ケータイ割賦払いにおける2つの方法論
現在ケータイ業界には現在2つの割賦販売が存在します。
ケータイキャリア初の割賦販売方式であるソフトバンクモバイルの『新スーパーボーナス』と、ウィルコムの割賦販売方式『W-VALUE SELECT』です。
ケータイ端末の割賦販売と言うと「ケータイをクレジットで購入するのと変わらないでしょ?」という認識の人も少なくはありません。事実家電量販店などではドコモやauの端末でもクレジットカードでの分割払いなどが可能な場合も多く見られます。
しかしケータイキャリアが直接割賦販売する場合には、端末の通常購入(クレジットによる購入含む)に比べてより多くの割引を受けられたりするという特典が受けられ、クレジットによる分割払いとはまた違ったメリットがあるわけです。
では新スーパーボーナスとW-VALUE SELECTは似たような存在なのでしょうか?
実はそれぞれの割賦販売方式をよくよく見ていくと、一見似ているようでもその実態は大きく異なっているのです。
『新スーパーボーナス』と『W-VALUE SELECT』ではいったい何が違うのでしょうか?
2つの割賦販売には共通する部分も少なくありません。
どちらもいわゆる分離プランではなく、インセンティブ方式をベースに考え出された割賦販売方式として存在しています。
割賦販売価格はどちらもほぼ原価相当の金額設定となっており、支払いについては分割払いか一括払いかを選択でき、契約後の24~26ヶ月間は回線契約を継続していれば割賦販売に関する割引を受けられ、分割払いが終了していない時点での解約時には残金の支払いが必要となります。
この基本的な部分を見る分には、新スーパーボーナスとW-VALUE SELECTはほぼ同じモノと言えます。
しかし2つの割賦販売の相違点を見ていくと、その考えは一変します。
新スーパーボーナスの割賦販売割引である『スーパーボーナス特別割引』は、実際には提示されている金額が割り引かれるとは限りません。
特別割引の金額は、実際には『特別割引最大金額』とでも言うべきものだからです。
例えば月の賦払金が3280円、特別割引は2200円の端末を買った場合には、端末代金の月の支払いは1080円(3280円-2200円)で済むように思ってしまいます。
しかし実際には月のケータイ代金(基本料や通話・通信料等の合計)額が特別割引適用額の上限となっておる為に、月のケータイ代が2200円以下の場合には端末代は1080円以上支払わねばならなくなります。
例えば上記の端末でホワイトプランの基本料月980円のみで使用する場合には特別割引は980円しか適用されず、その差額である2300円が賦払金(月の端末代金)となり、月のケータイ代と賦払金の合計は3280円となるわけです。
このように新スーパーボーナスを利用した場合の月の最低支払額(賦払金+ケータイ代)は、実質的には割賦販売価格と同額に引き上げられてしまい、言い方を変えるならば、最大割引適用額を大きく提示しているが、実際にはユーザーの利用状況に応じて割引額が変動する割賦販売方式が新スーパーボーナスであると言えます。
それに対してウィルコムのW-VALUE SELECTは、10月10日のW-VALUE割引改定によりかなりスマートになりました。
W-VALUE割引で提示される額が実際に割り引かれるのです。
ソフトバンクモバイルでは実際に提示してある割引額を適用する為にはある程度高いケータイ代を支払わなくてはなりませんが、ウィルコムのW-VALUE SELECTではそのようなカラクリは無しで回線契約を継続さえしていれば実質0円端末は本当に端末代0円で利用できるのです。
ではその割賦販売金額と割引金額の関係をさらに注視してみたらどうでしょうか。
ケータイの販売価格は古くなれば安くなるものですし、また生産中止となって在庫処分となればさらに格安で販売されたりもします。通常の販売方式での1円端末などがそれです。
それについてを考察していくと、ソフトバンクモバイルとウィルコムではまったく逆のプロセスを踏んでいるのが見て取れます。
新スーパーボーナスでは、割賦販売価格自体の改定によって価格調整を行います。
これは通常のインセンティブ方式と同様に、古くなったり人気のない端末の価格を下げて処分していくという方法論です。通常販売の1円端末と同じ方法論です。
もちろん特別割引の改定も行われているわけですが、それは古い端末の価格調整のためというよりは全体の価格の微調整程度の改定でしかなく、実質的に割賦販売価格の改定で価格調整をしていると言えます。
また「スパボ一括9800円」なるものも存在してします。
一部店舗でのゲリラ展開とのことですが、一括払い金を9800円と非常に低くした新スーパーボーナスであり、事実上月のケータイ代をタダ同然としています。
これなどは正に販売価格自体の改定の極みとも言える存在であり、今後も新スーパーボーナスでは端末価格の調整という形で端末価格の調整をしていくと思われます。
一方のW-VALUE SELECTでは、まったくの逆のアプローチが行われています。
