2G携帯(PDC、MOVAなど)よりも、医療機器に与える影響がはるかに少ないと言う話もあります。
聞くところによると、3G携帯をペースメーカーに密着させても誤作動しない、というデモをしたところもあるようです。
しかしながら健康に関することは、より慎重になっても良いと思います。

これはある意味、輸入再開間近な米国産牛肉にも同じことが言えます。
狂牛病や変異型ヤコブ病の原因となる異常プリオンが多い部位である脳や脊椎などを取り除く事で、たしかに安全性は高まります。
でも牛を全陶検査し狂牛病感染牛を閉め出せば、さらに安全性は高まるはずです。
同じ様に、電波に敏感な機器を利用している人は、携帯よりもPHSを利用する事でより安全性が高まると言えるでしょう。

未だにPHSへのネガティブイメージを持っている人は世に少なくありません。
しかしながら、医療が認めているPHSという存在は受け入れるべきではないでしょうか?
PHSは人にも機械にもより優しいのだから…

参加中→BlogPeople
▼参考リンク▼
ウィルコムのCMに見る、病院内での“PHS”(ITmedia+Dモバイル12/2)
ウィルコム公式サイト内 体に優しい低電磁波設計 のページ

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