放射線への耐性を上げ、細胞の新生も助ける薬が開発されたらしい

放射線から身を守る薬 細胞死を抑制、米チーム(Web東奥4/11)

アメリカのロズウェルパークがん研究所などのチームが、放射線による急性障害を防ぐ薬を開発したそうな。
どうも放射線の影響で骨髄などの細胞死を抑制しつつ、ダメージを受けた組織の新生を促すような感じの薬で、正常な細胞だけを保護するんだそうな。つまりは細胞がより放射線のダメージに耐えつつ、かつ正常に修復するのを助けるような薬ですかな。
あらかじめ薬を投与したネズミでの実験では、放射線13グレイを照射したマウスの13日後の生存率が0%→80%と飛躍的に向上し、9グレイを照射した後に投与した場合でも1時間後の生存率が7%→40%に跳ね上がったそうな。

なんかすごい薬ですな。
よく原発事故後にはヨード剤を飲むみたいなことを言われますが(あれ、この話は一般的ではないか?)、あれは結局放射性ヨウ素が体内に取り込まれる前に普通のヨウ素を体内一杯に入れちゃえば放射性ヨウ素は取り込まれず排出されちゃうって理屈の薬であって、放射能や放射線を無くすわけでも、ましてや体内被曝の原因となる取り込まれてしまった放射能を除去するわけでもないのよね。
でもこの薬はだ、とりあえず大量の放射線を浴びた時のことを想定している薬であり、もうその時の急性障害は細胞に耐えてもらってどんどん細胞を作り直してもらって乗り切ろうという薬なわけですよ。
これはある意味いい発想ね。

だってあれだすよ、もし核攻撃等を受けた場合には熱線や爆風等の影響を受けていたらもう高確率で短時間でアウトだし、こういう薬を使う可能性があるのはそれらの脅威からは運良く逃げ延びたが放射能を浴びて放射線にさらされている人なわけですよ。
そういう人たちでも生存の可能性が増す、という意味でとても画期的なわけです。

もちろん原発事故などが発生を想定してヨード剤などのように備蓄して対処するという方法も可能でしょうし、がんの放射線治療の副作用を抑えるという使い方も出来るでしょう。
また可能性だけで言えば継続的に投与することで体内被曝への良い効果も期待できるかも知れないですな。

そんな期待を抱かせるすごい薬ではないかと、そう思ったりもします。

まぁそんなの使わないで済むような世の中になるのがベストなんでしょうけどね。

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