別にウィルコムは必死だから安いわけではないのですよ。

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

おら昨日ちえこむで「みなさんケータイの料金は毎月いくらぐらいになりますか?」という質問に懲りず煮長々と答えたのですが…
それに対する質問者からのコメントに驚いた、

>ウィルコムって必死さを感じるぐらい安いですよね・・・

まだ変な誤解している人がおるのね…orz

あっちにまたコメントしようとも考えましたがそれも何か違う気がするし、せっかく何故かちえこむにトラックバック機能が付いているのでここで答えてみようと思った。
見てくれると信じて。

「ウィルコムって必死さを感じるぐらい安いですよね・・・」とのコメントがありましたが、別にウィルコムは必死になっているから安いとかじゃないんすよ。
ウィルコムは自社努力で、がんばって料金を下げても儲かるようにがんばっているわけです。
むしろ携帯キャリアが安いイメージを植え付けつつ、無駄に高い料金を徴収している現実、それこそ”必死”ではないかと思うのです。

ケータイで音声通話する場合、いろんな料金が掛かります。。
それは大きく分けて、自社の施設に掛かる料金と、他社の施設に掛かる料金の2つです。

自社の施設に掛かる料金とは、アンテナやコンピュータやメールサバなど自社ケータイの通信を支える自社施設にかかる経費、要するに電気代とか部品代とかそういうヤツです。
これは自社努力次第では定額にもなるはずです。それらの費用を徴収する、という意味でね。
ただ他社の施設に掛かる料金はそうはいかない、他社ケータイに掛けた時の電話代(要するに他者の施設の利用費)やNTT(ドコモでなく東日本とかのNTT)へのアクセスチャージなどは他社が決めることですからね。
つまりケータイで電話を掛けた時の通話料は、自分のキャリアだけでなく実際には他のキャリアやNTTにも支払っているわけで、そこには(理屈上)定額になる範囲と出来ない範囲があるのです。

とすると、当然ある疑問が浮かんできます。
自分のケータイから同じキャリアへのケータイに電話を掛けたら、当然定額になるのでは? という疑問です。
これはある意味正解であり、ある意味間違いでもあります。

ふと考えてみてください、自分のケータイキャリアと同じケータイに掛けた時、たいてい安くなったり割引適用になったりしますよね?
これは簡単に言えば、他社ケータイキャリアに支払う必要がないからです。まぁ実際には「自キャリア優遇というエサの為に値引きしてもかまわない」という考え方もあるのでしょうけどね。
つまり、既に自キャリア内での優遇措置という意味の値引きはすでに実現しているのです。
でも定額にはならない、これは何故か?
それはNTTのアクセスチャージが定額にならないからです。

ケータイはケータイ回線のみで繋がっているわけではありません。
実際にはNTT回線なども利用して、音声通話を実現しているのです。
その途中でNTT回線の利用に対して「アクセスチャージ」という料金が発生します。
この料金が定額制でない為に、ケータイは自キャリア内でも定額にならないのです。
唯一ウィルコムを除いては。

ウィルコムは不遇の時代を自社努力で切り抜けてきました。
その結果築き上げた技術の1つが「ITX」と呼ばれるものです。
ITXを利用することで、ウィルコムはNTTのアクセスチャージをなしに通話できる環境を手に入れることに成功しました。
つまり、ウィルコム同士で通話している限りには、他社への利用料などを支払う必要がなくなったのです。

しかもそれだけではなく、「調査の結果2900円にしても採算が取れる」との理由で、ウィルコムは月2900円(税込)での音声定額を実現しました。
つまり、ウィルコム定額プラン(税込月2900円)で音声定額を実現して、なおかつウィルコムも赤字にならない、言いかえるならば必死に音声定額したのではなく、十分に利益を得られる余裕の上で実現させたウィルコム定額プラン、と言えるのです。

また付け加えるならば、当時月5000円ぐらいなら音声定額は安いという声が大多数を占めていたわけです。
それでもあえてユーザーを考えたが上での2900円という価格を提示したウィルコム、それは必死ではなく英断だったと言っても良いはずです!

まぁ他にも「マイクロセルだから」「基地局が安いから」などの理由もあるんすけどね、とりあえず「必死だから定額ってわけではない」ということだけはハッキリ宣言したかったんですな、これが(=ω=。

ということで、
未だにウィルコムへの理解度が低いこと、また誤ったイメージや印象が根強いこと、とにかく残念でなりません。
本当に必死なのはどのキャリアなのか、それを見極める目もユーザーには必要だと思います。

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▼参考リンク▼
06年度に不安要因はない 「070」を自慢できるブランドに(月刊テレコミュニケーション2006年3月号インタビュー)
ウィルコム「電話かけ放題2900円」ができる理由(ITmedia+Dモバイル)
みなさんケータイの料金は毎月いくらぐらいになりますか?(ちえこむ2/23)
ウィルコムが音声定額を基本料金2900円(税込)で実現できる理由(みどウィル支)