八戸三社大祭閉幕、突き付けられる課題、

「夜の山車」に人気 期間中の人出は92万人(デーリー東北8/5)
八戸三社大祭 感動の終宴(デーリー東北8/5)

8月4日、八戸三社大祭の後夜祭が行われ、2006年の八戸三社大祭が閉幕しました。
今年もまた多くの課題が残った三社大祭であったと思います。
リンク先記事で取り上げられている点について勝手に取り上げてみたいと思います。

夜間に行われる「前夜祭」「中日」「後夜祭」の人気が年々高まって、というのは仕方ない部分だと思います。

元々八戸三社大祭は山車の運行だけではなく、神社行列なども同時に行われます。
神事としての八戸三社大祭ではむしろ神社行列がメイン、だから本来は神社の引き車や武者騎馬、神楽舞(獅子舞)、虎舞などなどが魅せ場であり、各山車組はその神社に連なるモノであって同列にはなっても超えるべきものではない。

しかし観光としての八戸三社大祭では山車のみがアピールされている、そしてそれに適しているのが正に「前夜祭」「中日」「後夜祭」と言えます。
八戸三社大祭の中でも「前夜祭」「後夜祭」は山車を見せる場として存在しており、中日も山車のみの夜間運行が行われる。
だからそういう意味では、観光としての八戸三社大祭=山車という方向的には間違っていなかった、と言える部分がある。

仮にそれ以外の部分、より神事に近い部分を見せたいのであれば、それもまたアピールする必要が出てくる。
八戸三社大祭でアピールするポイントはまだまだある。
三社大祭の神社行列は古式の祭りを体感させてくれる素晴らしいものであるし、神楽舞の一斉歯打ちなどは日本の伝統を感じさせてくれる見事なパフォーマンスだと思う。
中でも虎舞は八戸三社大祭のもう1つの顔であるとも言える、軽妙なお囃子で虎と稚児が舞うその姿は八戸三社大祭の今も昔も変らない名物であるとも言える。

このように山車以外でも八戸三社大祭のアピールポイントはたくさんあるのだが、しかしながらそれらのアピールはこれからの課題なのだと思います。
今まではあくまで全国的にアピールするためのわかりやすい御輿としての山車の宣伝が必要であったのだから、それ以外の部分が割愛されるのは否めないということです。

山車に傾倒する限りはどうしても夜に傾倒することになる。
夜にのみ傾倒することを憂えるならば、今後昼の部分である山車以外をアピールすればいいだけのことである、と自覚する事が先ず大事ではないでしょうか。

山車の大型化の問題については、各山車組が切実に考えるべき問題に思います。

昨今の山車組のほとんどは大型山車を製作する傾向が強く、背面がせり上がり、両翼を大きく展開した時に初めて見栄えがするような山車が少なくありません。
しかし狭い道を通過する為に背面を下ろし両翼を収納すると、山車はムリヤリ詰め込んだオモチャ箱のようなわけのわからない状態になります。

たしかに今時の大型山車が登場した時は感動しました。
両翼が広がり従来の倍の広さにまで展開、せり上がりで高さも倍増、正面から見た時のボリュームはそれまでの2倍、3倍もの豪華な山車が登場したのですから。
ですが近頃はそれが当たり前になりすぎて軒並み大型山車ばかりになってしあい、さらなる豪華さを求め多くの人形などを配するあまりに展開時以外は見られた物ではない山車が増えていく傾向にあります。

大型山車自体を否定はしませんが、安易に大型化するだけでは存在意義が示せない、というのが八戸三社大祭の山車の現状に思うのです。


そんな中、今年の六日町の山車は素晴らしかった。
この山車の素晴らしさは以前書いた「八戸三社大祭前夜祭に行ってきました 気になった山車編」でも語りましたが、この山車の素晴らしい所は運行時でもテーマが明確にわかるということです。
もう船!、そしてすごい波!!、完璧です。
元々こういう波山車とかは大好きなおいらですが、昨今の大型山車の良さ(この山車の場合はせり上がり)と伝統的な山車の良さをここまで上手く融合させた山車はここ数年見た事なかった。
もう本当に素晴らしいの一言、褒め言葉すら思い浮かばぬほど見とれました。

昨今の流れ…山車の大型化を全否定はしませんが、
もう一度山車の構成を考えて見る必要があるのだと、各山車組は再認識する必要があるのではないでしょうか。

運営については多くは語りません。
不手際は反省し繰り返さないようにするだけ、不備は正すのみ、足らぬ部分は次回には補い、良かった部分は引継ぎ伸ばす。それだけです。

一気に訪れた八戸の夏、その夏も三社大祭と供に早くも終わろうとしています。
八戸の短い夏が終わる時、それは同時に来年の祭りに向けてのスタートを告げる時でもあるのです。
来年、さらに魅力的な山車が増え、山車以外にも多くの観光客が目を向けてくれることを切に願います。

▼参考リンク▼
八戸三社大祭前夜祭に行ってきました 気になった山車編(みどりうかブログ8/1)

2件のコメント

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    なるほど~。
    たしかに運行するときに電線などがある都合で、
    山車を折りたたんだまま運行するのはさみしいものがありますね。

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    ようこそです。
    ブログ拝見しました、たくさん山車の画像が載っていますな。

    実は昔は、今ほど三社大祭の山車って大きくなかったんすよね。
    なんか一休さんの山車が今年ありましたが、昔はあれぐらいの山車が多かった感じです。あと波山車ブームもありましたな。
    しかしだんだん大型化が進み、画期的な両開き背面せり上がりがそのうち主流になってしまったと、いう感じです。

    しかもその大型山車の為に、中心商店街の表通りは電線を埋設しちゃってます。
    まぁある意味これも大型化対策だったのですが、また違う大型化の弊害が問題になっていると…
    なかなか難しいものです。

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