北海道知事、プルサーマル受け入れを表明

道知事がプルサーマル受け入れ 北電の泊原発3号機で導入(Web東奥3/3)

北海道の高橋はるみ知事が、北海道電力泊原発3号機でのプルサーマル計画の受け入れを表明したっぽいです。

おらが思うに、プルサーマルには2つの問題点があると思う。まぁ人によってはもっと多いと思うのだろうが。
1つは通常の原子炉でプルトニウムを燃やして平気なの? という不安。
もう1つは、そもそもプルサーマルというか核燃サイクルって必要なの? という根本的な疑問。

最初の方は、まぁぶっちゃけると事故起こしたら大変な事になるじゃん! という話。
まぁ元々ウランでの運用を想定して作った原子炉、それが実はプルトニウムもいけるっぽいのでやろうよ、というのがプルサーマル。かなり乱暴だけれどもそんなとこです。
んでそれにおらの意見を述べさせてもらうと、ウランでもプルトニウムでも正しく運用して某原発のようなウソっこしなければまず大丈夫だろうと。仮にやらかせば、ウランだろうとプルトニウムだろうと大惨事になるのは間違いないと。
とするとキツイ言い様になるが、ウランが良くてプルトニウムが悪いと言うのは理由にならない。現状MOX燃料を通常の原発(軽水炉)で運用するのは前例が乏しいために不安が出るのは仕方ないにしても、理論上はいけるはずなので、そこはちゃんと地域に理解してもらう必要がある。

でももっとぶっちゃけると、原燃側とかは余っているMOX燃料をどうにかしなきゃいけないという問題を抱えているのよね。
MOX燃料は六ヶ所再処理工場で生産予定されているだけでなく、海外に再処理委託したモノもドンドン帰ってくる状態。使わなければいろいろとマズイわけよね。
しかし本来使う予定だった高速増殖炉の計画は遅れており、もう仕方ないからいけるであろう通常の原子炉でやっちゃおう、というのがあっち側の本音よね。

ただそれを含めても尚、原発が事故を起こさない限りはプルサーマルの安全性は問題は、現状のウランでの原子力発電と大差はないとおらは思う。
原子力発電所なんて、事故を起こさない限りは風評被害と冷却水による海水温上昇などが問題なだけですからね。万が一事故を起こしたら致命的というリスクはあるし、また将来的なコストなどの問題も棚上げされたままですけどね。
と文句を付けつつも、まぁ原発でのプルサーマルの安全性についてはおらは問題ないと思っていたりします。

ただ後者は違う、ぶっちゃけここは再考すらされていない過去の亡霊という側面がある。

まぁ判らんではないよ、原燃サイクル推進派の国産燃料云々とかいう考えは。もしこれから世界情勢が悪化して日本が中東の石油を利用できなくなったりしたら、そりゃ核燃料の再処理に頼るしかない時代がこないとも限らない。そこはおらも認めるところ。
ただそのメリットというのは、使用済み核燃料を再利用できると言う部分だけであって、再処理のコストは普通の原発燃料作りよりも高額だし、原子力発電所とは比べ物にならない程の大量の放射能を撒き散らすし、また大量の放射性廃棄物も生み出すし、おまけに使い道が決まらぬままに再処理していると「日本が原子爆弾作ろうとしているヨー!!」とか言われちゃうし、デメリットがもういっぱいあるわけですよ。
んで現状は他のエネルギー源の輸入がまだ平気なわけで、その大きすぎるデメリットを被るのはアホかと、そう思うわけですよ。

とは言え、もう再処理委託した分はドンドン日本に帰ってくるんです。
既に作ったMOX燃料等もあるんです。
だからその分を使うのはまぁわからんでもないよ、それは仕方ないから使おうよ、そのうち。
ただこれ以上、利用先が決まらぬままに再処理工場で生産していくのは違うと思う。
だってさ、核燃サイクルって、サイクルしての話でしょう。
プルサーマルをしてくれるところが決まらないとさ、核のゴミ増やして地域に放射能撒き散らすだけで意味ないじゃん。
そこがおらはプルサーマル計画の最大の問題だと思うわけです。

根本的にさ、リサイクルってお金が掛かるのよ。
どんな物質だって再資源化には労力もエネルギーも消耗品も生じるわけでね、新しく普通の資源を買う方が安上がりな場合はよくあることなんです。
だからこそリサイクル(再資源化)だけでなく、リユース(再使用)やリデュース(ゴミを減らす)なんてのもあるわけで、そこは廃棄物の特性とかを考慮してのケースバイケースなわけですよ。
そう考えると、大量にエネルギーも労力も消耗品も必要で、かつ毒性の強い放射能も発生&廃棄することになる核燃料のリサイクルは、本当に適切なのでしょうか?
その特性からリユース出来ないにしても、逆リデュースしまくりながらの再処理には疑問を感じずにはいられないわけです。

でもあれなのよね、そこは原燃側のTVCMなどはズルくって、『キリアツメ』などのイメージにすり替えようとしているわけよ。
だが実際にはあれは、砂漠における水源「霧」を利用しているだけ。シカが川で水を飲んでいるのと大差はない、ただ方法が違うだけで、水をリサイクルしているわけではないのよ。
水のリサイクルという意味だったら、動物の尿などに含まれる物質を土中の微生物が再利用し、土のフィルターで濾され、湧き水として飲める状態になるという自然の大きなサイクルをイメージさせる方が正しいわけだ。
だがそれをやれば再処理工場がどれだけ手間暇かけてお金も掛けて、消耗品の為に大量の資源を投げ捨て、ゴミを大量に発生させて放射能も撒き散らしているのに結びつきかねない。
だから都合の良いイメージを植え付ける為の『キリアツメ』なんでしょうな、ズッコイ。

まぁそんなことを言いつつ、既に作ったMOX燃料を消費する為だったらプルサーマルはやればいいんじゃないの、と思い、また同時にその必要性などは客観的な事実を見つめなおして再考すべきじゃないの? とおらは思うわけです。
まぁ推進派にも反対派にもね、そこを違えると説得力がないのでどうぞよろしく。

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