【ホワイトプラン特集】ゴールドプランの9600円は存在したのか?

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

ソフトバンクモバイルが発表した新しい準・音声定額プラン「ホワイトプラン」、ゴールドプランなどに対する一連の騒動を教訓に設定したとされ、端末価格が他のプランよりも高くなるだろうことを除けば、わずかな付加条件で月980円となるある意味良心的とも受け取れなくはないプランです。
しかしふと考え直すと、そのベースになったであろうゴールドプランの扱いはどうなのでしょうか?

去年から始まった番号がそのままでキャリアを移動できるMNP、その開始直前にソフトバンクモバイル発表し奇襲を仕掛けた準・音声定額プラン、それが「ゴールドプラン」です。
当初は月9600円でAM1:00~PM9:00のソフトバンクへの通話と、ソフトバンク宛のショートメールが無料となり、1月15日まではキャンペーン期間としていきなり最大割引70%適用の2880円で契約することが可能でした。
その後まともにプラン内容が決まっていないのではと勘繰ってしまうほど頻繁な改訂を繰り返し、「1月15日以降も2880円を継続するのでは」との憶測も流れましたが、公正取引委員会などの警告などもあったためか1月15日でキャンペーンが終了することが正式にアナウンスされました(こういう表現になってしまうこと自体おかしいのだが)。
そしてキャンペーンが終了した1月16日から、今回のホワイトプランが始まるということが発表されたわけです。

ゴールドプランに関しては「注釈が見えない程に小さく表示している」「9600円という料金の実体が無い」という大きな2つの問題点が存在していました。

「注釈が見えない程に小さく表示している」ことに関してついては、ゴールドプランの利点(通話料・メール代0円など)のみを大きく表示し、その為の条件等の注釈をあまりにも小さく表示していたことが問題とされました。
それは多くの人が気付けないだろうというほどのモノであり、結果ソフトバンクモバイルは公正取引委員会に『不当な表示の禁止(有利誤認)』に違反する疑いがあるとして警告されることとなり、現在ではいちおう問題の無い表記をする形で落ち着きました。

もう1つの「9600円という料金の実体が無い」については、1月15日までのキャンペーンでゴールドプラン(9600円)がいきなり70%OFFの2880円で利用できるものに対して、当初「1月16日以降の価格は未定」などと孫社長が発言していたことに対し、景品表示法第4条「不当な表示の禁止(不当な二重価格表示)」に違反する疑いがあり、実体のない基本料金9600円を安く見せるように表示しているのではないかと指摘された問題についてです。
このことについてソフトバンクモバイルは、1月16日からは通常価格でゴールドプランを提供するとしたことで、不当表示には当たらない形となったのです。

しかしそれはホワイトプランが発表されるまでの話であり、ホワイトプラン発表後には「9600円という料金の実体が無い」については再考する必要があります。
ゴールドプランとホワイトプランはあまりにもプラン内容が重なるからです。

ソフトバンクへの通話無料時間帯、それ以外の通話料金、ソフトバンク宛のメール無料など、基本的なプラン内容は全て同じであり、1月16日以降にゴールドプランを選択するメリットがまるでないからです。

それについて孫社長は「ゴールドプランには200分の無料通話があり存在意義がある」などと語っているが、実際にはソフトバンクへのPM9:00~AM1:00までの通話が月200分までゴールドプランでは無料になるだけであり、それは俗に言う無料通話分とはまったく異なるものです。それを理由にあげるのはいいわけでしかありません。
ついでに言うならば、月200分該当時間にホワイトプランで通話すると8400円必要となり、基本料と合わせるとと9380円とゴールドプランとほぼ同じになる。
このことからもホワイトプランの登場によってゴールドプランの9600円は存在しない、と言っても良いであろう。

しかしゴールドプランには継続割引や家族割引が存在し、それに加入すれば1年目から37%OFFの6048円で利用できる。
それを考えると、ホワイトプランでソフトバンク宛へのPM9:00~AM1:00の通話が月120分を超えるならばゴールドプランの方がお得と言えなくもない。
ただそれすらも9600円の存在意義を疑わせます、スーパーボーナスに加入すればそれらの割引の解約手数料は発生せず、実際には断る理由が存在しなくなる為です。

以上のように考える時、今回のホワイトプランの登場によってゴールドプランの基本料金9600円は事実上存在していないのと同じとも言えます。
そのことについて公正取引委員会がどう動くかはわかりませんが、少なくともソフトバンクモバイルが自社の利益だけが大事であり、その為にはユーザー軽視も平然と行う、ということが改めて示されたのだと思います。

ソフトバンクモバイルのホワイトプランは、ある意味日本のケータイ業界に新風を吹かせるモノかも知れません。
しかしその技術的な背景は存在せず、また料金設定的な説得力も皆無であり、さらにはゴールドプランも含めた一連の頻繁な改訂を見る限りでは、今後も継続して正常に提供できるサービスかどうかには甚だ疑問を感じます。
既にソフトバンクモバイルを利用しているユーザーなら試す価値もあるでしょうが、現状ソフトバンクモバイルを利用していないのであればしばらくは様子を見た方がよいのではないでしょうか。
たかが980円とは言え、まともに繋がらなければドブに捨てることと同じことですから。

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▼参考リンク▼
まぁ落ち着こう。(みどりうかブログ1/7)
【ホワイトプラン特集】ホワイトプランの注意点は?(みどウィル支1/7)
【ホワイトプラン特集】どんな人が得をする?(みどウィル支1/6)
【ホワイトプラン特集】ホワイトプランはまともなプラン?(みどウィル支1/6)
ソフトバンクモバイルの新・準音声定額プラン『ホワイトプラン(月980円)』(みどウィル支1/5)

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