PHSがダサイ?というお話3(最終回)

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

前回前々回と、世間一般(特に携帯ユーザー)がもっているPHSについてのネガティブイメージ、俗に言う「PHSがダサイ」ということについてのお話をしてきました。
今回、「PHSがダサイ」シリーズの最終回として、どうしても携帯ユーザーが持ちがちなことについてお話したいと思います。

「PHSがダサイ」と言う人は、必ずと言っていい程に次の考えがあります。
携帯>PHS
つまり携帯はPHSよりも優れている、という考えです。
でも本当に携帯はPHSよりも優れているのでしょうか?

「携帯はPHSよりも優れているから、契約数が携帯の方が圧倒的に多いんだ」と言う人がいます。
たしかに契約者数を見れば、携帯全体は約8912万契約なのにPHS全体では約448万契約とPHSは携帯の20分の1の規模しかありません。
これだけを見てしまえば「携帯>PHS」ということも理解できます。
がしかし、これを純増数で考えればその構図も変わってきます。
昨今の純増数で言えば1位はau16万増、2位が4万ほど差をつけられドコモ、3位がドコモに追いつく勢いのウィルコム7万増という現実があり、次いで良くて横ばい下手すりゃ純減のボーダフォンとツーカーと続きます(ドコモPHSとアステルは撤退の為対象外)。
つまり純増数で考えるならば、auとドコモ、そして実質的な現存PHS唯一のキャリアであるウィルコムが、ボーダフォンとツーカーよりも優れている、と言えるのです。

これに「契約者数と純増数は別物」と異を唱える人もおることでしょう。
しかしながら純増数はその時のキャリアの勢いを表わすある種の指標ともなり、キャリアの現状を最もよく伝える判断材料でもあります。
これに対し契約者数は、現在の状況というよりは過去の遺産の部分が大きくあります。
当然それは過去の時点でユーザーに選ばれたということなのですが、現在もユーザーに選ばれているかとは異なります。
またケータイは番号変更への抵抗があることによって、比較的キャリア変更し辛い環境が少なからずあります。
そのようなことを考える時、契約者数は過去を知る材料には成り得ても、現在の状況を知る材料とは成り得ず、そういう意味では純増数が判断材料としてふさわしいと言えると思います。

またこのことを考える時にはPHS10年の歴史を無視しては語れない部分があります。
1995年7月、NTTパーソナルとDDIポケットがPHSサービスを開始、同年10月にはアステルがPHSサービスを開始しました。
当時携帯電話は新規加入料(現在の契約手数料とは別モノ、当時新規加入時に数万円支払っていた)が必要であり、また通話料が非常に高かったこともあり、高い新規加入料も要らず通話料も安いPHSは当時人気を得ていました。
その後もショートメールなどを携帯に先駆け開始するなどサービス重視の経営をした結果、97年にはPHS全体で700万契約を超えるとことまで至りました。

ところがここで予想だにしない事態が発生しました。
1998年、NTTパーソナルがNTTドコモに譲渡されたのです。
これによって多くの人が「携帯>PHS」というイメージを受けるに至りました。
そしてドコモのPHS戦略(携帯優先、FOMAエリア完備までのつなぎにPHS)が始まり、また「携帯>PHS」のイメージも相まって、PHSの契約者数がどんどん減る現象が始まったのです。
その後アステル各社が事業譲渡や撤退を繰り返し、DDIポケット(現ウィルコム)が唯一PHSの技術開発に尽力し、その結果ユーザーをほとんど減らさずにPHS苦難の時代を乗り越え、現在の純増に至っているのです。

つまり一般のもっている「携帯>PHS」のイメージは、「携帯>ドコモPHS」もしくは「携帯>アステル」ということであり、ウィルコムには当てはまらないということなのだと思います。
その証拠に現在ウィルコムだけがPHS事業者として生き残っているのです。

このように「携帯>PHS」というイメージは、現在のウィルコムPHSに対しては当てはまらないものです。
P「PHSはダサイ」と未だに言い続けている人もおるようですが、それは「ボーダフォンの契約者数が伸び悩んでいるから携帯の時代は終わったと言っていることと大差ありません。
携帯キャリアは良くも悪しくも宣伝がうまいので誤魔化されがちですが、ちゃんと見極める目をもって偏見なく、一度全てのキャリアを見てはいかがでしょうか…?
あなたのケータイ料金、他のキャリアにするだけで半分になるかも知れませんよ。

まぁもしお金を節約することが「ダサイ」と思うなら仕方ないのですが、
もしあなたが現実も見ないで店員のセールストークを鵜呑みにして「PHSがダサイ」と言っているのであれば、周りがあなたをどう思うのでしょうか…とりあえず私はそういう人は「自分で判断することが出来ない人なんだ」と思うことでしょう。

▼関連リンク▼
PHSがダサイ?というお話2
PHSがダサイ?というお話
▼参考リンク▼
ドコモの契約者数、5000万突破目前──9月契約者数(ITmediaビジネスモバイル)