人工カバー率の意味

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

ケータイキャリアがエリアの充実度としてよくあげるものに「人口カバー率」があります。
「人口カバー率99%」などと言われると国内のほとんどで使えるかのような印象を受けがちですが、実際には人口カバー率は現実の通話エリアの割合とは大きくかけ離れていることが少なくなかったりします。
人口カバー率とは一体なんなのでしょうか?

「人口カバー率」とは、市町村の役所がエリア内にあるかどうかを表すモノです。

例えば人口25万のH市があったとします。
その市役所が通話エリア内であればH市の人口カバーは達成したみなし、H市の人口カバー率は100%となるわけです。この時実際の通話可能エリアがH市全域である(通話可能エリア100%である)とは限りません。
逆にH市の90%が通話可能エリアだったとしても、市役所が通話できなけ場合にはH市の人口カバー率は0%となります。
その積み重ねで市町村役場がエリアとなった自治体の人口を積み重ねたものの割合を人口カバー率と呼んでいるわけです。

では実際にはどのような優先順位でエリア展開し、どの段階で人口カバー率にカウントされるのでしょうか。

ほとんどの場合、まずは市町村役場周辺がエリアとなります。最初に人口カバー率にカウントされる場所がエリアとなる傾向が強い、ということです。
次いで人口の多い市街地や住宅地などがエリア化され、主要道路などが補完されていき、その地域のユーザー数に合わせてアンテナ数を増やしていく(通話可能エリアを広げていく)、ということになります。

つまり人口カバー率とは、本来はその地域がエリアとなる最初の足がかりが出来たかどうかの目安ぐらいにしかならず、実際のエリア展開とは必ずしも一致しないということが全てのキャリアにおいて言えるわけです。

これを実感する一番の材料は、各キャリアが公開しているサービスエリアマップなどです。
青森県を例に取ってみれば一目瞭然、人口カバー率は100%に近いはずなのに、実際のエリアは20~30%程度しかありません。
これは青森県の人口が密集地域とそうでない地域の差が大きく、人口密集地域をカバーするだけで人口カバー率を稼ぐことが可能であるということが原因です。それに加え前述のエリア展開のようなことがあり、結果的に実際の県内の通話可能エリアは30%未満にも関わらず、人口カバー率は100%に近い状態になっているわけです。

これが大都会東京などではまったく違ってきます。
東京の辺りのサービスエリアマップを見てみると、主要4キャリアは東京のほとんどのエリアを埋め尽くしています。
したがって東京においては人口カバー率≒通話可能エリアと言える状況にあるわけです。
しかしそれは日本の国土面積で見ると稀なケースであり、地方では人口密集地では使えても山の中に入るとケータイ4キャリアのどれも使えないエリアもけして珍しくは無いわけです。

このように人口カバー率とはキャリアがエリア展開する最低限の条件が整ったというぐらいの意味合いしかもたず、しかしながらその特徴は宣伝的にはとても有効である為に、キャリアがエリア展開の実態を伴わない時点でもCM等で利用する場合もあるわけです。

現在全国展開している主要4キャリア(ドコモ、au、ウィルコム、ソフトバンクモバイル)、そのどれもが人口カバー率99%以上を謳っています。
しかし現実にはどのキャリアも通じないようなエリアは日本全国にたくさん存在しており、通話可能エリアが99%以上というキャリアは存在しておりません。
その辺りを理解し、実際にそのキャリアを使っているユーザーの声を真摯に受け止めることがケータイ選びには必要なのだと知り置いて損は無いでしょう。

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