ソフトバンクの新プラン、とりあえずわかっていること。

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

MNP開始を翌日に控えた10月23日、ソフトバンクモバイルが新しいプランを発表しました。
ソフトバンク側はいろいろ量増しのようなことして数多くの新しいことをやるように言っていますが、実際に言っていることは次の2点です。
■ドコモとauのプランをそっくり真似てそれより210円安い「ブループラン」「オレンジプラン」を提供する
■ソフトバンク間の通話とSMSを定額にする「ゴールドプラン(9600円)」を提供する

この2点です。

まず「ブループラン」と「オレンジプラン」について、ドコモのイメージカラー「ブルー」とauのイメージカラー「オレンジ」をプラン名に取り入れたなりふり構わないプランです。
内容をそっくり真似ておいて全て210円安くしてある点が、良く言えば安くてうれしい、悪く言えばえげつない、そんなプランです。

特筆すべきは、MNPを利用してソフトバンクのこれらのプランへ移行した場合には、これまで契約していたキャリアの利用年数を引き継げる辺りです。
つまり継続利用年数を引き継いだ上で200円安くなり、さらには「他社が値下げしても24時間以内に追従する」と述べ値下げ合戦では退かない姿勢を示した、完全にドコモとauにケンカをふっかけた形の料金プランとなっています。

今まで携帯キャリアが封印してきた禁断の剣「キャリア移行時の継続利用年数引継ぎ」、一見するとユーザーの為の良策にも見えますが、改悪に次ぐ改悪で劣勢に立たされたソフトバンクが慌てて打ち出した苦肉の策である、という見方もできます。
今後他キャリアが追従するのか、あるいは現状で戦っていくのか、その点に注目したいです。

もう1つの新しいプラン「ゴールドプラン」については、まだその全てが発表されてはいないのですが、
基本料金は9600円で無料通話はなし、ソフトバンクモバイル間の通話が定額範囲内(無料)となるが、通話のピークである21時~0時59分の間の通話は1カ月累計200分を超えると21円/30秒で課金される、SMS(ショートメール)も定額範囲内になる今までの携帯にはなかったプランである、と言えます。
しかし通常のEメールは0.21円/パケットの別途課金されるので、メール定額ではありません。
一部詳細がまだわかりませんが、ゴールドプラン向けの期間限定(2006年10月26日~2007年1月15日)キャンペーン「予想外割」に加入すると、いきなり継続割引や家族割引の11年目以降の割引率と同じ月額基本利用料が70%割引が適用され、月額2880円で利用できることになるそうです。

一部では「ウィルコム定額プランより安い」との報道もありますが、20円安いとはいえウィルコム定額プランのようなメール送受信無料ではない為、実質的に安いと言えるかどうかに疑問が出てきます。
さらに携帯の常識で言えば、これ以外にキャリア内インターネット基本料(iモード基本料のようなモノ)がゴールドプランにおいても徴収されることが予想されます。
そうであれば実質的にウィルコム定額プランよりも高い金額になる(ウィルコムにはキャリア内インターネット基本料が無い為)と言えます。

加えてゴールドプランは他社ケータイや固定電話への通話は30秒辺り15.75~30.45円、ウィルコム定額プランの携帯へ13.125円/30秒、固定電話へ10.5円/30秒に対してかなり高い金額であると言えます。
さらにパケット代は0.21円、ウィルコム定額プランの0.021円/パケットの10倍の価格です。
またオプションの定額プラン「パケットし放題(0.084円/パケット計算)」は、キャリア内インターネット利用時は1029円~4410円、フルブラウザ(PCサイトブラウザ)でPCサイトを閲覧すると上限5985円、PCサイトダイレクト利用時には上限1万290円になります。これに対してウィルコム定額プランの「データ定額(0.0105円/パケット計算)」はPCサイトを閲覧しても1050~3800円、とかなりの金額差が生じる可能性がある。

このように考えると、「ゴールドプラン」は携帯キャリアには影響を与える可能性のあるプランと言えるが、ウィルコム定額プランと比べるとまだまだ料金が高く、適用範囲も狭いプランであるといえるでしょう。

何にしても今回の突然の発表は、あまりにも身勝手な変更をユーザーに押し付けすぎてしまったソフトバンクからの流出があまりに多く、それに慌てたソフトバンクの上層部が足止めを目的に行った、と受け取らない方が難しいです。ユーザーと販売店員に更なる混乱が起こる事も想像に難くないです。
何よりソフトバンクは、ボーダフォンから生まれ変わったわずか3週間の間に、いきなり発表もなくプランやキャンペーンを変更してきたユーザー軽視と受け取れる行動が事実としてあります。
そのことを思えば、今回の発表に踊らされずに事実を冷静に見極める必要がまだまだあるのではないかと思われます。

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▼参考リンク▼
ソフトバンクがソフトバンク同士の通話・メールが定額になる「予想外割」を開始(AirBlog10/23)
ソフトバンクモバイルが音声定額? でも微妙にずっこい表現。(みどりうかブログ10/23)
ソフトバンクの「予想外割」、通話料0円の新料金プラン発表(ケータイWatch10/23)
ソフトバンク孫氏、「日本のケータイに健全な活性化を」(ケータイWatch10/23)
ソフトバンク同士の通話が無料となる「ゴールドプラン」(ケータイWatch10/23)
オレンジとブルーはau・ドコモの基本料金から210円引き(ケータイWatch10/23)
10月26日はソフトバンクショップへ――店頭で“予想外”の発表?(ITmedia+Dモバイル10/23)
ソフトバンク、通話とSMSが0円の「ゴールドプラン」と「予想外割」を発表(ITmedia+Dモバイル10/23)
携帯の通話、メール代無料 ソフトバンク加入者同士(Web東奥10/23)

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