部門とか設けちゃダメなのかな

伝統と観光 はざまで揺れる三社大祭(デーリー東北8/5)
八戸三社大祭が後夜祭(Web東奥8/5)
八戸三社大祭 後夜祭で幕(デーリー東北8/5)

昨日で八戸三社大祭も終わり、今日は八戸花火大会が行なわれ、そしてお盆が来て子供達の夏休みも終わっていくというある意味では今年も何時も通りの夏が過ぎようとしているわけですが、八戸三社大祭には去年異常に課題が山積みになっているようです。
その中でも個人的に気になった山車の小型化(というか原点回帰)についてちょこっち。

おらは今年の八戸三社大祭の山車はそれほど楽しめなかった。
というのも、ほとんどの山車が似たような感じのせり上がり+両開きので面白みを感じなかったからです。
今やどの山車組もとにかくでかくて豪華(人形がデカいか数が多いか)な山車を用意してくる状況にあり、たしかに山車1台を見る限りにはその見栄えは良いものの、同じような山車が乱立する現状では面白みに欠ける部分もあるわけです。
その中で今回、今まで大型山車を作ってきた長横町が小型山車で参加したことは、とても意義のあることだと思うのです。

小型山車の良さ、それは狭い道でも山車に見ごたえがあることです。
大型山車は広い場所での見開き状態にこそ見栄えがよいものであり、狭い道を通る巡航状態ではティッシュの箱のような感じで道をすり抜ける為、人形などがギュウギュウ詰めになって何が何だかわからないことが珍しくはありません。
また祭り本来の姿の1つである山車が町内を練り歩くことも小型山車でないと難しい部分があります。
そういう意味で、小型山車には大型山車と違った形の可能性があると思うのですよ。

またおらが個人的に大好きな昔ながらの潮山車、あの棒の先に銀玉がくっついた波のがタップリあるあの潮山車は、大型山車でせり上がりだの左右が開くだのの小手先の見た目でなく、切り取られたその構図の美しさを全ての角度から楽しめ、さらに山車が練り歩くことで生まれる波の動きを実現するには、やはり小型山車の方が作り込みがしやすいと思うわけですよ。

そういう個人的な思いも込み込みで、いっそのこと部門とか作っちゃってはどうなんですかね? とか思った。

今時のせり上がって開く大型山車などは『現代山車部門(通称ヘビー級)』として、今回のような小型山車などは『伝統山車部門(通称ライト級)』という感じでそれぞれ優秀作や秀作を選び、さらに最優秀賞は両部門ひっくるめて決めちゃうと、こんな感じね。

するとヘビー級で戦う体力(資金力)のないところはライト級でも戦える、ライト級が増えるとそれぞれが競争し合ってライト級からも素晴らしいものが生まれる、それを見てヘビー級もますますの切磋琢磨をすると、そんな未来をおらは夢見ているんですけどね…無理かしら?

とまぁこんなことを言うのも、たぶん小型山車でがんばろうとする山車組は少ないだろうからなんですよ。
こう言っちゃなんですけれども、ある程度形が出来上がってしまった大型山車の方が無難ですからね。先立つモノの確保さえできれば、よほどの志がない限りはチャレンジする必要もないわけですからね。
だから小型山車を作りやすい環境作り、というのもまた必要な気がするわけです。

あとここからちょっち話がズレますが(ある意味ではド真ん中ですが)、大型山車を作るにしてももっとチャレンジして欲しいですよね。
今回の山車は本当にガッカリした、みんな似ていて。
いや実際豪華ですよ、迫力ありましたよ、見ていて面白かったですよ、でも印象には残らなかった。ホントに六日町のウミネコに乗った七福神しか覚えていない、それぐらいに大型山車は似通っていたんです。

