六ヶ所再処理工場の放射性物質量が公表される
日本原燃が六ケ所再処理工場操業により放出される放射性物質の種類ごとの年間推定量を県原子力施設環境放射線等監視評価会議に提出したそうな。
数値などはリンク先記事を見ていただくとして、そこに出てくる単位「ベクトル」からまず説明。
ベクトルは放射能の強さを表わす単位の1つ、かつて使われていたキュリーに代わって今使われています。
1キュリー=3.7×10×10×10×10×10×10×10×10×10×10ベクトル=370億ベクトル
リンク先記事中にある「クリプトン85が気体廃棄物として三十三京ベクレル」は「クリプトン85が気体廃棄物として約892万キュリー」ってことかな。
今回の発表自体は良い事だと思います。
まず知ることが大事であり、その為の情報開示は日本原燃側の協力なくしては難しい部分もありますから。
人間は時として、一部のことに異常にこだわることがあります。
今回の発表も数値の大きさや「取り除けない」という言葉に過剰反応する人もおるかも知れません。
当方のブログのコメントに「再処理工場は放射性廃液を全量廃棄する」という内容を書いた人もおりますが、それは一部の事実を曲解し全てがそうだと思いこんでいるのだと思います。それでは誤解を生むだけです。
そういう方を増やさぬように、この発表の意味を考えていきたいと思います。
今回の発表で先ず言える事、リンク先記事でも言っているように大量の放射性物質が環境に放出されるということです。
でもこれは放射能の量についてのことです。
極端な話、排出口のすぐ横に家を建てて生活すれば影響を受ける事は必死な量ではあります。
ただ原燃側は「廃棄物は大気や海洋で希釈されるため、周辺住民が受ける影響は年間〇・〇二二ミリシーベルトで自然放射線による線量(年間二・四ミリシーベルト)の百分の一にすぎない」と説明しています。
このこともまた事実であります。
つまり排出口では高濃度の放射能が存在していますが、原燃側が言うように
拡散・希釈がうまくいくならばそれは自然放射線量と大差ない範囲となることは理論上間違いありません。
参考までに言うならば、地球上には元々放射線量の多い地域も存在しており、そこよりも低い範囲に抑える事ができている、ということもまた事実であるのです。
個人的にこの問題で一番厄介なのは、放射性物質の問題をBSEや化学物質とまったくの同質に考えている人がおることに思います。
たしかに人に影響を与え得る、という意味では同じと言えなくもありませんが、その安全についての考え方はまったく異質なものです。
しかし実際には事情がかなり異なります。
BSEの場合、異常プリオンが少量でも体内に摂取されれば変異型ヤコブ病になることはほぼ確実視されています。
そして治療法もなく、発病すれば数年で自力での生活が困難になり、そして死に至ります。
そのことを考えて日本政府ではアメリカ産牛肉に「特定危険部位の除去」を求めているわけです。
しかし実際には特定危険部位は異常プリオンが特に溜まり易い部分であって、特定危険部位以外にも極少量ではありますが異常プリオンは溜まるのです。
つまりBSEの場合は、とにかく感染した肉(牛)を排除していくことしか解決法が現時点ではないのです。
これが農薬や化学物質となるとまた事情が異なります。
これらの場合は、体内の許容範囲を超えるかどうか、が重要なポイントになります。
これは花粉症に近いものがあり、その個人の体内での化学物質などへの許容範囲を超えると、その化学物質などがそばにあるだけでも過敏に反応し重篤な症状が引き起こされるのです。
またそれらとは別に、農薬や化学物質自体の毒性や発がん性などでの害もあります。
それらを防ぐ為に法律等で農薬等の基準量が定められていたり、モノによっては使用を禁止している場合もあるのです。
もちろんそれは一般的な基準であり、それ以下であっても身体に影響の出る人はおります。
そういう意味では農薬や化学物質はそのリスクによって使用禁止や基準値を決め規制するものであり、また人によってはそれ以下でも十分に影響を与えるものであるのだから周囲の理解が必要なことでもあるのです。
では再処理工場による放射能汚染、という問題はどうでしょうか?
事故もなく、また観測を適正にやり続けるのであれば、周囲の人間への影響は軽微である、と私は考えます。
放射性物質は自然界にも存在します。大地はもちろん、海水にも微量ながらウランなどが溶け込んでいます。
つまり人はわずかながらも常に放射線を受けているのです。
さらに人間界には、より多くの放射線を浴びる場が幾つも存在します。
医療現場のレントゲンはもちろん、一部の工場では素材を作り出すために放射線を浴びせる加工をしていますし、ジェット機などは地上よりも宇宙からの放射線をより浴びる環境です。
それらの現場ではその度合いを測定し、その状況によっては職場を変えるなどの対策を施しているはずです。
平たく言うならば、放射線はその量と浴びる期間によってかなり左右されるものなのです。
そして急激に大量に放射線を浴びない限りはある程度の対策もできている、ということもまた事実です。
このように考える時、他の問題と似ていても同列には扱えない部分があることがおわかりになると思います。
しかしながら一部の人は感情的になるあまりに、その本旨をはずれていることにも気付かずにおることを私は残念に思います。
本音を言いますと、私も再処理工場には反対です。
しかしながらその気持ちが先走りすぎて、事実を曲解する事は違うと思うのです。
客観的に判断する限りでは、事故さえ起こさず観測等を正しく行う分には六ヵ所際処理工場による放射能汚染の危険性は極めて軽微であり、それは自然界の値と近似値である、と言えるでしょう。
今回のリンク先記事から読み取れる事はそのことのみです。
それ以外の問題点はまた別箇に取り上げることであり、それらを理解して適切に理解する事、まずはそこが始まりであると私は思うのです。
ブログもいろいろ
こんばんは。昨日のこの欄で、トラックバックピープルという言葉を使いましたが、これは、りうか氏に教わったものです。りうか氏は、以前、私の、え~と、なんだったか忘れた。「放射性物質垂れ流しに反対しよう」 のコメントにあるとおり、私がやったマルチポストを指摘し