ヒマワリによる放射能除去、おそらく考え方の根本に相違があるのだと思います。
除染は表土の削り取り ヒマワリなど植物の効果小さく(農業協同組合新聞9/15)
農地除染で最も効果的なのは表土を削る方法 ヒマワリはほぼ効果なし 農水省実験結果(FNNニュース9/15)
ひまわりは土壌除染に実は効果なし(YUCASEE MEDIA 9/15)
農水省が行っていた土壌の放射能の除染実験の結果が出たそうな。
「表土の削り取り」「水による土壌撹拌と除去」「ヒマワリなど高吸収植物による除染」「表土と深い層を入れ換える反転耕による放射性物質の埋め込み」の4種類の内、最も効果が高かったのは「表土の削りとり」だったそうな。
セシウム濃度が1万~2.5万bq/kg以上の高濃度のほ場では5cm以上の厚さで表土を削り取ることが有効、75~82%低減させることが出来たそうな。
ただし土壌が飛散しないように土を固める固化剤などの使用も必要。また除去した土の保管場所などの課題も残る。
5000~1万bq/kgのほ場では反転耕によって深く埋め込むことも有効とのこと、これは放射性セシウムが土壌表面から2.5cmの深さまでに95%が存在し、それを45cm反転耕することでで25~40cmの土中に移動するとのこと。またこの場合には削り取りのような表土の保管場所と必要としないというメリットがあると同時に、水田などではそこまで深くはできないことや、地下水汚染リスクの評価法の確立も必要だそうです。
濃度が低レベルだと水による撹拌(代かき)後に濁水から土壌を分離させ廃棄するのも有効だそうな。
しかしヒマワリによる除去は約2000分の1程度しか吸収されないという結果に終わり、実用的ではないと判断されたらしい。
この他にもセシウムと粘土の吸着力は極めて強く分離することがかなり難しいらしく、放射性廃棄物の省スペース化は困難なようです。
ヒマワリの結果、恐れていたことが起こりましたな。
だってあれだよ、土中のカリウムよりも放射性セシウムが多いならばそりゃ猛烈に吸収するかも知れないけれども、あるいは土中に全くカリウムがなければ放射性セシウムをドンドン取り込むのかも知れないけれども、そこまでもうどうしようもないほど(ここでいうどうしようもないとは健康に被害があるとかのレベルどころじゃないぐらい、それこそチェルノブイリ原発のすぐ近くのような状態)の放射能汚染でもなければ、実験室のような貧カリウム土壌とも限らないわけだし(田畑なら尚更ね)。
だから正確には今回の状況には植物による放射能除去はそぐわないという話が正しいのかなと思いつつ、これでまた変に勘違いした人が「植物は放射性物質を全く吸収しない」とか、さらにはそこから発展して「野菜には放射い物質が吸収されないので全ての野菜は安全」とか言い出さないかとそこが心配。
あぁでもそれならさ、事故現場をヒマワリで包囲することもある意味可能なのかも知れないのか。
一方、物理的な除去はやはり有効なようですね。分かりきったことですが、汚染された部位を削除すればそりゃ有効なわけでね。
ただやはりこれも保管場所がね、っていう最初から分かりきったことが課題のようですな。
気になったのは水と土を混ぜて攪拌する方法が有効だが、セシウムと粘土の吸着力が強すぎて分離できないってやつです。
これって水槽で言う所の吸着ろ過と同じなんだと思います。効果には差はあるだろうが、炭などの吸着ろ材などでも同様の効果自体はあると思う。んでそこから有機物だけを分離するのもまた難しいのよね。
でもそれが土中にあるからこそ現地で活用できるわけで、そうなるとやはり保管場所がねぇ…まぁ水はまだどうにかなるとしてもねぇ…
どんな方法であってもメリットやデメリットが存在する。
それらをどのように組み合わせて除染に活かすのか、今後を見守りたいと思います。