まぁわかるよ気持ちは、昔大型山車が登場した頃は衝撃的だったもの。
市庁(互助会)などの山車が大型化しだしてまずビックリ、そのうち両サイドがビローンとでっかく開いてマクロス強行型のようでさらにビックリ、トドメにせり上がりで今までではありえないほどの異常な高さにまでなってもうビビリまくり。
その時代を覚えている人なら、今更小型山車に戻る気持ちは持ちづらいことでしょう。
でも今やそういう大型山車がある意味普通になってしまい、その進化は長い間停滞しているとしか思えない。
だからこそ新しい山車の形を提示した感さえあった去年のあの山車を賞賛したわけですが、今年は表現法と言いますか解釈が面白かった六日町の山車でさえ、経常的にはありきたりで面白みの欠片もない、というような状況です。
だから大型山車を作る山車組には、更なる進化を模索して欲しいのです。

例えば、昔のように大胆に名場面を表現することはできないものでしょうか。
あの有名な逆落としを題材に、義経や弁慶などの主要メンバーは普通に山車の上で形にし、その逆落としの勢いを表現するために小さ目の馬に乗った武者(遠近法狙い)などをせり上がりに配置、下ろした状態では隠れる感じにしておいて、いっぱいにせり上がったらはるか上から駆け下りてくる義経軍を表現、そして左右の開きはナシ。
ある意味去年のあの山車を彷彿とさせるような表現手法を再度どこかの山車組で実現してみてはいかがだろうか。
あるいはヤマタノオロチを題材に、せり上がりと両開きにオロチの頭を配して展開具合によって違う表情を何度も楽しめるというアレンジや、金属加工の会社に頼んで新しい大胆なギミックを実現するような仕組みを模索するなど、まだ可能性は残っていると思うわけですよ。

何にしても、八戸三社大祭は山車のお祭りです。
その山車の豪華さという部分と、伝統である神社行列という部分が一緒になってこそ、八戸三社大祭は盛り上がるというものです。
山車の華やかさという部分だけが先走っておりますが、実際にはその進化は停滞しているという事実も受け止め、各山車組は来年に向けた方向性を決める必要があるのではないでしょうか。

2件のコメント

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    お初でございます。おまつり日記やすたかと申します。
    まったく共感いたします。私も製作していたのですが、
    やはり大きい山車を小さくする勇気とか町内の幹部
    は、中々決めかねると思います。部門制はかつて議論
    されてたようですが、見えない力で消えたようです。
    とにかく観光を意識しすぎと賞の影響ですね。
    昔のインパクトある山車。私は、下組町亡霊物。
    顔が青いやつとか、小さい時にみたけど
    印象ありますもん。
    たまには、当ブログにでも足を運んでいただければ
    幸いです。
    いま、ちょうどお祭り問題を投稿中です。

  • SECRET: 0
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    はじめまして、ようこそです。

    部門制について議論されたことがあったのですね…闇の力で潰された辺りはある意味八戸らしいというか…ねぇ(=ω=A;
    現状だとどうしても大型山車で似たようなのばかりになるのがおら気になっているのよね。よほどの勇気か思いがある人がおらん限りは小型にはできないべ。
    でも財政的な面を考えると小型山車に心引かれる中の人もおるはずと思うのよね…まぁそこいらの絡みもあって前年の使い回しというか外装だけ変えて中身は同じみたいな山車になってしまう組もあるような気がするわけです。
    だからもうその言い訳にもなるように(ォィ)部門制にしてしまえば、「おいらの組は伝統を大切にと思い伝統山車部門でがんばるけん(@▽@イヒ」ということが出来てある意味幸せになるはずなのよね、その組の大蔵大臣辺りが特に。
    という感じでいろんな面で面白みが増すような気がするんですけどね。

    個人的にはおいらはここ数年、六日町の山車がお気に入りです。
    今年の山車は形状はありきたりでしたが、ウミネコのった七福神が衝撃的でよかった。
    しかし去年はもっとよかった、あの大胆な進化した潮山車の構成はすごかったです。
    来年六日町が無難な山車を作ってガッカリしちゃうのか、あるいはさらに大胆かつ上のステージへと駆け上がるほどの凄い山車を作って新たなる歴史を作ってしまうのか、個人的に気になっています。

    ちなみにおらは下の方の売市に隠れ住んでおります。
    しかし子供の自分に参加していた山車組は互助会(市庁ね)です。当時は抜きん出てデカくて賞も取りまくっていたけれど、おらはやっぱり潮山車が好きであの銀玉ばっかり見ておった(=ω=♪

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