ネズミが道具を使うことは不可能ではないらしい

ネズミも訓練で道具使用 くま手で餌引き寄せる(Web東奥3/26)

ネズミも訓練すると道具を使うようになる、という感じのことがリンク先記事に載ってはる。

生き物って意外に環境を利用したり学習したりするものよね。
うちのキャンデーパロット(お魚)は砂利を加えて山を作っているし(何の為かは不明)、うちのグッピーやエンドラーズは自分の口に入らない大きさのエサを加えたまま持ち逃げして器用に口元で動かしながら表面を食べているし、魚でさえその環境の中でいろんな可能性を模索していくわけですよ。それが思考の末か偶然かは別にしても、一度その行動を行い有効であればそれを記憶して繰り返し行うようになると。
だからネズミに有効な方法を繰り返し教えれば道具を使えるようになる、ということ自体はそれほど驚きではないのよね。環境が許せばそういうこともあるでしょう。
でもこれは、飼育環境下で人の意図が加わったからこそ出せた結果なのよね。

ネズミなどのげっ歯類の多くは、どちらかというと肉食動物の餌になるタイプの生き物でそんなに長命ではないわけです。
すると当然道具を使うという経験をする機会はあまりなくなる、というか偶然その経験を得る可能性が極めて低い。
だからまずは寿命の長さで自然下では道具を使う経験がまずありえない、しかし人間が繰り返しその機会を与えることで道具を使う有用性を記憶し(理解とは限らないことがポイント)道具を使えるようになったってことね。

そしてある程度の数が群れを形成してそのメンバーの変化がある程度の長期間保たれること、これがないとせっかくの経験が文化として受け継がれないわけです。
そういう意味では食物連鎖上では多くが捕食される立場に位置するげっ歯類は偶然にも道具を使う個体が現れたとしてもそれを文化として継承できない、という部分もあるわけです。

そこを踏まえると、自然下で道具を使う動物ってのはある程度納得がいく部分があるわけですよね。
サルでも道具を使う種類が幾つも確認されていますが、それらは群れ単位でその文化が継承されているわけです。彼らはげっ歯類よりは食物連鎖的に上に位置することとげっ歯類よりは長命であること、何よりげっ歯類に比べるとさほど激しくは入れ替わりがないであろう群れでの生活の中に置かれていることで、偶然道具を使う経験をした個体の行動をその他の個体が真似していくという機会も得ているわけです。
これがサルが道具を使う為に条件的に適しているという理由になります。

カラスの場合は人間社会に適応したからこその道具を使う余裕が出来た、という部分が大きいでしょう。
人間社会の食べ物にも適応し、人間社会の物質も利用し、また人間社会という自然下に比べればより敵も少ない環境においてカラスは元々兼ね備えている遊び心を十分に発揮し、いろんな道具の使い方を学習していくことが可能なわけです。人間社会では他のカラスの行動を見て学習する機会にも恵まれていますしね。

言うなれば、道具を使うということは道具を使う能力を有しているかだけでなく、道具を使う経験を得られるかと、その経験を文化として継承できる状況にあるか、という部分にかなり左右されるわけです。
そういう意味で今回の実験結果は道具を使うことが知能だけに依存しているわけではない、ということを証明したわけでして、可能性で言えば他の動物も道具を使う可能性は十分に秘めているのではないかとおらは思うんですな。

まぁ人間社会にかなり適応している犬猫なんかは教えなくてもドア開けたりは覚える個体がいますしね、うちの妹の猫も勝手にドアを開けることを覚えちゃったし・・・どうせなら閉める事も覚えればいいのに…(=ω=;
だから教え込めば簡単な道具ぐらいは扱えるようになると思うのよね。
道具を使うと言う意味ではジャイアントパンダやレッサーパンダなんかも有力よね、彼らは今回のネズミのように親指上の突起を持っていて物を握れるからね、道具の使い方を教え込んでそれが継承されていけばなかなか面白い変化が起こるかも知れない。

もしかしたらそういう経験の累積が知能などにも影響を与え、はるか未来には新たなる生き物へと進化していく可能性もあるんでないかと妄想も広がるよね。
ワーウルフやワーキャットやワーパンダや…ネズミ男とかね( ̄~ ̄。

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