ちょっち認識が甘いと思うことがある。
天使か悪魔か?ホテイアオイ 強い繁殖力で生態系崩す(Web埼玉8/8)
リンク先記事に、現在「要注意外来生物」で特定外来生物入りの可能性も否定できないホテイアオイについてのことが載ってはる。
まぁ内容はリンク先記事を読んでもらうとして…
とりあえず野外に放つのは論外です。
動物はもちろん、植物だろうが虫だろうが勝手に自然下に放つのは自然を愛するふりをした自然破壊者でしかありません。自然下で繁殖するってことは、本来そこにいる他の生物の生息域を脅かすということでもありますからね。
だから飽きたからと安易に捨てるのは下の下、購入したからには最後まで責任をもって飼いきらねばならないのです。植物もね。
とまぁそういう基本中の基本なことは今までも言い尽くしてきましたが、ホテイアオイを水質浄化目的に使うってのにもちょっち違和感と言いますか、認識が甘いのではないかとリンク先記事を見て思った。
あれなのよね、水辺の水質浄化植物って、基本的に刈り取ることが前提で水質浄化をする能力があるってことで、何もワッサワッサ増えれば勝手に水がキレイになっていくものではないのよね。
正直ホテイアオイやウォーターレタス(特定外来生物のボタンウキクサ)などは、条件(日光や水温)さえ満たせばものすごい繁殖能力で急激に水中の養分(植物の肥料となる硝酸塩等)を吸収する能力を秘めているわけです。
しかし彼等を抑制しないで繁殖させ続ければ、水面を覆い尽くして水中の酸素濃度が激減した結果水中の生物が姿を消し、さらに冬になって枯れれば吸収した有機物は再び水へと戻っていくというまったくの無駄骨になるわけです。
そうです、水質浄化をするホテイアオイなども、冬になったりして枯れて腐ってしまえば逆に水質悪化をする存在に成り下がってしまうわけです。
まぁこれはホテイアオイに限らず、全ての水質浄化植物などに言える事なんです。
陸上の植物の場合には木質とか枯草の形である程度養分を固定してくれるわけですが、水辺の植物の場合にはさすがに水が豊富なだけあってすぐに腐ってしまうわけですからね。
だからよくある水辺のヨシやアシなども同じ、あれも毎回刈り取ってあげないと水質浄化の意味合いは薄れてしまうわけです。
ということで本当は、ホテイアオイなどで水質浄化する時には定期的に間引いて、それを飼料なり肥料なりにして初めて水質浄化なわけです。
その辺りをちゃんとやっていればいいのですが…現実はなかなかそうはいっていないような感じがしていて残念でなりません。
日本の自然を守る為に、飼育者が安易に密放流をしないことはもちろんですが、水質浄化についても安易に生体導入などせずに、しっかりとその運用法と注意点、リスクなどを学んだ上で行なう必要があると言えますな。