知床世界遺産決定
世界自然遺産に「知床」決定 国内3番目の登録(asahi.com社会7/14)
知床「世界遺産」/長期的展望で適正な保全を(世界日報社説7/16)
知床と千島列島、一体の遺産に IUCN提唱「生態系共通」(北海道新聞7/15)
知床の世界遺産 自然と共生のモデルに(中国新聞社説7/16)
知床 (3) 漁業被害もたらすトド(YOMIURI ON LINE知床特派員2004/1/5)
知床 (6) カムイチェプの川(YOMIURI ON LINE知床特派員2004/1/8)
山のトイレを考える会
知床世界遺産(田中千代 Official Blog ~LOHAS LIFE~7/16)
知れとこの世界遺産入り決定は気になってはいたのですが、ちょっと社説などを読みながら様子見していたら田中千代さんのブログでも載ったので慌てて記事を書こうと思ったのはナイショです(=ω=A;
しかしながら睡魔に勝てずに途中で書く事を放棄したのが昨日のこと、そして今千代さんのブログを見ると…コメント表示が消えてるΣ(TロT!?
おらのせいか…(;=q?
軽くかなりけっこうショックで閉鎖も考え始めてはいるのですが、でも言うこと言わんとどうにもならんと思い再び書き始めてみます。
TVでも報道されているので、知床が世界遺産に登録決定されたことはみなの知る所でしょう。
しかしながら世界遺産としての知床の課題は山積みだと思います。
まず今回、委員会は以下のことを求めてきたらしい。
1.海域管理計画の策定を急ぐ
2.サケ科魚類へのダムによる影響、その対策を示したサケ科魚類管理計画の策定
3.登録後2年以内に海洋資源の保全効果を評価する調査団を招く
このことが地元住民…特に漁業関係者に与える影響は少なくはないことでしょう。
まぁ平たく言うと、トド駆除するなとか魚道作れとかそういった話です。
このことについては地元漁民の生活のこともあり、希少動物の保護という側面もあり、また砂防ダムなどによる河川、森林破壊、さらにはその生態系の希薄化という問題までからみ問題山積、といったところでしょう。
これらのことは現在進行系のことであり、対策は急務であると言えます。
そのことを考えると、今回の世界遺産入りはこれからに繋げるという意味を含んでの決定ではないか、と思える部分もあります。
とはいえ、このことは他のHPなどでも数多く取り上げられていると思いますので、今回私は観光による自然破壊、に注目してみたいと思います。
今でさえ多くの人が観光に訪れる知床の自然、世界遺産入りが決定した今後はさらに訪れる人が増えることは想像に難くありません。
観光が盛んになれば地元も潤い、それをうまく活用できれば自然保護の為の資金も調達できることでしょう。
しかしながら、人が入ること自体が自然破壊になる可能性があることを忘れてはいけません。
一番の問題はトイレです。
人が入るということは、当然ながらそこでトイレをする人もいるということ、観光客が増えればなおさらです。
でも自然の中でのトイレをするということは、意外に影響が大きいものなのです。
すでに世界遺産になっている屋久島の例を見てみましょう。
屋久島パイン
↑こちらのサイトのメールマガジン、130号に以下のような記述があります。
>屋久島は遅れている、利尻山は携帯トイレ持参で山に登ることになってるよ(要約)
この言葉がトイレ問題において大事なことだと思います。
観光客が増えれば当然トイレの施設等の問題が出てきます。
山中では下水道を引く事も難しく、汲み取りかバイオマス方式のトイレの設置になることが多いようですが、実際にはその設置も運用も難しいものがあると思います。トイレを設置することは環境の破壊にも繋がること、もちろんそれは自然に直接垂れ流すよりははるかにましなのですが、それはあくまでトイレが正しい利用をされていればこそです。
そのことを考える時、小用ぐらいは携帯トイレで済ませるようにした方がよいのではないかと思えるのです。女の子には抵抗があるにしても、男ならさして問題もなく行えるでしょう、それだけでずいぶん違ってくるはずです。
他にも多くの問題があります。
多くの人が入ることで、山道周辺から自然が破壊される可能性があります。
軽い気持ちで捨てたゴミによっても自然は破壊されます。
観光客が増えることで、今年4月に起こった「縄文杉が刃物で傷つけられた」ような事例を起す輩も出てくることでしょう。
これらのことを考えた時、世界遺産決定は人にとっては有益が部分が多くとも、自然自体には大きなリスクをともなうことではないか、と思えるのです。
では私達にできることはないのでしょうか?
実際問題として、私たち一人一人にできることはそれほど多くはありません。
私達にできること、それは自然にゴミを捨てないことや入山前にトイレを済ます、といったことです。
しかしながら人の心は弱いもので、誰かがゴミを捨てているのを見れば「他の人が捨ててるから私も」と思い、誰もいなければ「私ぐらい捨ててもいいよと」と思ってしまうもの。
その気持ちを抑えること、それが私達にできる最初のことではないでしょうか。
このことはとても小さいことです、でもその小さいことの積み重ねが自然を守っていくことに繋がります。
最後に1つ、
私は登山家の人を尊敬しています。
環境破壊は私たちアクアリストにも大きな責任があります。移入種の密放流は一部のアクアリストの愚行により発生しています。
でも私達を含むアクアリウムでは、まだ初心者にそれらについての啓蒙活動ができずにいます。ショップもユーザーもです。
でも登山家の多くは様々な活動をし、山を守ろうとしています。
それらは私たちアクアリストのみならず、多くの人が見習うべきことではないでしょうか。