アイピーモバイル、資金難で携帯事業新規参入断念

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

携帯事業への新規参入を計画していたアイピーモバイルが、事業開始に必要な資金が集まらなかったことが原因で新規参入を断念する方針を固め、4月10日に記者会見を開き正式に発表するとのことです。
また近く割り当てられていた周波数(2GHz帯)を総務省に返上する方針で、それをうけて総務省は再割り当てを含む対応を検討するとみられているらしい。

元々携帯事業への新規参入は、1.7GHz帯に「イー・モバイル」「BBモバイル」の2社が、2GHz帯に「アイピーモバイル」1社が予定されていました。
その後ソフトバンク(BBモバイル)はボーダフォン日本法人を買収して新規参入ではなく既存キャリアを引き継ぐ形で参入し、イー・モバイルとアイピーモバイルの2社参入が計画されていました。
予定ではイー・モバイルよりも先にサービス開始されるはずのアイピーモバイルでしたが(2006年10月サービス開始予定)、その後サービス開始時期を延期(2007年春に延期、その後2007年秋の商用サービス開始予定に変更)したことで、イー・モバイルが先に2007年3月31日からデータ通信のみでの新規参入を果たしました。
しかし結局資金繰りが上手くいかなかったようで、今回のアイピーモバイル新規参入断念の報道となったわけです。

日本のケータイをより安くさらに速くすると期待されていた携帯新規参入3社、しかしソフトバンクモバイルは既存キャリアとなり、様々なプランを提示したもののその宣伝手法や裏のカラクリの露呈によって伸び悩んでおり、また携帯としては初のPC接続時の定額制を打ち出したイー・モバイルについてもそのサービスエリアの狭さと音声サービスが未提供な部分によって、当初期待されていたような低価格化と高速化については実現していないと言えるでしょう。
そして今回のアイピーモバイルの参入断念、このことによって日本のケータイ業界における脱インセモデルの検討は、再度暗礁に乗り上げたと言えるのかも知れません。
願わくば既存キャリアが自らを律してユーザーの為の施策を進めて欲しいとは思いますが、現在のドコモやau、ソフトバンクモバイルを見る限りではなかなか難しいように思われます。
ウィルコムとイー・モバイルには3キャリアの悪い部分を見習わずに、ケータイをより良い形に向かわせるような取り組みを期待したいと思います。

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▼参考リンク▼
アイピーモバイル、撤退報道に「ノーコメント」(ケータイWatch4/9)
アイピーモバイルが資金難で携帯電話事業参入を断念で総務省が2GHz帯再割当(memn0ck.com4/8)
アイピーモバイルが携帯参入断念・総務省、周波数再割り当てへ(nikkei)(useWill.com4/8)
アイピーモバイル、新規参入断念(みどりうかブログ4/8)

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