ソフトバンクの基本料金割引プランは「スーパーボーナス」のみに

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

ソフトバンクモバイルの基本料金割引プランが実質「スーパーボーナス」のみになるようです。
元々ボーダフォン時代には「スーパーボーナス」以外に3つの基本料金割引が存在しました。
2年契約で月の基本料金割引と1年に2ヶ月基本料金が無料になる「ハッピーボーナス」、1年契約で月の基本料金が割引になる「年間割引」、契約無しで利用年数で割引がつく「継続割引」の3つです。
しかしソフトバンクモバイルは「ハッピーボーナス」と「年間契約」の新規契約を無くし、24回の分割払いを基本とした「スーパーボーナス」のみを基本料金の割引とする方針を打ち出したのです。

さらに機種変更等でスーパーボーナスに変更した場合の長期割引期間を引継がないともアナウンスされました。
つまりボーダフォンを長年利用してきたユーザーであっても、スーパーボーナスに変更したら新規ユーザーと同じ様に割引率は1年目からやり直さねばならない、ということになります。

この2つの変更はいずれもユーザーにとってのメリットがほとんどないどころか、むしろ損をするかのような改定です。
何故このような変更をソフトバンクモバイルは行ったのでしょう?

主な理由はインセンティブモデルからインセなしモデルへの方針転換にあると思われます。
日本のケータイ端末はとても高性能で、本来であれば3万~8万円もの高い価格で販売しなければ利益が上がらないと言われています。
しかし実際には高くても3万円ほどで最新のケータイが購入でき、1年前のモデルはタダ同然で入手することが可能です。
ではその差額はどうなっているのでしょうか?
その差額はケータイの基本料金や通話料金などに上乗せされて徴収されています。その上乗せされた分がインセンティブ(販売奨励金)として販売店に還付され、本来の価格よりも安く販売していても利益が上がるモデルになっているのです。
つまり日本のケータイは「端末が安いのに料金が高い(高い料金で端末価格を見た目上安くしている)」というインセンティブモデルであり、海外のように「端末は高いけれど料金は安い」インセなしモデルではない、ということが言えるのです。

このインセンティブモデルに関しては日本でも廃止の方向で動いており、早ければ数年後にはインセ撤廃がされる可能性があります。
しかしそうなれば日本のケータイ業界の販売モデルは全て崩れ去ることになり、新しい販売方式を模索せねばならなくなります。
その為にソフトバンクモバイルが打ち出した販売モデルが「スーパーボーナス」なのです。

「スーパーボーナス」を契約している間はインセモデル同様の高い基本料金通話料金等を徴収されます。
その本来は浮いているはずの分を隠した上で24回分割払いの名目で徴収する料金を「スーパーボーナスの特典」の名で浮いた分と相殺、元から損もしないのにユーザーには「お得」とアピール、さらにもし分割払いが終了しないうちに解約した場合には「分割払い」の名目で引き続き回収する、結果ソフトバンクは端末代を全て回収できて損はしない。
いうなれば「スーパーボーナス」はソフトバンクが損をしない形での変則インセなしモデルであり、ユーザーにとっては改悪でしかないプランと言えるのです。

ではケータイのインセなしモデルは不可能なのでしょうか?
と言うとけしてそんなことはありません。実はソフトバンク以外にインセなしモデルを成功させているキャリアが既に存在しているからです。
そのケータイキャリアとはウィルコムです。

ウィルコムは以前から他社に比べインセが低く設定されていました。
だからこそウィルコムは基本料金や通話料が安く、まただからこそ販売店にとってはウィルコムは旨みが少ないキャリアである為に他キャリアを奨めてくる、という現象も起こっていたのです。
その流れはW-SIMの登場でさらに加速、W-ZERO3[es]においては現状のケータイで最高性能を持ち合わせていながらほぼインセ無しで29800円という価格を実現してきました。
それはつまりインセなしでもケータイの販売モデルを作ることが可能であるということをウィルコムは示しているのです。

そのことを考える時、ケータイのインセなし販売モデルに向かうということ自体には問題は無くとも、ソフトバンクの「スーパーボーナス」のそれはキャリアの損得のみでユーザーのメリットを損なうばかりのあまりにも問題の多いプランである、と言えるのです。

インセモデルの廃止が進んだ時、ドコモとauはいったいどちらの方法を選ぶのでしょうか。
またソフトバンクモバイルはこのままユーザー軽視を続けていくのでしょうか。
そのとりあえずの結果が出るのは10月24日のMNP開始の時なのかも知れません。

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▼参考リンク▼
ソフトバンク、携帯料金プラン「割賦方式」に一本化(NIKKEI NET 10/1)

ソフトバンク、スーパーボーナスでは長期割引が引き継げない(ケータイWatch10/2)
スーパーボーナスの本当の恐怖(*翼あるもの*10/3)
インセンティブ(ITmedia+Dモバイル)
ソフトバンクモバイルはJフォンの栄光を取り戻すのか、それともボーダフォンの改悪を繰り返すのか、(みどウィル支10/2)
新しいケータイ端末販売の形「スーパーボーナス」(みどウィル支9/1)

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