古き記憶…あるいは変わらぬ認識
2006年4月27日
〈アクティブを聞く〉3 桝本晃章さん(asahi.comMYTOWN青森4/27)
asahi.com上で再処理工場アクディブ試験についての様々な人のインタビューを聞いているリンク先記事シリーズですが…
今回シリーズ3記事目にして初めて不快感を覚えるインタビュー記事でした。
核燃サイクルの背景には、かつて科学の夢であった部分と、石油ショックによるエネルギー枯渇への恐怖があった。
だからこそかつて日本は、プルトニウムを利用した国内エネルギーの自給を目指したのだ。
しかし実際には、その為の夢の原子炉=高速増殖炉は暗礁に乗り上げたままであり、また再処理についてもメリットよりもリスクの方が大きく上回ることがわかり、さらには乗り越えるべき多くの課題も山積みのままである。
にもかかわらず、その古き記憶にしがみつく人がいる。
かつての認識を省みることもなく、新しい認識を卑下し己の所行を「悲願」などと言うなどおこがましいにも程がある。
この桝本晃章氏が立場上うかつな発言ができないのは仕方ないとしても、これからのエネルギー政策の為にはかつての判断を繰り返すだけではなく、これからどうすべきかを今の科学の認識をふまえて考えた上での責任を持った答えを出すこと、ではなかろうか。
今まで賛成、反対、双方の意見に「盲信のあまりに他の意見を聞かぬ事への空しさ」のようなものを感じる事は多々ありましたが、今回の記事はあまりの認識の古さに呆れるばかりでした。