結局「0円」を連呼したかっただけなのかな

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

本日ソフトバンクの「第6の予想外」である「新スーパーボーナス」の詳細が発表されました。
しかしそれは予想外とは名ばかりの「頭金0円」、大方の予想範囲内のつまらない発表でしかなかったのです。

現状の「スーパーボーナス」では端末の種類や契約によって頭金0~数万円を支払い、その後分割払いをする販売形式をとっています。
その分割払いをするはずの金額は、本来インセンティブ(販売奨励金)の形で各種料金に上乗せして徴収している分で相殺し、それをわざわざ「割引」の形で販売していた、というのが「スーパーボーナス」の本質です。
それの頭金を全て0円にしたのが「新スーパーボーナス」、その際に「スーパーボーナス」との間に生じる頭金の差額は分割払いでキッチリ徴収、場合によっては相殺仕切れずにソフトバンクを利用していても支払い分が料金に加算して請求されることになります。

簡単に言えば、「スーパーボーナス」の頭金を0円にする代わりに差額を分割払いに回し、足らない分はキッチリ支払うという総支払額はなんら変らないのが「新スーパーボーナス」と言えます。
それなのにあえて「頭金0円」と大きく発表しているだけ、と言ってもけして的外れではないと思われます。


結局のところ10月23日の一部累計時間限定ソフトバンク間音声定額プラン「ゴールドプラン」の発表から今日まで、その内容を理解できた人は発表のたび毎にますます落胆の度合いを深め、それに気付けぬ人は孫社長の「通話料0円」「0円で端末購入」などの言葉を鵜呑みにして騙され続ける、そんな状況が繰り返されただけでした。

そんなソフトバンクは早くも、「ゴールドプラン」について不振な発言を始めています。
「ソフトバンクユーザーは1500万人、全員が予想外割にするとネットワークがもたないかもしれない。そのため新スーパーボーナスについても見直しを行なうかもしれないが、少なくとも創業キャンペーンの期限である2007年1月15日までは受付を行なう。」と孫社長が話したそうなのです。

ふと考えてみれば、ソフトバンクの「ゴールドプラン」については音声定額が可能になった理由が語られていません。
音声定額でもウィルコム定額プランは「マイクロセル方式なのでアクセス分散によって通話できないエリアが出来難い」「ITXの導入によりNTTに支払いアクセスチャージを回避できる」などの技術的な理由があって実現しています。
しかしボーダフォン時代から提供されている「LOVE定額」などは技術的な解決策が合ったわけではなく、単に通話に支障がないであろう範囲内での限定的な音声定額をやってみたというだけであり、実質的に宣伝目的の客寄せパンダとしか映らないような代物でした。
今回の「ゴールドプラン」が技術的な問題点をクリアしていないのであれば、遠からずプラン内容改定などが起こる可能性もあります。そしてその為の布石が孫社長の発言(オレンジ色の部分)、とも受け取れるのです。

MNP直前に大風呂敷を広げたはいいが、その後いろんな制限を加え続け「0円」ばかりを言いながら実はユーザーからしっかり高い料金を徴収する、そんなソフトバンクの手法を多くの人は気づいていないのかも知れません。
その人たちがソフトバンクの企みに気づく時、どのような問題が発生するのかと今から心配でなりません。

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▼参考リンク▼
ソフトバンク、「新スーパーボーナス」は頭金0円の分割払い(ケータイWatch10/26)
6つ目の予想外は「端末全機種0円」(ITmedia+Dモバイル10/26)
「0円大好きのソフトバンク、端末の持ち帰りは全て0円」──孫正義社長(ITmedia+Dモバイル10/26)
業界を震撼させたソフトバンク「予想外割」への期待と不安(IT-PLUS 10/26)
ソフトバンク『第6の予想外』はなんのことはない予想内の『頭金0円』(みどりうかブログ10/26)