割賦販売価格はそのままに、W-VALUE割引を引き上げる形での価格調整が行われているのです。
例えばW-ZERO3シリーズの割賦販売価格を見ていくと、最新機種のアドエスは月2130円(計51120円)となっておりますが、それより以前に発売されたWS004SHでは月2350円(計56400円)と昔の端末の方が価格が高く設定されています。
しかしW-VALUE割引額はアドエスが1150円なのに対しWS004SHでは2100円となっている為、結果的に最新機種のアドエスは実質賦払金980円(計23520円)となるの対し、WS004SHでは実質賦払金250円(計6000円)と古い端末の方が安くなるという調整が行われています。
つまりW-VALUE SELECTでは割賦販売価格はそのままで割引額を拡大することで価格調整を行っており、見方を変えるならばウィルコムでは安易な処分ではなく最後まで使い倒してもらうことを前提としているようにも受け取れます。
では見方を変えて、割賦販売に伴うオプションについてはどうでしょうか。
ソフトバンクモバイルの新スーパーボーナスでは、割賦販売と特別割引という部分のみ提示されています。
とても普通です。というよりも、本来割賦販売においてはこの部分だけで十分サービス的には成り立ちます。
しかしウィルコムのW-VALUE SELECTではW-VALUEサポートという保証も付けました。割賦販売に割引をつけた上に、さらに従来よりも手厚い端末の保証も付けたわけです。
ある意味ではこれは、事実上2年間使いつづけるという前提があるために実現できたユーザーへの利益還元とも言えます。
割賦販売としては新スーパーボーナスは間違ってはいないものの、W-VALUEサポートの登場によってソフトバンクモバイルのサポートをオプションで後付けする方法は見劣りする部分があるでしょう。
以上のように見ていくと、割賦販売での基本的な部分は「新スーパーボーナス」も「W-VALUE SELECT」も変わらないはずなのですが、その割引方法や価格設定へのアプローチなどを見ていくとまったく別の方法論が存在するように思われます。
言い方を変えるならば、見た目上の安さをアピールはしているものの実際には宣伝額以上の支払いが必要になる可能性を含んだ割賦販売がソフトバンクモバイルの「新スーパーボーナス」であり、宣伝している金額で支払いが本当に収まるというある意味当たり前の事を真摯に行っている割賦販売がウィルコムの「W-VALUE SELECT」と言えるのかも知れません。
ケータイ業界では昔から、販売時の価格や条件等の表現方法などが問題視されていました。
しかしユーザーもいつまでも誤魔化されているわけではありません、少しずつですがそのカラクリに気付いてきているのです。
そのようなことも踏まえてこれからのケータイキャリアに必要なのは、ユーザーへの騙しのないプラン提示ではないかと私はそう考えるのですが、みなさんはどのようにお感じですか?
W-VALUE SELECTの実質0円は某キャリアのアレと違って本当です
ケータイ割賦払いにおける2つの方法論(みどウィル移10/27)移転の方に新しい記事を書いてみた。というのもあれだ、値札に大きく「0円」──なんだか変わったウィルコムコーナー(I…
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ソフトバンクは端末の発表のサイクルがウィルコムよりも短いから、ユーザー間の格差も大きく感じますね~。
というのは、私の上司がソフトバンクユーザーで、少し前に新スパボで機種変更して今も実質負担金を毎月払っていますが、その端末も半年後には実質負担金が0円になっています。
ただでさえ特別割引額を最大にするためにパケットし放題で月々の料金が高くなっている上に、実質負担金も発生している。結果的に月々の支払い額が以前よりも大きくなっています。さらには、機種変時にホワイトプランに変更してしまったために、通話料も高くなってしまっていると・・・。
ホワイトプランは、特定の通話相手(家族・恋人・友達など)にのみ使用する場合でしか効果が出ないプランでしょうから、結果的に以前より料金が高くなってしまっているようですね。(上司の友人はソフトバンク以外のユーザーが多いらしいので。)
こんな事象が全国で起こっていることを想像すると、毎月20万件程度の純増が、「毎月20万の詐欺被害者が発生」に思えて仕方ないです・・・。
表向きの安さにだまされて、実は以前より高い料金を搾取されてしまうことを危惧してしまいます。
そういったカラクリを理解した上で、新スパボ一括で何回線も購入している人だけが得をしているように思えて仕方ありません。
ソフトバンクのホワイトプランは、セカンド機として家族割で2回線契約して誰かに使わせ、ホワイトプラン代金のみ支払う(新スパボ一括購入ならば、月々7円のみですしね~。)、又は通話・メールはほとんどせずにパケット通信のみ使い放題にしたい、というような特定の目的以外では、確実に割高になるプランなのでしょうね~。
ダブルホワイトだって、固定費を高くするような施策としか思えないし・・・。