キャッチアンドリリースは必要なのか?

ブラックバス増加に危機感(asahi.comMYTOWN岩手3/5)

リンク先記事に興味深い記述がありました。
記事自体は岩手でもブラックバスなどが増加して困っているという話なのですが、岩手県水面水産技術センター開発部の研究員の方が以下の様なことを言っています(オレンジの文面、勝手に引用要約加筆修正)。

――なぜこんなに増えてしまったのですか
湖沼やため池でバスが生態系の頂点に立っているため。繁殖力が強く、釣り人がバスを釣っても放してしまう(キャッチアンドリリース)、これは原産地の北米で釣りすぎてバスがいなくなるのを防ぐための習慣だったようですが、それが日本にそのまま伝わっています。
人間が釣って食べればバスの増加が抑えられるはずですが、そうなっていないのです。


言っていることは当たり前のことですが、実はこの辺りがブラックバス問題において非常に重要なポイントであると思われます。

このキャッチアンドリリース、いわゆるスポーツフィッシングでは常識になっています。
要するに楽しむために釣る、魚との勝負が目的である食べる為の釣りではないという概念が本来あるわけです。

しかしそれは日本の水環境には合わない方法です。
現にブラックバスが繁殖した池や湖では、ブラックバスの捕食より小さい魚が極端に少ない状態になっています。
結果ブラックバスより大型の魚のみが残り、その水系の生態系が貧しいものになり下がっているのです。
それを考えると、やはり釣ったら食べるのがベターではないでしょうか。

このことは当たり前のことですが、未だに知らぬ(気付かぬ)人も少なくないわけでして、より多くの人に周知させることもまた環境保全に繋がるのではないかと思います。

9件のコメント

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    突然すいません。ですが・・・私はブラックバスつりを楽しむ内の一人ですが、確かにブラックバスの繁殖力って言うのは大変強いのですが、自然界には弱肉強食ということばがあります。先に述べた魚でも稚魚や天敵は居ます。それに小魚が姿を見せなくなったのは環境整備工事などで護岸され、産卵や孵化できる環境が整っておらず、水質汚染や環境変化のために水量調節され露出された浅瀬等に産卵してあった卵が壊滅など、人的被害の割合がダントツに多いと考えています。生意気いってすいません。

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    当方では、護岸工事などでの産卵床の減少、家庭排水等による水の富栄養化による影響によって在来種が減っている現状に、ブラックバスやブルーギル等の外来生物が追い討ちをかけていると考えています。
    そのことをまずご理解下さい。

    たしかに自然界には弱肉強食と言う言葉があります。
    ではブラックバスを含んだ日本の水系とは、自然な弱肉強食の範囲なのでしょうか?
    ブラックバスのいる北米での魚種は、長い年月をかけてブラックバス等の捕食にあっても繁殖できるように進化しています。それはブルーギルなどに代表される卵を守る習性などです。
    がしかし、日本の淡水魚種にはそのような習性をもっているものはほとんどありません。
    それはちょうど、前世紀のオセアニアにおける外来生物流入による固有種の絶滅に似ています。

    そのように考える時、日本にブラックバスのような積極的な魚食魚やブルーギルのような食卵を好む魚種は日本の在来種への影響は甚大であり、その影響を軽視することはもはや不可能であると思われます。
    この状態は弱肉強食ではなく、人災でしかありません。

    仮に百歩譲ってブラックバスやブルーギルによる捕食よりも環境悪化や産卵床の減少がほとんどの理由だったとしましょう。
    ではその状態で尚、ブラックバスをキャッチアンドリリースすることが自然なことでしょうか?
    自然が悲鳴をあげている、そこに外来種を移入する、在来種が駆逐しても弱肉強食と切り捨てる、その後どうするつもりなのでしょうか?
    ブラックバスの餌になる外来種を移入しますか?たしかにそれで一応の自然が構築はされるでしょう。
    しかしそれは日本の自然ではなく、日本にあるだけの外国の模倣でしかありません。
    もし日本本来の自然を守ろうと思う気持ちがあるならば、ブラックバスのキャッチアンドリリースをやめるだけでも効果はあると思いますがいかがでしょうか。

    あまりバス釣り愛好家には言いたくないことですが、
    現在のブラックバスの増殖は密放流者の存在が大きく関係しています。
    他水系に直接繋がっておらずバス流入の可能性がない池などでも見つかるケースは数知れず、その池ではブラックバスよりも大きな魚種しか残っておらず(=これは正常な繁殖ができていないことを意味します)、捕まえたブラックバスの腹の中には自分よりも小さいブラックバスばかりが見つかると言います。
    この状況がもし自然な弱肉強食だというのであれば、残念ですがもはや日本本来の水系は無くなるのではと思います。

    あとあれです、魚食魚というモノは本来、ものすごい数の弱肉強食の底辺の生き物によって支えられています。
    まぁアクアリストだからこそ言える事なんどもね、それこそ30cm魚食魚1匹に年間小魚数百匹って言うレベルの話で餌いるのよ。
    しかも小さな水槽に入れられ激しい運動していない状態でそれよ、自然下ではもっとカロリー要るわけです。
    だからこそ自然下では本来、その環境に適したサイズまでしかならないんすよ。
    でも現状では、いきなりでっかいバス投げ入れる人がおる、だから池とかではみんな食いつくされる。
    これはアクアリストの目から言えばとてもかわいそうな現象なわけです。
    ということも加味して一度考えてもらえるとうれしく思います。

  • キャッチアンドリリース禁止は対岸の火事か?

