ウィルコムが音声定額を基本料金2900円(税込)で実現できる理由(再投稿)

この記事はみどウィル支に投稿した記事の再掲載です。

ケータイonBusinessに次のような記事が載っていた。
「ナノセル」と「音声定額」を併用 社内も日本中も“広域内線”に(ケータイonBusiness)
超小型基地局「ナノセル」と音声定額に関するインタビューなのですが、かなり興味深い記事ですので軽く紹介がてらに少し話したいと思います。

ウィルコムは元々DDIポケットという社名であり、KDDIグループの一員でした。
しかしながらKDDIにはauという携帯キャリアが傘下にあり、KDDIはauにケータイ事業を注力していたため、DDIポケットはKDDIグループの一員として住み分けをするためにデータ通信に活路を拓こうとしていました。
そういった背景もあり日本初のパケット定額制サービスを実現したDDIポケットですが、その利用が集中するビルなどにも置ける小型基地局として「ナノセル」の開発が始まったそうです。
またトラフィックが増大するにつれ膨らんだNTTへ支払う接続料金を減らす為に「ITX」という装置を開発し、自前のIP網を利用することを可能にしました。

これらは全て、データ通信に特化する為の施策でした。
しかし2004年10月、株主構成が変わりKDDIグループからはずれたことで、DDIポケットには新たなる可能性が生まれました。
それまでの「データ通信特化」から「何でもやっていい」と方針が大幅に変わったことにより、これまでのDDIポケットの技術を他へも転用することが可能になったのです。
そしてデータ通信用だった「ITX」を音声にも利用し、音声定額が可能な環境が実現しました。

それを示すかのように、記事中に以下の様な文章が載っています。
「ウィルコム定額プラン」、八剱社長は社内の常識からすると激安の「2000~3000円で行こう」と宣言。収益性を精査してみたところそれでもなんとか利益が出ることが分かった、1回線めが月額2900円、2回線め以降が月額2200円の料金に設定。法人で10回線以上の契約があれば、すべての回線が月額2200円になる割引も用意。(勝手に要約)
この文章を見てもえばわかるように、月2900円の激安基本料金で音声定額を実現し、かつウィルコムは利益を得られると明言しています。

その後「ウィルコム定額プラン」に続き、ナノセルなどの販売も開始されました。
社員数の少ない会社は「ウィルコム定額プラン」を複数契約することで社内外問わずの内線電話として使えますし、大きな規模の会社ではナノセルを利用することで回線が塞がることを回避することが可能になったのです。

正直言いまして、ウィルコムの音声定額の第一報(ウィルコム定額プランでなくその前の音声定額実現を目指すという報道)を見た時にはユーザーの誰もが、オプションで数千円、実質基本料5000円ぐらいかな、と思っていました。ウィルコムユーザーでさえそうでした。
しかし実際に公開されたプランは、携帯ユーザーどころかウィルコムユーザーの想像をも遥かに上回る基本料込み2900円(税込)という低料金でした。しかもメールまで無料に含まれます。

料金に五月蝿いウィルコムユーザーですら驚嘆しまくったのですから、携帯ユーザーが信じられなくても不思議ではないんですけどね…
ただウィルコムはドコモPHSやアステルとは違い、けして諦めず自分で技術開発し自ら道を築いてきました。
その結果が今の「ウィルコム定額プラン(税込月2900円)」ということに繋がっています。
目先を変えるだけのプランではなく、本当にユーザーのことを考えたプラン作りをしているウィルコム、今後も目が離せません。

参加中→BlogPeople
▼参考リンク▼
「ナノセル」と「音声定額」を併用 社内も日本中も“広域内線”に(ケータイonBusiness)
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