ウチダザリガニ特定外来生物2次指定入りの影響

活ウチダザリガニの販売禁止 特定外来生物指定で(asahi.com社会2/6)

2月1日からの特定外来生物2次指定、その中の1つにウチダザリガニがあるのですが、その指定によってウチダザリガニを漁業として捕獲し販売している人たちには大きな影響が出ているようです。

ウチダザリガニを知らない人もおると思いますので軽く説明。

ウチダザリガニは北米原産のザリガニです。
同じ北米原産でもアメリカザリガニはどちらかと言うと暖かい方に生息し、逆にウチダザリガニは寒い方に生息しています。
だから寒さの厳しい北海道では一般的にアメリカザリガニは自然化に生息していないと言われ、逆に寒さに強いウチダザリガニが道東に棲みついてしまったわけです。


そんなウチダザリガニですが、そのでかさ(15cmぐらいにはなるそうな)でニホンザリガニを駆逐し、また身体に宿したザリガニ病(ザリガニ水カビ病)によってもニホンザリガニの棲息を脅かし、さらにニホンザリガニよりも繁殖速度が早い(ニホンザリガニは繁殖可能まで5年とかかかる上に成体で4~5cm程と小さい)為に、道東などではウチダザリガニが増えまくり、ニホンザリガニが絶滅するのではと言われているような状況です。
そこであまりにも環境への影響があるということで、特定外来生物2次指定にウチダザリガニも入った、というわけです。

とはいえ、ウチダザリガニを漁業対象としているの人にしてみればたしかに不満はあると思います。
今まで生業として、また環境保全の意味も込めてがんばってきてますからね、むしろウチダザリガニ対策などを考えれば彼等の方が先駆者でもあるわけです。

ただ現状、もうそれどころでない指定をしないとまずい状況になっている、と私は感じています。
というのものですね…おらもアクアリストの一員として恥かしい限りなのですが…
無責任に飼育し無責任に放流する自称アクアリスト(一般に言うエセアクアリスト)があまりに多すぎるからです。
ですから申しわけないのですが、ある程度の指定はやむなし、と認識してもらえるとあり難い。

あとこの件に関しては、どうしてもアメリカザリガニの話も上がるので少しばかり。

生息域という意味では、アメリカザリガニはニホンザリガニと競合する事はないと思われます。
というのも、アメリカザリガニは清流でないむしろ浮泥などがあるような環境にたくましく適応するのに対し、ニホンザリガニは清流などにしか棲めないからです(ウチダはけっこうニホンザリガニと同じ環境を好みます)。

そう考える時、現在の本州におけるニホンザリガニが激減しアメリカザリガニが増殖しまくった背景には、日本の水系の汚濁が大きく影響しているわけです。
まぁ実際にはエビとかの生息域をおいやっている可能性は非常に高いわけですが、あまりに一般的に販売されすぎていることや、ある意味すでに日本の生態系に組み込まれすぎている面もあるという意味合いでのとりあえず保留という扱いです。

関係者は納得いかないかも知れませんが、そういう事情もまたあるということだけ知っておいてもらえれば幸いです。

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