「iPhone3G」、ケータイと見るか、プレイヤーと受け取るか、
「iPhone 3G」の修理費用、重度損傷で約6万円に(ケータイWatch7/16)
リンク先記事に、iPhone3Gを全損とか水濡れなどの重度の故障だと保証込みで全額負担だの、そこまで重症でない場合は保証が効いて8GBモデルで2万520円、16GBモデルで2万9520円のユーザー一部負担(というか大部分負担では?)になるだの、バッテリー交換は9800円で本体ごと交換だのということが載ってはる。
既にネットでは指摘されていたことが記事になっちゃいましたな。
まぁなんと言いますかアレだ、いやまぁその通りだなぁ、という感じとしか言えないかな。
ただこの問題(?)には、ユーザーの意識の問題も大きく影響しているように思えるのよね。
つまり、「iPhone3G」をケータイとして見ているか、あるいは「iPhone3G」をケータイ機能も付いた動画・音楽プレイヤーとして受け取るか、という部分よね。
iPhone3Gをケータイとして見た場合、日本では当然破損などでの保証が当たり前という発想になってくる。うっかり水没してもある程度はキャリアが保証してくれる、ってね。
しかし実際にはiPhone3Gの保証は全損扱いでは全額支払えと決まっているし、軽微な場合でも2~3万円支払えということになっている。バッテリー交換に至ってはバッテリーじゃなくて本体交換だしね。
これらのことはケータイだという認識を基にすれば、なんて不親切なんだと、どんだけボッタクリなんだとそう思うことは不思議ではないわけです。
でもiPhone3Gがあくまでプレイヤーだと考えたなら、おそらくそこまでは思わないはずです。
だって音楽プレイヤーが壊れたら修理するか買いなおすかの2択だけで、ケータイのように『保証が有って当たり前』なんてことは思いませんからね。
ならばiPhone3Gはケータイなのか?
それともプレイヤーなのか?
というと、おそらくそれは立場によって認識が違っているのだと思います。
アップルはおそらく『電話も出来るプレイヤーでキャリアは関係ない』という考えに近いでしょう。保証内容からすればそう思わないことが難しいです。
ソフトバンクモバイル的には、いちおう自キャリアで提供してはいるもののプランなどは専用でメアドも通常のソフトバンクとは別扱い、事実上のMVNO扱いのようなものですから、『うちらは回線だけで後は知らん』という無責任な立場を貫きそうです。
ではユーザーはどうかと言えば、当然のように多くの人は『普通のケータイ』としか見ていないはずです。でなければこの保証に不満が出るはずもありません。
これらのことを総合的に考えると、おらの目には結局はアップル主導のケータイのキャリアからの分離ビジネスの提唱という部分と、金だけ出して目立つものを他から移入するだけでユーザーを犠牲にしがちなソフトバンクビジネス、その2つの要因から当然のように導き出される結果がユーザーに突きつけられているのではないかと、そう思えるわけなんですな。
まぁアップルとソフトバンクで思惑が違うからユーザー救済はあまり期待できないな、とね。
思い返せば同様のことはかつてのウィルコムにもありました、W-SIM端末でのことです。
元々W-SIM端末はW-SIM本体にのみ保証があり、W-SIMジャケットはユーザー破損等は無保証で修理の際には全額ユーザー負担が強いられていました。
しかしウィルコムは割賦販売の「W-VALUE SELECT」導入の際に、『W-VALUEサポート』という手厚い保証をW-SIMジャケットにも適用しました。
このことによりW-SIMジャケットはW-VALUE SELECTでの購入に限り、それも2年間のみではありますが、ユーザーの全額負担という事態を回避し、低廉な負担で修理が行なえる体制を手に入れました。
でもおそらく、現状のソフトバンクでは同様の対応をすることは不可能でしょう。出来たとしても月の追加の支払いを強いる形での修理保証オプションがせいぜいじゃないかと。
そう考えるとある意味でのウィルコムの優秀さと言うかユーザーを大事にしている姿勢が見てとれたりもします。
まぁつまるところは全てはユーザーの自己責任、となってしまうわけなんですが、ケータイは今や2年使うのが当たり前の時代なわけですし、いろんな意味で慎重で賢明な判断が必要な時代になってきたということなのだと思います。