ミドリガメは本当に捨てちゃいけない生き物です。

要注意外来生物 ミドリガメ繁殖か 盛岡・高松の池(河北新報10/8)

リンク先記事によると、盛岡市の高松の池でミシシッピアカミミガメの繁殖が懸念されているそうな。
高松の池は周囲約2kmで貸しボートなどが利用出来るが、池のコイにエサをあげているとカメも一緒に集まってくるのが目撃されていたんだそうな。
また岩手県内のあちこちの池でも目撃されているらしい。

ミドリガメ
『ミシシッピアカミミガメ』=『ミシシッピ産の赤耳亀』
ミシシッピアカミミガメと言うと聞いた事がない人もおるでしょうが、販売名のミドリガメというとほとんどの人がわかるでしょう。それの正式名称がミシシッピアカミミガメになります。
実物をよく見るとわかるのですが、ミドリガメの頭の横っちょに赤い部分があるんすよ、それが耳みたいに見えるので『ミシシッピ赤耳亀』ってことなんすよ。

とまぁ一般受けしない無駄知識はどうでもいいとして、この件もまた無責任な飼育者による密放流が原因の問題となります。



知らない人もおるでしょうが、ミシシッピアカミミガメは正直買い辛い部類の亀だと思います。
とりあえずデカくなる、けっこうスルスルっとあっさり大きくなって良くない。日本産のクサガメとかの比ではないぐらい育ちが良いのよ。ある意味アメリカザリガニと同じよね、アメリカザリガニは1年も経てば立派な大人サイズ、でもニホンザリガニは大人になるまで3~5年とかかかる、そのアメリカちっくな育ちの良すぎる辺りが飼育にはあまり向かない。
しかも大人になると、20~30cmになるのよ。もうプラケースでは飼ってられないサイズ、ホームセンターで売っている衣装ケースとかに突っ込んで飼うしかなくなってくるわけです。その分場所をとって邪魔で良くない。
とどめにデカくなってくると意外に気が荒い個体も出てくる、容赦なく噛み付こうとするので微妙に愛することが難しい。

そういう意味でも本当は覚悟して飼わないといけない生き物なのよね、ミシシッピアカミミガメは。
でも残念ながらそんな説明をする販売店はほぼ皆無なわけです。
で、飼いきれなくなった人が「自然に返してあげる」という勘違い(日本の自然はミシシッピアカミミガメのいた自然とは違います)で密放流する、そして成長が早くかなり丈夫なので日本在来の亀などを駆逐していく、というわけです。

自然は有限です、無限大に生き物を受け入れるキャパシティはありません。
外来生物を密放流しそれが繁殖しているということは、本来そこにいた生き物の生息域を奪っているということに他なりません。
現在「要注意外来生物」に指定され法的に飼育が制限される「特定外来生物」入りへの検討も依然としてなされているミシシッピアカミミガメですが、結局のところどちらに転がるにしても無責任に密放流する人がいなくならない限りは防ぎようがないというのが現実です。
そのことを理解し全ての飼育者は飼育生体が命を全うするまで「終生飼育する」ということに務めて欲しいと思います。

コメントを残す

%d