原発問題100%の候補者x1、そうじゃない候補者x5
原発スタンスに差 福島県知事選第一声 | 河北新報オンラインニュース
リンク先記事によると、福島県知事選の候補者6人の第一声、合計1時間6分10秒の内、原発問題は23.6%を占める15分35秒で、前双葉町長で原発事故に起因する放射能の影響を力説している井戸川克隆氏は8分45秒の第一声の全てが原発問題であり、他の5候補は4.4%~23.5%と扱い方は少なめ…というか普通に考えれば原発問題だけを語ることの方が不自然とも言えなくもなく、まぁでもある意味では原発問題最優先の一人といろいろ言っている5人が知事を目指すぞと、そういう感じ。
詳細はリンク先記事を参照してもらうとして、
人は原発問題だけでは食ってはいけない、という部分はあると思う。
ただこの原発問題について、どうも目標と現実の捉え方を混同している人がいるのではないかと、そう強く感じることがある。
まず現実として、原発は存在する。
これは避けて通れない問題として、使用済み核燃料の処理の問題、さらには(再稼働云々抜きにして)廃炉の問題が存在していることを意味する。
これらについてはやらねばならない課題、もっとハッキリ言えば、これまでの日本人のツケとして当然の代償を支払わねばならない問題とも言える。
ある意味原発は、最低でも避けては通れない過去の負の遺産でもあるのだ。根拠の無い科学の発展を妄想させまくって希望的観測のみで未来に解決するだろうという他力本願思想の結実よね。現実にはまだイスカンダルの放射能除去装置も攻殻機動隊SACの日本の奇跡も無いわけで。理論上、あるいは実験施設内での自称確認しているものはあるが、それを実用ベースにするにはまだまだ遥か遠くなわけだし。
んでこれとは別に電力問題もあるわけだが、そこは安易に「原発無いとダメ」と言ってはいけないし、また安易に「自然エネルギーやればいい」と言ってもいけない。
なぜなら安易な自然エネルギー導入は、原発再稼働への後押しとなるのだから。
人が使うエネルギーは、安定して出力してナンボです。
ちょろちょろ流れる小川からバケツに水を何杯も組むのは難しいけれど、ため池を作って水を蓄えれば可能となる、それと同じです。
でも安易に自然エネルギーを増やす行為は、ため池も作らず小川を大量に作って大きな川にかけ流すのと同じ。
その小川の水の総量が少ないうちはまだいいが、大きな川に占める割合が大きくなればなるほど、水量の増減を飲み込むことが難しくなる。
それに対応するためには水が溢れないように川の土手を高くしなくてはならず(送電網の強化)、また水位を安定させるために貯水ダムなどを設けねばならなくなる(電力調整用の火力発電等の増強あるいはメイン電源から補助電源へのシフト)。
自然エネルギーを安定させるためには既存の送電網に繋ぐではなく、独立電源として充電池あるいはその他の充電手段も組み合わせた形にすべきなのは、四半世紀以上前から分かりきったこと。少なくとも、電力会社の人は知っているはず。
でも電力買い取りの一時ストップをする辺り、やはりどう考えても電力会社は、確信犯的に原発が必要と思わせるための道具として、自然エネルギー買取を利用したように思う。
まぁこの辺りの事情の詳細は置いとくとして、問題は未来に対しての方向性について、どれを選ぶかということだろう。
昭和に失敗をし続けた根拠の無い未来の技術にツケを回す愚かなエネルギー政策を続けるのか、
あるいはこれ以上未来にツケを残さないようにと今頑張るのか、
まずはこの辺りの電力の問題、その象徴としての福島の代表を選ぶこと、それが今回の知事選の在り様と思う。
と同時に、福島県民にしてみれば、自分たちの生活についても考えねばならないのだとは理解する。
いずれにしても、今回の選挙は福島県民を悩ませ、苦しめるのだろうと思うのだが、それが東京電力の吐き出した毒に起因するものだという辺りに、同じ東北の人としては悶々たる思いを覚えます。
少し乱暴な言い方になりますが、福島を再度汚染させない道が示されることを願います。