    キャッチアンドリリースについて、りうかさんの記事・コメントが非常に興味深いのでぜ…

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     私は釣り竿に触ったこともない人間ですが、キャッチアン
    ドリリースとかいう考え方自体に疑問を呈する人はいない
    のでしょうか。「魚との勝負」なんて言っても、魚は別に人
    間と勝負なんかしたくないでしょう。一方的に「勝負」されて
    大変な迷惑ではないんでしょうか。釣る以上は責任もって
    食べる必要があると思うのですが。まあ、楽しみという要
    素が入ってくるのはいいと思いますが。

  • SECRET: 0
    PASS: a172bfcc2100e1e90d1e151d4c0be1ae
    ブラックバス釣りの場合は主流がルアーフィッシングでして、竿でルアー(疑似餌)を上手く動かしバスをアタックさせる、その辺りがバスフィッシングの醍醐味だったと記憶しています。
    大別すれば引きを楽しむ部類の釣りになるのかな、ヘラブナとかもそうだった気がする。

    本場北米の自然下ではブラックバスは向かうところ敵なしの魚ではないので、その水産資源を守る為に、また純粋に引きのみを楽しむという意味でキャッチアンドリリースという概念が出来たとかそんな感じだっけか。
    まぁその考えに近いものは日本にもあって、小さい個体は釣っても放流するだとか、釣りができる時間が決められているとかだとか、水産資源を守る為の方策はあるわけです。

    ただ問題は、本来日本の生態系にはないブラックバスの流入によって在来種の生育が脅かされている(百歩譲って追い討ちをかけている)という部分よね。
    つまり北米の常識(自然保護の為のキャッチアンドリリース)が日本では非常識(自然破壊にもなりかねないキャッチアンドリリース)にもなるということ。
    その辺りを考えるとスコップもって釣りにいって、バス釣ったら穴掘って埋葬して欲しいとさえおらは思っています。

    しかも昨今のブラックバス等の密放流は、「身近で釣りたい」というエゴから始まっている部分があります。
    それを自分の管理する水系ではなく、自然や他人の池に勝手に密放流するのが間違い。
    その結果、小さい池などではブラックバスによって在来種が駆逐されてます。

    まぁ国が違えば当然その自然も違うわけでして、その辺りを考えずに他国の流儀をもってくる、というわけにはいかないのではないかと思ってます。

  • アクアリストの視点から考えるブラックバスのキャッチアンドリリース

    1週間ほど前に、私の本家サイトちっくな「みどりうかブログ」の方で、「キャッチアンドリリースは必要なのか?」という記事を書きました。まぁ本当はあの程度でなく、もっとアクアリストの視点からたくさん書きたい事があったのですが、みどりうかブログでの真面目な記事で

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    PASS: 8539d1611d575c18f864efee412f8e5f

     早速のご説明ありがとうございます。色々と知らないことばかりで勉強になります。う~む、まさかこんな分野でも「異文化」の猿まねが問題を引き起こすことになるとは予想もしませんでした。

     ブラックバスの生態系破壊については、いいことだとは思っていません。その点でりうかさんと同意見になるかと思います。

     ただ私はスポーツフィッシングというもの全体についておかしいと感じるのですね。表現が悪くてすみませんが、魚を苦しめて人間が楽しむのがスポーツフィッシングということになるように思うのですが。魚は釣り針で口内を傷つけられ、人間という強大な生き物との長時間にわたる格闘でへとへとになるわけですよね。これは虐待の範囲に入ってくるかと思うのですが。
     

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    PASS: a172bfcc2100e1e90d1e151d4c0be1ae
    スポーツフィッシングの功罪はおらは何とも言えない。
    申しわけないが、おらの感覚的にはカブトムシ同士をケンカさせるのとあんまり差がなく見える。バスやカブトムシにしてみればつい食いついたり、つい相手をのけようとするだけであって、その状況を作っているという意味では人間のエゴかな?とは思うだ。

    ただむしろアクアリスト的には、密放流が非常に問題に思えます。
    例えば半径5mとかの小さい池に30cmのバスを10匹とか放すとね、まずエサ不足になる気がする。
    数年の内にはバスしかいなくなるべね、そして共食い…よく農業用のため池とかにバスが放されるとかあるけれど、あれは大喰らいのバスにとっては地獄だべね。
    そういう無責任な密放流で犠牲になっているのはバスであり在来種でもあり、そこいらを考えずに密放流している人達は後先考えない人、そして本当の意味でバスのことが好きではない人なんでは? と思うわけです。

    まぁアクアリスト自体も問題あるけどね、密放流する輩がおるし。
    とりあえずバスフィッシャーもアクアリストも他の趣味でも、流行りで無責任にやりっぱなしにする人が一番厄介だと思います。

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    PASS: 8539d1611d575c18f864efee412f8e5f
     早速のご回答、ありがとうございます。

    >申しわけないが、おらの感覚的にはカブトムシ同士をケンカさせるのとあん
    >まり差がなく見える。

     なるほど。いや、かまいませんよ。感覚の違いが出てきますと、論理の手の
    届かないところですね。まあ、そういう奥深い、または、個人的な次元では違
    っていても、バスの密放流には問題があるという現実的な次元では同意見なわ
    けですから。

     釣りに限らずどんな快楽でも、目がくらむと、自律も責任も将来の展望も、
    わずらわしいだけになりますね。

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